ヤングケアラーの男性社員、初めての有休で東京へ 職場にお土産…思い出のエピソードに涙「彼の成長が感じられる瞬間」「ジワッときた」
まいどなニュース / 2024年11月27日 7時40分
「ヤングケアラーの男の子が就職してきていろいろあったけど正社員になれた頃。初めての有休で友人と東京行ったとのことでお土産にお菓子を職場に持って来た。」
「ヤングケアラ―」と呼ばれる、病気や障害のある家族・親族の介護などを担う子どもや若者(18歳未満)たち。そんな、とあるヤングケアラーの男性が働く職場でのエピソードがXで話題になりました。
投稿したのは、男性が勤めている会社の当時上司だったという楽祐さん(@Raku_Bun0815)。楽祐さんによると、同じ職場で男性社員の直属の上司だったとか。ある日、男性社員は初めて有休を使って友人と東京へ遊びに行った際、お土産を職場に買ってきてくれたといいます。
「ありがとうありがとう美味しいねって皆んなで頂いた」
「こんなことにお金使うな、と言いそうになったが、彼は『有休で遊びに出かけること』『お土産を会社の人に買うこと』がしたかったのだろう、とても嬉しそうだったから。
ありがとうありがとう美味しいねって皆んなで頂いた。
彼のことは定期的に思い出す。まだヤングケアラーなんて言葉のなかった頃。」
今は転職して、楽祐さんは男性社員のいた職場を離れてしまいましたが、時々、お土産を買ってきた彼のことを思い出すそうです。
投稿には、男性社員の境遇や心遣いに感激する人たちなどからたくさんのコメントが寄せられています。
「何て素晴らしい子なんだ。元気でやっているといいね」
「彼の将来が幸多きものでありますように」
「え、涙出ました 本人も心が優しいし、そのまま受け取ってくれたあなたも素敵!」
「ヤングケアラーとしての大変な経験を乗り越えたこと、本当に素晴らしいですね!彼の成長を感じられる瞬間があったこと、嬉しいです」
「ジワっときました。うちの甥もヤングケアラーだったので、重なりました。みんな幸せになってほしいです」
男性社員からお土産を受け取った時のことやヤングケアラーについて、楽祐さんに聞きました。
親や兄弟の世話があって学校を中退した男性社員を採用、投稿したのは教育担当の上司だった
――今回ヤングケアラーの男性社員のエピソードを投稿しようと思ったのは。
「私は転職をしたのでもう彼とは会っていないのですが、元職場に友人がいるので様子は聞いていました。当時中途採用の彼の教育を担当して、やはり気にかけて育てた子だったので、辞めずに仕事を頑張っていると聞くとうれしくなったものです。今回の投稿の前日に仕事の研修で、ちょうど医療、介護、福祉の社会保障制度について学んでおり、最近の動向としてヤングケアラーの問題が取り上げられていて…受講しながら彼のことを思い出し『こんなことあったな』という思い出を書き留めるという程度の気持ちで投稿しました」
――男性社員が職場にやって来てから、ヤングケアラーについてどう思った?
「当時『ヤングケアラー』という言葉はありませんでした。ただ『親や兄弟の世話があって学校を中退した子を(非正規で)採用した』と私の上司から言われ、『苦労したのだな』という程度の気持ちでした。仕事を教えていく中で面談を重ねて彼の生活の様子やこれまでの経緯など詳しく知り、想像以上に壮絶な内容に自分の知識の至らなさを感じました。
しかし、彼は苦労したからといって悲劇のヒロインでもなければ聖人でもありません。泥臭くて愚かで不器用で優しい子。ふつうの男の子です。だから、昨今の『ヤングケアラー』という言葉が彼らを『健気でかわいそうな子ども』というようなあやふやなイメージで一括りにしてしまうような風潮にならなければ良いなと思いました。彼を『ヤングケアラーだからこうなんだ』という決めつけはしませんでしたが、エピソードとして悔しくて泣くことは都度都度あったり…『くやしい』という感情、そのやるせなさはいつも彼の中心にあったのでは、と想像します」
ヤングケアラーの若者が働くこととは?
――お土産を渡した時の男性社員の様子をお聞かせください。
「お土産を渡した時の彼の表情は、満面の笑みでした。そして学生の頃の友人とどこに行っただとか何を食べたなどといった『みやげ話』をニコニコして話してくれて、こちらまでうれしくなったり。その様子を目にして、おそらくこの子は施される喜びだけではなく、与えられる人になる喜びを感じたかったのだろうと思いました。今まで理不尽に奪われたあるいは最初からなかった他人からの承認・感謝・達成感。自由な時間を楽しんで良いこと。そんな喜びを彼から感じ取ることができました」
――最近はメディアでも取りあげられるようになったことなどから、「ヤングケアラー」という言葉が徐々に認知され始めたかと思われます。ヤングケアラ―の若者が働くことについて、過去のご経験などからどう考えるようになった?
「そもそも終わりのないケアの日々は教育の機会、就職の機会を奪います。彼のように地域コミュニティやソーシャルワーカーがたまたまうまくかみ合って働くタイミングを得たことはラッキーなケースなのだと思います。学ぶこと、働くこと。10代のキラキラした頃に友人たちと過ごす時間。好きなことに没頭できる時間。いろいろな事情でその時間を享受できなかったとしても、彼らの人生を必ず輝かせることのできる仕組みが早期にできること。それがきちんと機能していくことを心から望みます。彼は今も同じ職場で働いているそうです。彼の中心にあった『くやしさ』の鎖が少し緩んで自分らしく楽しく生きていってくれるといいな、なんて思っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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