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葉っぱの切り絵!?動物公園の投稿が話題に 誰が作ったの?「森の芸術家ですね」

まいどなニュース / 2024年10月30日 16時0分

このチャーミングな「食べあと」を残したのは…?(画像提供:盛岡市動物公園 ZOOMO ※画像を一部トリミング)

 ある動物の「食痕(食べた跡)」を撮影した写真が「X」に投稿され、大きく注目を集めました。葉っぱは、風変わりな美しい形にくりぬかれており、それらはまるで魅力的な芸術作品のようです。

「こちら、ムササビの食痕(食べた跡)です。ムササビは葉を食べる時折りたたんで食べるので、このような左右対称の形になります。森の中でこんな素敵な形の葉を見つけたら、頭上でムササビが食事をしたのかもしれません。意外と私たちのすぐそばに落ちているかもしれませんよ!」

 そんな説明文と共に写真を投稿したのは岩手県の「盛岡市動物公園 ZOOMO(ズーモ)」(@moriokazoo)のアカウントです。同園は2023年にリニューアルした盛岡市内にある動物公園で、豊かな自然環境のもと60種300頭羽の動物たちの展示を行っています。公園内はいくつかのエリアに分かれており、今回ムササビさんの「食痕」が見つかった「里山エリア」は日本の里山に棲む身近な動物を展示するエリアなのだそう。

「森の芸術家ですね!」
「なかなかの芸術作品 1枚も同じ形は無さそうですね」
「解説見るまで、これが何に見えるかを問う、新手のロールシャッハテストかと思ってしまいました…。」
「人間で言ったら食べ残し?のはずなのに、それさえ可愛いとか何事? ムササビっていう概念が既に可愛いのか?」

 投稿のチャーミングな「食痕」を見た人たちから賛辞の声が多数、寄せられました。同園の広報担当者にくわしい話をお聞きしました。

「有害物質」を避けるため

――とても可愛らしい歯形です。「葉を食べる時、折りたたんで食べる」理由を教えてください。

葉には“フェノール”という有害物質が含まれているのですが、これは昆虫などの食害(※昆虫などによって葉が食われてしまうこと)から身を守るためです。この物質は昆虫に食べられやすい葉の周り部分に多く含まれており、これを避けるためにムササビは葉を折りたたんで食べると言われています。ただもちろんすべての葉を折りたたんで食べるというわけではなく、小さな葉であれば葉の周りから食べたり、綺麗に丸ごと食べることもあります。

――今回の投稿でムササビに興味を持った読者も多いと思います。そちらではムササビとのふれあいは可能ですか?

「里山エリア」のムササビ展示場にてオスの“ムムタ”とメスの“キョウト”の2頭を飼育をしています。ふれあいなどは出来ません。

「食痕」の葉っぱを見つけられる?

――「食痕」の葉っぱを見つけることはできますか?

食痕の葉は、掃除のときに片づけてしまうためなかなか見ることが難しいのですが、SNSの投稿が非常に好評で来園するお客様に直接見てもらいたいという思いから、スタッフがコレクションしていた食痕のうち厳選したものを、パウチして獣舎に掲示していますので、ぜひご覧ください。

運が良ければ、姿を見ることも!?

――ムムタくんやキョウトちゃんの姿を見ることは?

ムササビは夜行性のため、日中は基本的には巣箱内で過ごしていることが多いです。そのため、まるまって寝ていることが多く、全身を見ることは難しいかもしれません。また巣箱の中にいると体の一部しか見えないかもしれません。飼育スタッフがご飯をあげる時や掃除の際に巣箱から顔を出すことが多いので、16時ごろであれば運が良ければ見ることが出来るかもしれません。

――秋の季節、園内の見どころは。

当園は自然環境豊かな森林の中にある動物公園です。東京ドーム8個分の敷地には、飼育している動物の他に、野生の生き物が多く生息しています。ニホンカモシカやホンドギツネ、ホンドタヌキなどのほか、野鳥も飛来し、昆虫もたくさん生息しています。

里山の中にあるため、飼育している動物はその中で展示場を広くとり、周りの景色を借景に、自然の中にいるような姿を見てもらえるよう工夫しております。また、山の上にあるため起伏がありますが、ベンチを多数配置することで景色を楽しんでゆったり過ごしていただけるように配慮しております。

◇◇

 さらに「『NATURELOOP』という自然散策路では虫取りや植物の観察を楽しむことが出来ますし、園内に生息している野生動物の食痕などをみつけることが出来るかもしれません。入ってすぐのピザスタンドかカフェで軽食をテイクアウトし、園内を回って好きなベンチでゆったり景色を楽しみながら動物たちを見てのんびり過ごすのがおすすめです。ぜひ秋の行楽シーズンに遊びにいらしてください」(同担当者)とのことです。今秋、自然の中でひとときを過ごしたい方は、園内でのそぞろ歩きを楽しみつつ、動物たちの「食痕」を探してみてもいいかもしれませんね。

(まいどなニュース特約・山本 明)

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