「子猫がいる!すぐ来て!」姉の一言で動き出した運命 空腹のあまりキャリーケースに飛び込んだ命は、家族を癒やす存在に
まいどなニュース / 2024年12月2日 16時0分
元保護猫の女の子「こゆき(恋優妃)」ちゃん(取材時、推定1歳4カ月)と、X(旧Twitter)ユーザーの飼い主・みるほーさん(@milkmoon210513)は、2023年10月、家族として新たな一歩を踏み出しました。
通勤途中、母猫と子猫2匹をよく見かけるようになった飼い主さん。ある日、姉から「野良猫がいるからすぐに来て」との電話を受けたことで、運命が大きく動き出したのです。
「すぐに現場へ向かうと、そこには気になっていたあの子猫、姉の足元で『ニャーニャー』と鳴いていたのです。そばに母猫やきょうだい猫の姿はなく、『このままでは生きていけないかもしれない』と思いました」
こゆきちゃんの保護を決意
飼い主さんは、「保護猫カフェ」を運営する知人に、子猫を保護する方法について相談しました。そして、キャリーケースを用意し、その中にごはんを入れて保護を試みることに。
すると、空腹のあまり力が尽きそうな状態だったこゆきちゃんは、自らキャリーケースの中に入ってくれたのです。
「家に疲れて帰って、取り急ぎ、段ボール箱で即席の“猫専用のお部屋”を作りました。翌日、動物病院へ連れて行ったところ、獣医師の見立てでは、生後3カ月から4カ月の女の子であること、体重はわずか500グラムしかないことが判明。当時の健康状態は思わしくなく、さまざまな治療と処置が必要な状況でした」
当初は、里親さんをさがす予定だったという飼い主さん。
ところが、なかなか良いご縁に恵まれませんでした。そこで、飼い主さんはこゆきちゃんを自分の手で育てることを決意。
当時、飼い主さんのおうちには先住猫たちが暮らしていました。こゆきちゃんは、当初、治療などの関係から、先住猫たちとは離れ、隔離生活を送っていましたが、2カ月後、晴れて、家族の仲間入りを果たしたのです。
こゆきちゃんがもたらした家族の変化
当初、先住猫の「みるく」くんと「ほーじろう」くんは、あまり仲が良くなかったといいます。ところが、こゆきちゃんが加わると、ふたりの関係に変化が起こりました。
「こゆきは、まるでふたりにとって潤滑油のような存在になったのです。みるくは、ほーじろうが近寄るだけで威嚇していましたが、今では鼻チューをすることも。ほーじろうが毛づくろいをする姿も遠目で見守っています」
それまで、「猫の女の子はとても繊細で自立心が強い」イメージを持っていたという飼い主さん。ところが、こゆきちゃんはとても天真爛漫で甘えん坊な女の子。
そのことに驚いた飼い主さんは、一気に猫への興味が深まり、保護猫活動に興味を持つようにもなりました。
「私自身も『もっと猫について知りたい』という気持ちが高まり、今は資格試験の勉強を始めています。こゆきが、そのきっかけを与えてくれました」
こゆきちゃんに伝えたいこと
こゆきちゃんは、お転婆で元気いっぱい! 家の中を縦横無尽に走り回り、兄猫たちのおもちゃでよく遊びます。
「兄猫たちのために買ったおもちゃは、すぐにこゆきが使い始めてしまいます。しかも、遊びすぎてすぐに壊してしまうため、こゆきの手の届かないところにおちゃを置くようにしました。すると、こゆきは、カーテンレールの上に登ってまでおもちゃを取り返そうとするのです。その姿に、思わず、笑みがこぼれてしまいます」
また、夜中、飼い主さんがトイレに立つと戻ってくるまで待っていてくれる優しいところも。
「私が戻ると、こゆきは足の甲に乗ってゴロンと寝転がるんです。そのまま撫でていると安心して眠りにつきます。私はというと寝返りが打てず腰が痛くなることもありますが、こゆきの寝顔を見ていると不思議と苦になりません」
こゆきちゃんは、外に向かって鳴くことがあります。その様子を目にすると飼い主さんは切なくなることもあるそうです。
「かつて、こゆきを里親さんの元へ届けて帰る途中、車の中で泣きながら『ごめんね』と何度も謝りました。トライアルがうまくいかず戻ってきたときは、『もう絶対に手放さない』と心に誓ったのを覚えています」
今では、飼い主さんの大切な家族の一員として、たくさんの愛情を受けながら過ごしているこゆきちゃん。
「これからも惜しみなく愛情を注ぎ、こゆきには幸せな日々を過ごしてもらいたいと思っています」
こゆきちゃんは、これからも、健やかに成長し、先住猫たちや飼い主さんとともに温かく穏やかな時間を重ねていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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