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ふぐコースを当日予約でドタキャン→音信不通に 飲食店の悲痛な訴えに「どうすればいい?」

まいどなニュース / 2024年12月12日 7時0分

にしぶちの外観 ※日本料理 ふぐ舗 「にしぶち」提供

「お昼に電話でフグコース当日予約のお客さん
 7時予約、7時半頃『行けないからキャンセル』
 キャンセル料発生の旨伝える『聞いてないから払いたくない』
 キャンセル出来ない旨伝える『ちょっと相談して折り返す』
 電話無し電話しても出ない
 一同途方に暮れている」

東京都杉並区にお店を構える日本料理ふぐ舗「にしぶち」のX(旧Twitter)公式アカウント(@nishibuchi1988)にて、予約のキャンセルにまつわる悲痛な投稿がありました。ポストには10万以上のいいねが付き、リプ欄にも怒りのコメントが続出しています。

突然のキャンセル…キャンセル料も払わず音信不通に

2024年11月とある日の午後。同店に1件の電話がありました。当日の午後7時に4名での来店、国産天然とらふぐコース(料理だけで合計8万円分)の予約。当然、店側は準備をして、予約客が来るのを待っていました。

ところが、予定の時刻になっても、客たちは現れません。そして、30分ほど経った頃、ふたたび電話がありました。

「行けなくなったのでキャンセルしたい」

突然の要望に、店側はキャンセル料が発生する旨を伝えました。しかし、それに対する相手の反応は――。

「(キャンセル料については)聞いてないから払いたくない」

担当者によると、同店では通常の予約客に対しては、最終確認の連絡を行い、これ以降のキャンセルが出来ないという旨を伝えているのだそう。ところが、当日予約の方については、これまでに無理なキャンセルがなかったことや、「キャンセル不可」と言われた側もあまり良い気分はしないだろうという配慮の気持ちもあり、あえてそれを伝えていなかったのだといいます。

しかし、聞いてないという相手側の言い分を受け入れるわけにもいきません。すでに食材や席の準備は行っていますし、しかも相手は予定時刻よりも遅れて連絡をしてきています。店側は改めて、キャンセルできないと伝えたうえで、「来られる人数だけでも来店してもらえないか」、「料理をお包みしてお渡しすることも可能」と妥協案を出しました。

すると、相手は「ちょっと(メンバーと)相談してまた連絡する」と言って電話を切りました。しかしそれきり連絡はなく、担当者が電話をかけても出ることはなかったそうです。

非常識な予約客にリプ欄にも怒りのコメントが

35年にわたる同店の歴史のなかで、このようなことは“創業以来初”だったとのこと。

「今の気持ちは怒りと言うよりは悲しみの方が強いです」(担当者)

飲食店では、予約があると事前に食材などの準備をしなくてはいけません。高級食材を扱う店であれば、その元手もたくさんかかるでしょう。また、職人に料理や仕込みの手間をとらせることはもちろん、部屋の清掃や装飾、テーブルのセッティングを行ったりなど、店のスタッフも労力を費やすことになります。予約客たちのために空席を確保する必要もあるでしょう。

ドタキャンや無断キャンセルは、そんな店の取り組みを無にし、損害をも出させてしまいかねない行為です。もし、やむ終えずキャンセルせざるを得なくなった時も、相応の料金を支払うのは当たり前のこと。

Xに投稿された今回のエピソードに対し、多数のユーザーからのコメントが寄せられました。

「ひどい客ですね!」
「予約時間30分経ってるのにキャンセル料拒否はありえない」
「なにより、食材が可哀想っすよ」
「こういうの聞くと一見さんお断り文化が日本にあるのも納得だよなぁ」
「マナーになっていない人たちが増えたのでしょう」
「もう人情というか、人と人との信頼関係は成り立たないんだな〜って残念な気持ちになる」
「やはり予約は、電子決済で前金制にするべきなのかもしれませんね」
「大手の予約サイトでは、宿泊などは先にクレジット登録や、前払い金かありますから」

信頼関係で成り立っているのが飲食店…ではあるけれど

にしぶちの担当者にお話をおうかがいしました。

――今回の件について、率直な感想をお聞かせください。

担当者:正直なところ「まさか」という感じです。過去にも色々な理由でキャンセルをお受けしてきましたが、このようなキャンセルは初めてのことで理解が追いつきませんでした。ただ一点、当店からこの後キャンセル出来ない旨をお伝えしなかったことは反省しております。

――相手の方の電話口での様子はどのようなものでしたか?

担当者:電話口での口調はいわゆる普通の方という感じです。キャンセルできないと伝えた時も、怒りの感情をにじませることはなく、普通でした。

――今回の投稿を通じて、お客さんにどのようなことを分かって欲しいですか?

担当者:ご予約される方は基本的には来店前提でご予約をされると思います。ただ、最近は何店舗か予約して相手の好みの店に行く等の話も聞くので複雑な心境です。食材、スタッフの手配等にも時間とお金が掛かります。キャンセルは基本的にはして欲しくはないです。

――リプ欄にも、多くの方から支払い方法などについて意見がありましたが、店側としては今後、どのような対応をしようと思われますか?

担当者:お客様とお店との信頼関係で成り立っている飲食店ですが、今後は事前決済や半金入金を検討しなくてはならないのかと考えております。また今後は、(事前予約・当日予約かかわらず)全てのご予約のお客様に、「この後キャンセルができない」旨をお伝えすることにしました。お気を悪くなさらずにご理解とご協力をいただけると幸いです。

  ◇  ◇

「当店をご利用くださるお客様は本当に心の温かい方ばかり」と、にしぶちの担当者はいいます。

しかし、一方では平気でドタキャンをしたり、キャンセル料を払わず音信不通になったりするような人がいるのもまた事実。

「他の飲食店に同様の被害が出ないように――」

担当者は、今回の投稿を行った理由について、このように話しました。

店側も客側も、互いを尊重し合い、良い時を過ごせる空間を目指すのが理想ですね。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))

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