天文科学館が撮影した「夕焼けパンダ」って? 年2回の貴重な瞬間、「ハロウィンのカボチャだ」と反響の声
まいどなニュース / 2024年11月21日 7時10分
「速報)夕焼けパンダ出現!」
兵庫県明石市にある明石市立天文科学館のX公式アカウント(@jstm135e)にて、年に二度しか観察できないという夕焼けパンダの写真が公開されました。
夕焼けパンダとは、太陽が地平に沈む間際、その軌道が明石市樽屋町にある鉄塔の通信用アンテナと重なり、まるで夕日がパンダの顔のように見えてしまう現象。
これは3月1日と10月12日の年二回しか起こらないうえに、天候等の理由できちんと見られないこともあり、今年の3月1日には“7年ぶり”に完全な形の夕焼けパンダが観察されたことでも話題になりました。
それだけ珍しい夕焼けパンダ。幸運なことに、今年の10月12日にも完全な姿を見せてくれたといいます。
写真が公開されたXのポストにも、多くの反響がありました。
「おおおおお、なんといういい画像」
「パンダというより、ハロウィン仕様!」
「ハロウィンのカボチャにしか見えない」
「『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のジャックにも見えるwww」
感動の声のほかに、パンダ以外のものに見えるという意見も多数。他にも、『ヤッターマン』に登場する“ドクロベエ”や『新世紀エヴァンゲリオン』の“使徒”を思い浮かべた方もいました。
地軸や公転・広範囲の地域の天候も観察に影響
明石市立天文科学館の副館長・鈴木康史さんによると、2014年より年2回の該当日、夕焼けパンダの観察会を開催されているそうです。毎回、多数の応募があるものの、実際に参加できるのはわずか20名程度という狭き門。今回の10月の観察会では、470名の希望者のなかから19名が参加されたそうです。
「(参加者の)皆さん、とても喜ばれ、感激されていました。私たちも、集まった皆さんと一緒に夕焼けパンダを見ることができたこと、大変うれしかったです」(鈴木さん)
ですが、この夕焼けパンダ、どうして観察できるのが年2回のみなのでしょうか?鈴木さんにおうかがいしたところ、このようなご回答でした。
「地球は自転軸が傾いた状態で太陽の周りを公転しているため、季節によって太陽が沈む位置が変わります。そのなかで、同館の14階展望室から見た時、明石市樽屋町の鉄塔のアンテナと重なる位置に太陽が沈むのが、3月1日と10月12日の年2回だけになります」
さらに、完全な姿を観ることがなかなか難しい理由については、このように語ります。
「夕焼けパンダが見えるためには、西の低空に雲が無いことも条件になります。明石上空だけではなく、さらに西の地域(中国地方や九州地方)まで晴れる必要があることも、(完全な姿を見るのが)難しい理由の一つです」
地球の地軸や公転の影響、また明石市内のみならず広範囲に空が晴れていないといけないことが、夕焼けパンダをなかなか見ることができない理由となっているとのこと。
その分、観察できた参加者の皆さんの喜びも、ひとしおだったようですね。
「これをきっかけに、いろいろな天文現象に興味を持っていただければ、またうれしいです」(鈴木さん)
また、明石市立天文博物館のYouTubeチャンネルでは、当日の動画も公開。夕日が鉄塔に重なるまでの過程を観ることができます。
◇ ◇
日本標準時子午線上に建つ「時と宇宙の博物館」として運営されている明石市立天文科学館。
「学芸員の生解説によるプラネタリウム投影や、時・宇宙に関する展示、展望室からの明石海峡の眺望などを楽しんでいただくことができます。ぜひ、ご来館ください」(鈴木さん)
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))
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