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映画「ぼくらのふしだら」主演・田野優花 「黒歴史」だったアイドル時代、心に壁を築き周囲から人が消えた 「ワガママ娘に力を貸そうとは誰も思わない」

まいどなニュース / 2024年12月17日 11時0分

AKB48時代を振り返る、田野優花(撮影:石井隼人)

私の周りからどんどん人がいなくなった。

AKB48を卒業して早6年。俳優の田野優花(27)は「自分の中では黒歴史」とグループ活動の日々を位置付けている。その真意とは?

“神対応”とは程遠い毎日

母親の勧めで受けたオーディションに合格。しかし自発的ではない加入動機と14歳という多感な年齢が、持ち前のパンクマインドに火をつけてしまった。

「最初は人気のことを考えてニコニコ初々しく頑張ってみたものの、どんどんしんどくなっていきました。右も左もわからない状態で芸能界に入って、良くも悪くも大人の世界を目の当たりにするわけです。『アイドル?ブリブリなんてしたくない!』という反抗心は膨らんでいきました」

納得いかないものには誰彼構わずNOを突きつけた。「今振り返っても、感情をむき出しに表現していたと思います。嫌なものは嫌、ムカつくものはムカつくと。周りなんて一切考えずに行動していました。自分の中では黒歴史です」

“神対応”とは程遠い立ち振る舞いは当然の結果を生む。「一目でわかるくらい気遣われて、私の周りからどんどん人がいなくなった。見放されていくのが手に取るようにわかりました」

売れる先輩たちの背中に

幼いころから続けてきたダンスのスキルには自信があった。それが結果に繋がらないジレンマ。「なぜ私は評価されないの?」。葛藤と不安も心に壁を作った大きな要因かもしれない。

気付きを与えてくれたのは、センターで人気を得る先輩たちの後ろ姿だった。「評価される先輩方はスキルもさることながら、人柄が素敵な方がほとんど。アイドルとしての側面を出しつつも、しっかりと自分らしさを確立している。しかもそれがちゃんと評価される。私に足りないのはこれか…と」

17歳で思い知った人間力の重要性。その気付きは俳優としての現在の日々にも引き継がれている。「嫌なことを嫌だと言うことも必要だけれど、その前に受け入れてもらえる環境を自分で整えないとダメ。単なるワガママ娘に力を貸そうとは誰も思わない。自分がこの環境にいられるのは周りの人たちのお陰という感謝を忘れず、周りを納得させられる説得力のある人にならなければ」

NGは出したくない

田野は「黒歴史」を、忘れてはいけない自身のターニングポイントとして感謝の念と共に胸に刻んでいる。

「AKB48はそれまでお芝居に興味のなかった自分に、俳優業という新しい夢を持たせてくれた大切な場所。あの時『別に周りが離れてもいいや』という投げやりな気持ちのままでいたら、この場所に私はいなかったはず」

2025年1月3日公開の映画『ぼくらのふしだら』に主演。ハードなラブシーンに挑むなど覚悟の熱演を披露している。

「いい作品だと自分で納得できればヌードも構いません。私に出来ること、求められることがあれば貢献したいし、基本的にNGは出したくない。全力で応えて、それを沢山の方々に観ていただきたい。これからも色々な作品やキャラクターに挑戦していきたいです」と躍進を誓っている。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

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