「ずっとのおうち」待つ保護猫たちを心温まるタッチで描く「保護猫画」が人気 「作品を通じて関心をもってもらえたら」
まいどなニュース / 2024年10月30日 12時20分
「ずっとのおうち募集中」の保護猫をにじみ絵やオイルパステル、油絵などで描いている作家・アトリエ福にゃんさん(熊本市在住)の「保護猫画」が注目を浴びている。今年(2024年)8月、熊本市内の画廊喫茶で開催された初個展では地元テレビに取り上げられ、大勢の人たちが来場。反響が大きかったことから、11月に2回目の個展を開く予定だ。
白血病の子など3匹の元保護猫を飼っている福にゃんさん。2年前、熊本市の動物愛護センターで野良猫のTNR(捕獲し、不妊去勢手術を施し、元の場所に戻すこと)を手伝うボランティアをしたことが、野良猫を増やさないための啓蒙をしたいと思うきっかけになった。
「センターで不妊去勢手術をするために連れてこられた野良猫は毛玉がいっぱいで毛並みがボロボロの子や、健康状態の悪い子もいます。冬の寒い日、手術が済んだ直後、猫たちは暖房のきいたところで寝ているんですけど、明日、明後日にはまた寒いお外に戻さないといけない。TNRの対象となる猫たちは常に過酷な環境のなかで生きています。そんな子たちを見ていたら切なくなって…」(福にゃんさん)
「なぜ野良猫や保護猫が存在するかといえば、やはり人間がそういう環境を作りだしているからだと思います。可哀想だからと野良猫にご飯を与えたくなる気持ちは理解できますが、猫の繁殖力は凄く、不妊去勢手術をしないままでいると、結果的に猫を取り巻く環境は悪化し、猫もそのエリアに住む人も苦しむことになります。そうしたことについて何も知らない一般の人たちにもっと関心を持ってもらうために、自分ができることは何かと考えたとき、保護猫の絵を描くことで啓発できればと思ったんです」(同)
昨年までの2年間は一般の人たちから「自分の愛犬、愛猫を描いてほしい」とのオーダーをもらって描き、売上の一部を保護犬猫団体に寄付していたが、今年から本格的に保護猫を描き始めた。熊本市内で活動する「NPO法人 犬ねこみらいサポート」(中野裕子代表)の協力のもと、福にゃんさんは長年声がかからない成猫など、「描きたい」と感じた子を描いている。モデルは新しい飼い主が現れるのを待っている子たちばかりだ。
今年8月に開催された初個展では、濡らした紙に絵の具を落としてにじませる「にじみ絵」を中心に16点を展示。「ほんわかしたタッチで心温まる」「保護猫のことをもっと知りたいと思った」などと好評だったという。
「絵をみていただいた方が、自分にも何かできることがあるんじゃないかと行動を起こすきっかけになってくれたらすごく嬉しいです。1人が100匹の世話をするのではなく、関心ある人が100人に増えて、100人が100匹をみる方がいいですよね。願わくば描いた子が譲渡に繋がり、幸せになってくれたら最高ですね」と福にゃんさんはほほえむ。
2回目の個展となる「アトリエ福にゃん 保護猫画展『ごろごろvol.2』」は2024年11月12日〜11月23日まで、「画廊喫茶オアシス」(熊本市中央区中央街4−29 パスート駕町ビル2F)にて開催。店休日は18日。福にゃんさんは、12、14、16、17、19、22、23日に在廊予定。作品は購入可能。売上の一部は保護猫団体に寄付する。
アトリエ福にゃん インスタグラムは @atelierfukunyann
(まいどなニュース特約・西松 宏)
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