「3日で捨てられた大型犬の子犬」に大型犬の飼い主たちが激怒!「ヤンチャで手に負えない」は当たり前、「すぐ思い通りになると?」
まいどなニュース / 2024年11月21日 7時0分
「ヤンチャ」を理由に「3日で飼育放棄された大型犬の子犬」に大型犬の飼い主たちから憤りの声が殺到(※写真はハスキー犬、ニポくんが「破壊神」だった子犬期の様子)(画像提供:ニポニポ GO! GO!!さん)
先日、「ヤンチャで手に負えない」という理由で、購入後3日で飼育放棄された生後2ヶ月のゴールデンレトリバーの子犬がX(旧Twitter)で話題になった。
大型犬の子犬が好奇心旺盛でパワフルなことは、「大型犬」を迎えるなら当然理解し、覚悟しておくべきことだ。なぜ「買う/飼う」前にその犬の特性をきちんと知っておかないのか?
「こういったケースが増えている」とつぶやいていた保護団体の投稿に、大型犬オーナーたちから多くの憤りの声が殺到した。
犬を、命を何だと思ってる?
犬ぞりを牽引する作業犬として知られる犬種、シベリアン・ハスキーのオーナーで、ハスキー犬のオフ会『長崎の陣』を主宰するニポニポ GO! GO!!さんも、「犬をなんだと思ってる?動物をなんだと思ってる?命をなんだと思ってる?二度と『動物を飼う』なんて気になるんじゃねぇぞ」と、憤りの声を投稿。多くの共感のコメントが寄せられた。
「3日?ヤンチャ?ふざけんなー!」
「飼ったその日から自分の思い通りになると思ってるんだろうか」
「パピーはみんな怪獣なのに。台風みたいな時期を楽しまなくちゃ!」
「ゴールデンの2ヶ月なんて、家中の家具という家具をかじりまくって当たり前。それを乗り越えてこそなのに…」
最高のバディも、パピー期は「破壊神」
ニポニポ GO! GO!!さんのお宅にいるのは、6歳になるシベリアンハスキーの男の子、ニポくん。長年ハスキー犬と暮らし続けてきたニポニポ GO! GO!!さんにとって、ニポくんは3代目のハスキー。
しかし、初代や先代ハスキーが幼少の頃からおとなしかったため、ニポくんのヤンチャぶりには驚いたという。とくに1歳になるまでのパピー期は、家が壊れるのでは?と思うほどの『破壊神』だったらしい。
子犬のこういった「ヤンチャ」はニポくんに限った話ではない。ニポニポ GO! GO!!さんは、自身が主宰する『長崎の陣』などを通じて、「他のお家のハスキーパピーたちも悪事の限り(笑)を尽くしているのは存じてます」と話す。
「よく聞くのは家屋の破壊ですね(笑)。壁紙はもちろん、壁のボードまで掘る。これはほとんどのご家庭が諦めていらっしゃる行為で、対処法はなしです……。ハスキーに限らず、『使役犬』に分類される犬種は人間の行動をよく観察しているようです。家の扉や引き出しの開け方をすぐに学習します。そして口や前足で器用に開けます。対処法としては、物理的なバリケードが間違いないと思います。ウチの冷蔵庫にも人間の幼児用のロックがつけられています」(ニポニポ GO! GO!!さん)
「3日じゃ意思は通じない。半年でも難しい」
成犬と異なり、子犬は食事や排泄の回数が多く、トイレの失敗も多い。また、犬にとって「噛むこと」はコミュニケーションのひとつ。そのため、興味のあるものすべてに噛みつき、おもちゃや家具はボロボロ。尖った乳歯で際限なく噛まれるため、飼い主の手足も傷だらけになる。
「甘噛みなど、痛みを伴うものは多大な肉体的・精神的ストレスとなってしまい、ネガティヴスパイラルに陥るパピーの飼い主さんは結構いらっしゃるみたいです。3日でゴールデンの子犬を飼育放棄した方も、モノの破壊や人間に対する攻撃(たぶん甘噛み等)に苦労されて、あのような結果になったんじゃないかと推測しています」(ニポニポ GO! GO!!さん)
甘噛みのような、いわゆる犬の問題行動については、「ヒステリックに『ダメ!』と制するだけじゃなく、『なぜこんな行動を取るのかな?』と考えることが重要なのではないでしょうか」と、ニポくんの飼い主さんは語る。
「パピーもそれぞれ個性がありますし、私は専門的な訓練を受けたトレーナーやブリーダーではないので、あくまでもいち個人の経験談ではあるのですが……例えば、人間の幼児が泣いたりグズった時は、多くの親が『おなかがすいたの?』と尋ねたり、『熱があるのかな?』と観察しますよね。犬も幼児と同じだと思うんです。
しかも、犬は人間の言語がほとんどわかりません。犬と暮らすというのは、未知の言語を話す異国の方と同居するようなものだと思っています。3日ぐらいじゃ意思は通じません。半年でも難しい。毎日お互いを観察し合いながら、少しずつ信頼関係が芽生えてくるんじゃないでしょうか」(ニポニポ GO! GO!!さん)
いつか「完璧なバディ」になる
犬種や犬のサイズに関わらず、犬と暮らすためには、想像以上の手間と時間とお金がかかる。
犬がいれば、生活も仕事も旅行も「犬」が中心となる。人間社会のなかで犬が暮らすためには、ルールやマナーの厳守が必至だ。飼い主の都合や体調が悪くても、毎日食事を与え、排泄の始末をし、散歩に行く。病気や老齢になれば介護も必要となる。
そういった「命」を預かる責任が、10年から20年、犬の一生分続く。
「パピーに限らず犬は……他のペットもですが、彼らは人間を本当に癒してくれます。笑顔を届けてくれます。完璧なバディになってくれます。そういったことに対する人間からの恩返しが、彼らを理解し、信頼し、愛し、守ってあげることかなと私は考えています」(ニポニポ GO! GO!!さん)
お迎えしたい動物の特性を書籍やネットで調べる、同種のペットを飼う方とSNSで繋がる、動物病院に相談する、ドッグトレーナーの手を借りる、など、「こんなはずじゃなかった…」を防ぐ手段はたくさんある。
なお、犬や猫などの愛護動物の遺棄は法律違反だ。動物の愛護及び管理に関する法律により、犬や猫などの愛護動物を遺棄した者は一年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処される。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)
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