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91歳女性、亡くなる前日までSNS投稿 最後の投稿は「おやすみなさいませ」 人気インフルエンサーの日常が一冊に

まいどなニュース / 2024年11月16日 18時10分

ワイングラスを傾ける大崎博子さん(撮影・林ひろし、宝島社提供)

 「昭和7年生まれです。機械オンチの私が78歳でMacと出会いました!」ーーXの人気アカウント、大崎博子さんが今年7月23日、91歳で息を引き取りました。戦争経験者としての思いや、シニアのひとり暮らしの日常など、世代を超えて人気を集め、Xのフォロワー数は21万人超を誇るまでに。亡くなる前日まで、いつもと変わらぬ投稿を続けていました。

最後の投稿は「おやすみなさいませ」

 大崎さんは7月22日、夕方5時半過ぎに「今宵の晩酌の友です。暑過ぎです。冷奴もつけました」と投稿。写真には缶ビールのほか、ゴーヤ、ブロッコリー、トマト、キュウリ、トウモロコシなど、栄養バランスを考えた彩り豊かな晩酌メニューが並んでいます。

 同日午後9時半ごろ、「歳を重ねるといつも眠い 目がしょぼしょぼになります。眠りが浅いからかも、、朝迄目が覚めず寝れた時がない 2.3回目が覚めトイレに行く。歳だな〜と思う 朝6時に目覚ましをかけているけど5時には起きちゃう。って事で おやすみなさい」と就寝のあいさつ。周辺は荒天だったようで、「豪雨と雷 部屋に居ても怖い」と顔文字付きで実況。フォロワーに送った「おやすみなさいませ (-.-)y-., o O」が最後の投稿になりました。

 7月26日、海外で暮らす一人娘の夕湖(ゆうこ)さんが母親のアカウントを更新。フォロワーに向け、「博子の娘です。ロンドンから東京に昨日の朝7時に到着。いとこが迎えに来てくれ、その足で空港から警察署に直行し、警察署から葬儀会社に向かい、打ち合わせをしてやっと家に夕方到着」と博子さんの死去を報告。母親の部屋の中の様子については、「母らしく整理整頓された家の中。最後の食事投稿写真のおかずが冷蔵庫にラップをかけて残っていたり、母の生活を感じて胸いっぱい。昨夜は一睡も出来ず。一日中いとこが付き添って助けてくれて本当に感謝」とつづりました。

78歳でパソコンデビュー、スマホも使いこなすように

 実は大崎さんにパソコンをすすめたのは夕湖さんでした。78歳になるまで機械音痴だったそうですが、徐々に上達し、スマートフォンまで使いこなすようになりました。

 夕湖さんはネット上で人気を集めた母親について、次のように話しています。

 「SNSは母にとって、かけがえないものになっていたのは、毎日の電話越しで感じていました。生前は、銀座に行ったらデパートの店員さんに声をかけられたり、Xのフォロワーの方が太極拳をしている公園に会いに来られたり、一緒に写真を撮って欲しいと言われたり、まるで有名人みたいだと笑っていました。フォロワーの方が母に会えて喜んでくれたのが、母も嬉しかったようです。(中略)遠くに住む娘としては、生活にハリがあって、楽しく過ごしているようで、安心していました。そんな母の影響力はすごかったんだとより強く実感したのは、日本に帰国してからでした。母のXのアカウントには、たくさんの心温まるメッセージをいただきました。つい最近も、カフェで母の友達と母の思い出話をしていたら、知らない女性から『もしかして大崎さんのお嬢さんですか』と話しかけられました。これにはとてもびっくりしました。(中略)大袈裟かもしれませんが、母のように私も、出会う人に愛を与える人でありたいと思っています。それはささいな挨拶ひとつでも、愛につながるんだと母を通して感じました」(同書から抜粋)

     ◇

 大崎さんの食生活は在宅訪問管理栄養士の塩野﨑淳子さんが太鼓判を押すほど。認知症予防のために自宅にある材料を生かしてメニューを考えたり、減塩のために甘酢や黒こしょうを使ったり。食卓風景を一冊にまとめる企画が進行中でしたが、制作は夕湖さんが引き継ぎ、このほど完成。11月22日に発売が決まりました。毎日の食事の写真やレシピ、生前のインタビューなどが掲載されています。「幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓」。宝島社、税込み1540円。

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