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ブルーインパルス飛来で大盛況 2024WRC第13戦ラリージャパン 豊田スタジアムをメインに4日間の熱き戦い

まいどなニュース / 2024年12月1日 16時0分

期間中、豊田スタジアムでは各ブースとても賑わっていた

 公道を舞台に超スピードのバトルが繰り広げられるWRCラリージャパン、2022年、2023年に続き今年も開催されました。現地の盛り上がりをお伝えします。

そもそもWRCって一体なに? 今年はどうなってるの?

 WRCとはワールド・ラリー・チャンピオンシップの略で、世界各地を舞台に年間を通して繰り広げられるモータースポーツのシリーズ戦です。ラリーというのは一般公道を使って行われる競技で、道路を完全に封鎖してスピードを競うSS(スペシャルステージ)と呼ばれる区間と、SSの間をつなぐリエゾンという移動区間で成り立っています。今年は年間13戦行われ、今回のラリージャパンが最終戦でした。

 全13戦それぞれ順位ごとにドライバーにポイントが与えられて、そのトータルで年間チャンピオンが決まります。また、ポイントは自動車メーカーごとにも与えられて、その合計でマニュファクチャラーズタイトルも決定します。2024年は12戦を終えて、ドライバーはヒョンデのヌービルがトップ、同じくヒョンデのタナックが2位。マニュファクチャラーズタイトル争いもヒョンデがトップ、トヨタが僅差で2位につけていました。

ブルーインパルスも飛来、盛り上がるスタジアム

 競技は愛知県の豊田スタジアムを中心に、11月21日から24日の四日間にわたって行われました。

 初日の21日、競技は夕方からですが、14時にブルーインパルスが飛ぶ、ということで、昼頃には既にスタジアムの周りは大賑わいでした。

 スタジアムの西側、豊田大橋の向こうから、スモークを曳きながら6機のT4練習機がやって来ました。もうその場の全員テンション爆上がりです。綺麗に晴れた青空に、真っ白なスモークが映えます。スマートな機体が縦横無尽に舞って、iPhoneの広角でないと収まらないほどに大きなスケールの桜やハートの模様を描いていきます。筆者はこれまで各務原や姫路城で何度か見たことがありましたが、いやいやこれはもういつ見ても感動しますね。

 さて、そのあといよいよWRCの競技が始まります。17時過ぎからスタジアムでオープニングセレモニー、19時から最初のステージSS1です。これはスーパー・スペシャル・ステージで、普段サッカーなどの試合をしている豊田スタジアムの芝を一旦移動させて、アスファルトで舗装。コンクリートブロックでコースを設営して、そこで競技が行われます。

 全長は2kmあまり。コンパクトでテクニカルなコースなので最高速は出ませんが、エンジン音を響かせながらその狭いコース幅いっぱいにドリフトで走り抜ける様は鳥肌ものの大迫力です。

 そして競技はこのあと2日目、3日目と続いていくのです。

リエゾン区間の沿道には旗を持ったファンがいっぱい

 SS区間はラリーカーが心置きなく全開で走るので、基本的に人もクルマも入れません。一部区間には観戦エリアがあり、筆者のような取材者も入れるのですが、実はそこに行く手段がない(たいてい山奥で駐車場がない。観戦エリアのチケットを購入した人たちはシャトルバスで移動する)ので、実際にはスタジアムかリエゾン区間で取材をすることになります。また現地ではリアルタイムで戦況が把握しづらく、レースの模様は帰宅してから録画を見て、ということがよくあります。なので、レース自体の詳細は他の専門メディアに任せて、主に現地の様子とか楽しい雰囲気をお伝えする、ということになります。

 リエゾン区間の道路を走っていると、沿道には旗を持ったファンが大勢居ます。中には車を止めて椅子とテーブルを出して、お茶を飲みながらラリーカーを待ってる人も居ます。

 一般道ではラリーカーも交通法規を守らなければなりません(違反すると道交法の反則金や罰金だけではなく、競技の上でもペナルティがある)。なので、沿道で見ているとごく普通に目の前を通過していくだけなのですが、それでもやっぱり普通のクルマではないんですね。ゆっくり走ってても動きが違うというか、明らかに何かが違うというか。ケンシロウとかフリーザ様が一般人の中に紛れているみたいなもので、滲み出るオーラとか戦闘力を感じてしまうのです。

 主催者発表では、沿道からは4日間トータルで34万人近い人が応援していたということです。

2028年まで開催が決まったそうです

 2024年のラリージャパン。優勝はトヨタのエバンス、2位は同じくオジエ。トヨタのワンツーフィニッシュで幕を閉じました。3位にはフォードのフルモー、4位にはトップカテゴリーで戦う唯一の日本人ドライバー、トヨタの勝田が入りました。また、マニュファクチャラーズタイトルもトヨタが僅差で獲得、最終戦での劇的な逆転劇でした。

 2022年から24年まで、3年間の契約で開催されたラリージャパンですが、このたび2028年までの延長が決まったと伝えられています。来年以降はハイブリッドシステムの廃止、またタイヤの供給がピレリからハンコックに変わるなど、いろいろ変化もありそうで、いまから楽しみです。

 世界のトップドライバーが目の前の公道を走るWRC。もし機会がありましたら、ぜひ一度現地で観戦してみてはいかがでしょうか。

(まいどなニュース特約・小嶋 あきら)

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