飲食街の路地裏で、ゴミにまみれて子猫たちを育てていた母猫 子どもを守るため人にすり寄り…今ではシェルターの接客役に

ひょうきんな一面も＝Happy Tabby Room提供

2023年5月、とある飲食街の路地裏で、ゴミにまみれて子猫たちを育てていた母猫がいました。痩せ細り、風邪をひき、顔にはケンカによると思われる小さな傷も。

そんな厳しい環境の中でも人に懐き、道行く人にすり寄ってご飯をもらっていたのが、現在、大阪の保護猫シェルター「Happy Tabby Room」で過ごしている「かつこちゃん」です。

路地裏での母猫の奮闘

かつこちゃんは、飲食店が立ち並ぶ場所での過酷な生活を余儀なくされていました。子猫たちを必死に守りながら、少しでも栄養を確保するため、道行く人に愛らしく寄り添っていたかつこちゃん。

しかし、優しい人がいる一方で、猫を嫌う人からは蹴られることもあったそうです。それでもめげずに人の温かさを信じ続け、子猫3匹を無事に育て上げました。その後、かつこちゃんと子猫たちは保護され、兄妹で仲良く新しい家庭へと引き取られていきました。

穏やかで人懐こい性格のかつこちゃん

彼女が発見された場所は、串カツ屋が有名な飲食街の一角。そんな背景から「かつこちゃん」というユニークな名前が付けられました。まるで路地裏の飲食街で親しまれていた彼女が、この名と共に新しい未来を切り開いているように感じられます。

かつこちゃんは人懐こさが抜群で、なでなでが大好き。お客様がシェルターに来ると、いつも真っ先にお出迎えしてくれる「接客猫」としても人気者です。

「穏やかな性格で落ち着きがあり、他の猫とも上手に付き合えるため、誰に対しても優しく接することができます。そのため、家庭に迎えた場合も、穏やかな空気を届けてくれるでしょう」とスタッフは話します。

ちょっとしたお世話が必要な「慢性鼻炎」

かつこちゃんには少し持病があります。彼女は慢性鼻炎を患っているため、季節や体調によってくしゃみや鼻水が出ることがあります。特に症状が悪化する時はお薬が必要になることもありますが、それを補って余りある魅力を持つかつこちゃんです。

かつこちゃんは、まだ新しい家族を探しています。少しお世話が必要な場面もあるかもしれませんが、その分だけ深い絆を結ぶことができるはずです。

路地裏での過酷な生活を経て、今も優しく穏やかな「かつこちゃん」。彼女にとっての第二の人生を共に歩んでくれる家族との出会いがありますように。

（まいどなニュース特約・渡辺 陽）