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鉄道ネタのワンダーランド・JR和田岬線 なんで他より運賃が高いの? 運賃の面から特徴をひもとく

まいどなニュース / 2024年12月1日 6時0分

電車特定区間には入らない和田岬線

日中に定期列車が走らない、使用車両がレアなど、何かとネタが多い路線がJR和田岬線(兵庫~和田岬)です。実は、運賃面でも「ネタ」が存在するのです。また、運賃面でも和田岬線が他の公共交通機関よりも優位であることがわかります。

よく見ると運賃が高い和田岬線

駅の運賃マップを見て、和田岬駅の運賃が高いと思ったことはありませんか。たとえば、三ノ宮駅の運賃マップを見ると、兵庫駅までは170円に対し、和田岬駅までは200円です。兵庫駅の隣駅である新長田駅までは190円です。京阪神エリアに適用されている大阪の電車特定区間に基づくと、三ノ宮~和田岬間も190円のはず。しかも、和田岬線は正式には、JR神戸線と同じ山陽本線の一部です。

ヒントは先述した大阪の電車特定区間にあります。和田岬線は電車特定区間には入らず、「幹線」に該当します。そのため、電車特定区間の初乗りが140円なのに対し、兵庫~和田岬間は10円高い150円です。

電車特定区間は「国電区間」という名称で、1984年に設定されたのがはじまりです。当時、電車が用いられ、そこそこ列車本数が多い線区が選ばれました。2024年11月現在、大阪の電車特定区間は基本的に国鉄時代に決められた線区を引き継いでいます。電車特定区間では私鉄との競争を意識し、通常よりも割安な運賃設定になっています。

一方、和田岬線が電化されたのは2001年7月のこと。それ以前は都市圏では珍しく、ディーゼルカーが走っていました。そのため、国電区間には選出されなかった、と考えるのが自然でしょう。

JR西日本は2025年4月1日から電車特定区間を見直しますが、和田岬線は今まで通り、電車特定区間には入らず、あくまでも「幹線」扱いです。

他路線と比較すると、安い和田岬線

JR神戸線、JR京都線と比較すると割高な和田岬線ですが、他の交通機関と比較すると、格安な路線です。

和田岬にはJR和田岬線の他に、神戸市営地下鉄海岸線が乗り入れます。地下鉄海岸線は和田岬線よりも圧倒的に列車本数は多いですが、運賃が高額です。初乗りは210円、和田岬~三宮・花時計前間の運賃は240円もします。先述したように和田岬~三ノ宮間よりも40円高いのです。

また、和田岬からは兵庫駅へ向かう神戸市営バスもあります。こちらは10月に運賃改定があり、初乗りは230円になりました。

このように和田岬線はJR神戸線へスムーズに乗り継げるだけでなく、運賃が安いのも強みです。和田岬線は黒字路線で、過去には神戸市からの廃線要請もありました。もちろん、JR西日本はこの要請を受け入れませんでした。

速達性だけでなく運賃面の強みもある限り、これからも和田岬線は走り続けることでしょう。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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