「この子を自分の手で育てたい」会社の倉庫で鳴いていた生後1カ月の子猫、保護し“育児”に励んだ日々…12年後の今、思うことは?
まいどなニュース / 2024年11月4日 16時0分
2021年5月、まこもさんは働いていた会社の倉庫内で、3匹の子猫がいることを同僚から知らされました。
嵐の日に母猫が驚いて、子猫たちを残してしまったようです。まこもさんは猫が好きということもあり、3匹のうち1匹を引き取ることに。ほかの2匹もそれぞれ引取先へと旅立ちしました。
まこもさんが迎え入れたその子が「おはぎ」ちゃんです。名前の由来は、まるでおはぎのような見た目だったことからつけられました。
当時、おはぎちゃんは生後1カ月ほどの小さな子猫でしたが、先住猫が2匹いたため、最初は家族に反対されたそう。まこもさんは、過去に子猫を育てた経験があったことから「この子を自分の手で育てたいと強く思いました」と振り返ります。
最終的に、家族の理解を得て、おはぎちゃんは新しい家族の一員となりました。
おはぎちゃんと先住猫との関係
おはぎちゃんを迎えた当初、まこもさんの生活はとても忙しくなりました。
まだ離乳前のため、スポイトでミルクを与えたり、排泄を手伝ったりする日々が続いたのです。おはぎちゃんは食欲旺盛で、順調に成長していきましたが、人見知りが激しく、家族以外の人にはなかなか慣れませんでした。特に、リフォーム業者が来たり、動物病院に行く際には怖がってしまい、対応に苦労したそうです。
また、先住のオス猫はおはぎちゃんをすぐに受け入れてくれましたが、メス猫は距離を置く様子だったとのこと。そんな中でも、「ぬいぐるみで遊ぶ姿を見ると、やっぱり愛おしくて」とまこもさんは振り返ります。忙しい日々の中でも、そうしたふとした瞬間に感じる幸せが、おはぎちゃんを育てる喜びを倍増させてくれたことでしょう。
愛嬌たっぷりの甘えん坊に成長
おはぎちゃんは、感情がとても豊かで、特にまこもさんへの甘えん坊ぶりが際立っています。
夜、寝るときには「寝るよ」と声をかけると、一緒に寝室にやってきて、同じ布団で寝るのが日課です。「私の左腕を枕にしてゴロゴロと喉を鳴らすんです」と、まこもさんは笑顔で語ります。
さらに、おはぎちゃんは撫でてもらうのが大好き。撫でるのを止めると「もっと撫でて」と言わんばかりに甘えた声を出すそうです。「それで、ついつい寝不足になることもあるんですよ(笑)」とまこもさんは少し困った様子ながらも、そんなかわいらしい日々のルーティンを楽しんでいる様子が伺えます。
一方で、おはぎちゃんはやきもちを焼くことも。まこもさんがほかの猫を撫でたり、ブラッシングをしたりしていると、すぐに駆け寄ってきて邪魔をしたり、不機嫌になることもあるのだとか。その姿もまた、おはぎちゃんの個性として愛されています。
おはぎちゃんとの未来を見据えて
おはぎちゃんは、現在、12歳になりました。まこもさん家族にとってなくてはならない存在です。「最近では長寿猫をよく見かけますが、うちのおはぎや猫たちもギネス世界記録に認定されるくらい長生きしてほしいですね」と、まこもさんは笑顔で話します。
おはぎちゃんの元気な姿を見るたびに、その思いは強まっていることでしょう。
おはぎちゃんを迎えたことで、まこもさんとご家族は改めて猫の感情表現の豊かさに気づかされました。「おはぎのおかげで、ほかの猫への愛情もさらに深まりました」とまこもさんは語り、今では「すべての猫が幸せであるように」と強く願うようになったと言います。
おはぎちゃんとの日々は、決して平坦ではなかったかもしれませんが、そのすべてがまこもさん一家にとってかけがえのない宝物になっているようです。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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