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展覧会で微動だにせず作品を見ている男性→最初は気にしていなかったけれど…  驚きの“仕掛け”に遭遇した人は「ほとんど違和感なかった」

まいどなニュース / 2024年10月29日 7時10分

腰に手を当てて、熱心に作品に見入っているように見える=飯島モトハさん(@mochiunagi)提供

「なんかやたらじっくり作品見てる人がいるなぁ〜、と思ったらそういう人間そっくりの立体作品だった。小汚さがリアル。」とXに投稿したのは、美術家でライターの飯島モトハさん(@mochiunagi)。

そこには、展示物をじっと凝視する男性が写っていました。実はこの男性、本物の人間ではなく、精巧に作られたこの展覧会のための展示物だったのです。

飯島モトハさんにお話を聞きました。

ーー何の展示会だったのですか。

「日本国憲法展2024です。東京のギャラリー青山目黒で開催されています」

ーー最初は人間だと思いましたか。

「最初は本物の人間だと思いました。美術展では長く一つの作品の前で動かずジッと見ている人が少なくないので、あまり気に留めていませんでした」

ーー違和感のようなものは。

「着回しに違和感はなかったです。ただ、よく見れば髪質や真新しい服と古びた靴のコントラストなどに多少は違和感があったかもしれません。ですが、人間だと思っていたので、そんな不躾にジロジロ見るものではないと少し目線を外していました。ただ、写真だと陰になってしまっているトートバッグは何も入っていなさそうだし、真新しかったのでちょっと不思議に思ったのは覚えています」

ーー人形だと気づいたのは。

「別の観客が目の前を通っても反応を示さないし、よく見ると憲法第38条の紙を持っていることから作品だと気づきました」

ーーこの立体展示の意味するところは?

「手に持っていたのが憲法第38条の、『何人も、自己に不利益な供述を強要されない』との関連性から読み解く作品だと思っています。
人間そっくりではあっても人間ではないので、『不利益な供述』どころか何も言えない。黙秘権そのものを体現しているように見えました。
とはいえ、作品は『問い』なので、私の解釈が正解とも間違いとも思ってはいません」

投稿を見た人からは大きな反響があり、「いいね」は5.1万件にもなりました。日本国憲法についてさまざまな角度から考えることのできる展示会。足を運んでみるのもおすすめです。

◇  ◇

青山|目黒「日本国憲法展2024」
2024年10月26日(土)〜2024年11月17日(日)
時間 : 12:00 〜 19:00 (土曜日・日曜日・祝日は18:00まで)
休館日 : 月曜日、火曜日 (11月3日は開廊)

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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