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神社の鳥居で懸垂 罰当たり外国人姉妹に憤懣の方へ タイの王朝遺跡では日本人が恥知らずな行為 「非難するばかりでなく文化を伝える努力を」

まいどなニュース / 2024年11月2日 18時0分

アユタヤのワット・プラシー・サンペット ※画像はイメージです(san724/stock.adobe.com)

近年、問題視される外国人によるマナー違反。先日も神社の鳥居で懸垂する様子を拡散したチリ人の女性インフルエンサー姉妹が批判を浴びたが、どうやら日本人も「これだから外国人は」などと偉そうにふんぞり返るわけにはいかないようだ。

今、SNS上で大きな注目を集めるのはタイ在住18年になるPKさん(@PK76349649)が「鳥居でふざけた外国人が糾弾されてるけど、タイで日本人も同様のことをやってるから、日本語でこんな注意喚起をされている。」と紹介した一枚の写真。

これはタイ・アユタヤの遺跡に掲げられた注意書きで、現地語に加え英語、日本語で像の上に登ったり首のない仏像の上に顔を出して写真撮影しないよう求めているのだ。

外国人にくらべ真面目でマナーがいいはずの日本人に向けてなぜこんなメッセージが…PKさんにお話を聞いた。

ーー日本人、思いっきり注意されてますね。

PK:今回の写真は私が2023年2月にアユタヤ遺跡で撮影したものですが、わざわざ日本語で記載されていることから、残念ながら日本人観光客によるこのような行為が過去にあったのだろうと理解しました。私もタイの文化や宗教について無知であったら同じ行為をしていたかもしれません。

ーー投稿に大きな反響がありました。

PK:これだけ大きな反響があったのは、きっと読者に「自分もやっていたかもしれない」という思いが少なからずあったからではないでしょうか。また、神社での外国人によるマナー違反が大きく糾弾されている一方で、日本人も海外で似たようなことをしてしまうリスクがあるのだということに気付いた方が多かったのだろうと思います。

ーータイでの日本人観光客の振るまいにはどう感じますか?

PK:とはいえ観光地において日本人はマナーを守っていると感じます。つまり、して良いこと悪いことがわかっていればきちんとそのルールに従っているということです。アユタヤの例は、日本だとあり得るシチュエーションですが、それがタイでは「してはならないこと」だという知識がなかった故のことです。

ーー年齢とマナーは関係ありそうでしょうか。

PK:特に若い旅行者は概してマナーがよい印象です。一方で、中年男性の場合にはそうでもない場合があります。例えば、日本語のわからない店員に日本語で横柄にまくしたてたり、日本では決して人前でしないようなタイでの風俗の話を公共の電車や地下鉄の中で大声で話すグループには何度も遭遇しました。周囲はみなタイ人で聞こえてもわからないだろうと思っているのかもしれませんが、日本語を理解するタイ人はとても多いですし、聞いているこちらが恥ずかしくなります。

ーー外国人を批判するばかりではいけませんね。

PK:日本で神社の件が大きく扱われ、「外国人は来るな」「インバウンドお断り」といった反応にはやや悲しい思いでした。日本をはるかに上回る観光大国のタイでも同様にマナー違反はあるものの、このように立て看板による注意喚起をすることで未然防止し、大切な観光収入であるインバウンドと折り合いをつけているのです。そのことを知ってもらい、日本でも外国人観光客と円滑なお付き合いができるよう参考にしてもらえればと思います。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「そういえば世界遺産アンコールワットに落書きをした日本人がいた。まったくけしからん」
「ずっと前パリのノートルダム大聖堂行ったとき、入り口に日本語で大きく『祈りの場、静かに』と注意書きがあったなぁ。」
「タイの隣国カンボジアのアンコールワットには、西暦1632年、老母の菩提を弔うために遥かなる祇園精舎を目指して旅立ち、艱難辛苦の果てにアンコールワットに辿り着き、そこに四体の仏像を奉納した森本右近太夫なるサムライの落書きがある。」

など数々の驚きの声、共感の声が寄せられた今回の投稿。

少し検索すれば過去に日本人が世界中の文化遺産や宗教施設で失態を犯してきたことがわかる。インバウンドによる利益を享受したいのであれば、外国人のマナー違反を責めるばかりではなく、彼らに日本のマナーや常識を知ってもらう努力も必要ではないだろうか。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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