片目を失いながらもやんちゃな子猫を保護して5年 愛あふれる“母猫”役を務めるように 飼い主さんが感じた「驚きの成長」
まいどなニュース / 2024年11月2日 11時45分
2019年10月18日、X(旧Twitter)ユーザーのmako(@kumakounagi)さんは、生後約3カ月の小さな保護猫「うなぎ」ちゃんを迎え入れました。
当時、飼い主さんは保護猫シェルターでボランティアをしており、一時的に3匹の子猫を自宅で預かることに。その中の1匹が、他の子よりも小さく痩せていて、片目を失い、鳴きすぎたからか声がかれていたため気にかかったのです。それが、うなぎちゃんでした。
「キャリーケースを開けた瞬間に飛び出して、威勢よく『シャー!』と威嚇するうなぎを見て、なんとも元気で強気な子だと感じました」と飼い主さんは振り返ります。
「こんなに気の強い子は、里親さんが決まってもキャンセルされてしまうのではないか」と心配だったという飼い主さん。このとき、うなぎちゃんに対して特別な感情を抱いていることに気づいたそうです。
うなぎちゃんを預かってから5カ月が経った頃、飼い主さんは家族の一員として迎え入れることを決意。ほかの2匹の子猫もそれぞれ里親さんが決まり、新しい猫生を歩み始めました。
うなぎちゃんが猫社会で見せた意外な一面
うなぎちゃんとの生活が始まって間もなく、飼い主さんは再び4匹の子猫を預かることになりました。
わんぱくなうなぎちゃんが他の子猫たちとうまくやっていけるか心配だったそうですが、意外にも、うなぎちゃんは母親のような優しさで子猫たちの世話を始めたのです。
「子猫たちをそばで見守り、毛づくろいをして、時には遊びも教えました。そんな姿を見て、うなぎの成長を実感し、まるで孫ができたような気持ちになったのを覚えています」と飼い主さんは語ります。
うなぎちゃんの献身的なふるまいのおかげで、4匹の子猫は穏やかで優しい性格に育ち、すぐに新しい里親さんが見つかりました。
その後、うなぎちゃんは、自分よりも年齢が上で人間に不慣れな猫がやって来たときも、新しい環境に慣れるまで根気よく支えたそうです。飼い主さんは「もし、うなぎがいなかったら、その猫が落ち着くまでにもっと時間がかかったでしょう」と話します。
うなぎちゃんは周りの猫たちの心の支えとなり、飼い主さんとの絆もより一層深まっていきました。
甘えん坊で賢い、ユニークなうなぎちゃんの性格
そんなうなぎちゃんですが、ツンデレな一面もあります。
生後5カ月でケージから出た頃は、飼い主さんにおやつが欲しい時や遊びたい時だけ近づき、それ以外では先住猫の「くう」ちゃんにべったり。「私が触れると嫌がるのに、自分から撫でてほしいときは触らせてくれたり……。自分が何かしてほしいことがあると、私がそれに応えるまで鳴き続けることもありました」と、その気まぐれさに飼い主さん困ったこともあったそうです。
飼い主さんは、うなぎちゃんのペースに合わせて、自分から近寄ることは避けて「こうすると良いことがある」と根気よく教えました。すると、3年を過ぎた頃から、うなぎちゃんの行動に変化が……。「私の膝やお腹の上で眠ったり、あとをついてきたりと、以前よりも甘えてくるようになりました」。
うなぎちゃんは、とても頭の良い猫で、飼い主さんの行動パターンを把握して先回りしたり、言葉を理解しているかのような反応を示したりすることもあるそうです。
「子猫の頃、おもちゃやおやつが入っている缶やケースを開けてしまうため、何度も別のものに変えるのですが、そのたびにまた開けてしまうことがありました。今は、私の行動パターンを把握して先回りしたり、言葉を覚えて会話をしているように感じられたりすることがあるため『中に人間が入っているのでは?』と思うことがよくあります」と飼い主さん。
今では、「ダメだよ」と伝えるといたずらをやめるようになり、飼い主さんとのコミュニケーションも日々進化しているようです。
うなぎちゃんとの未来
うなぎちゃんは、現在、5歳になりました。
当初は、その賢さから飼い主さんを困らせることもあったうなぎちゃんですが、「いつのまにかいないと困る子になっていました」と飼い主さんは微笑みます。
うなぎちゃんと飼い主さんは、お互いに尽くしたり、尽くされたりとバランスの良い関係を築いているようです。
「周囲の人からは驚かれるほど猫ファーストの私ですが、これからも猫たちのペースに合わせて良い距離感を保ちながら暮らしていきたいです。来世も私のもとに来たいと思ってもらえることを目標に日々を過ごしています」と語ってくれました。
長い年月を経て、ゆるぎない絆で結ばれたうなぎちゃんと飼い主さん。これからも穏やかで幸せな日々をともに過ごしていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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