洗練された外観、広い車内空間…日産ノートe-POWER カタログ燃費と実燃費をチェック【魅力と課題を解説】
まいどなニュース / 2024年12月13日 19時0分
現在は全モデルe-POWER搭載となっている日産ノート。ここではその燃費性能について、ライバルなどとも比較してご紹介します。
現行ノート(e-POWER)の燃費は?
現行の3代目ノートは2020年にデビュー。全モデルが日産のハイブリッド技術「e-POWER」搭載車です。
e-POWERはエンジンの力でモーターを動かし、モーターの力だけで走行する仕組みです。他のメーカーのハイブリッド車と比べると、燃費性能は劣ります。しかし、電気自動車のような高い静粛性と滑らかな加速など、e-POWERならでの魅力もあります。
※この記事では、価格情報や燃費情報をガリバー「車」カタログより引用しています。(2024年9月19日情報)
▽カタログ燃費
現在、ノートのモデル展開は標準モデル「X」と90周年記念の特別仕様車、「オーテック クロスオーバー」(日産のカスタムモデルを手掛けるオーテック社開発のモデル)の3種類。それぞれ2WD車と4WD車があります。
【グレード】X
【駆動方式】2WD
【WLTC燃費】28.4km/L
【新車価格(※参考)】229.9万円
【グレード】X FOUR
【駆動方式】4WD
【WLTC燃費】23.8km/L
【新車価格(※参考)】258.1万円
【グレード】X 90周年記念車
【駆動方式】2WD
【WLTC燃費】27.8km/L
【新車価格(※参考)】240.9万円
【グレード】X FOUR 90周年記念車
【駆動方式】4WD
【WLTC燃費】23.2km/L
【新車価格(※参考)】269.1万円
【グレード】オーテック クロスオーバー
【駆動方式】2WD
【WLTC燃費】27.8km/L
【新車価格(※参考)】275.7万円
【グレード】オーテック クロスオーバー FOUR
【駆動方式】4WD
【WLTC燃費】23.2km/L
【新車価格(※参考)】306.4万円
日産が公表しているカタログ燃費では、2WD車は概ね28km/L前後、4WD車は概ね23km/L前後となっています。
▽実燃費
メーカーが公表するカタログ燃費は、試験場の測定器で計測された数値です。実際の燃費はエアコンの使用や渋滞など多くの要因で変化し、一般に実燃費は「カタログ値の7割~8割程度」と言われます。
ノートの実燃費もカタログ値の7割程度、つまり2WD車では19~20km/L程度と考えられます。ユーザーの声を聞いても、概ねこのような数値のようです。
▽Q. ノートのガソリン代の目安は?
たとえば標準モデルの「X」(2WD、WLTC燃費28.4km/L)で1000km走行する場合、レギュラーガソリン価格を174円/Lとすると、燃料代は概ね6000円ほどです。
この試算では、もし1年に1万km走るとすれば、年間の燃料代は6万円程度となります。
ノートとライバル車種の燃費を比較
ライバル車と燃費を比較すると、ノートの数値は少々劣ります。ただし、ノートには燃費性能以外に走行性能や車内空間の広さといった魅力があります。
コストより外観や広さ、走行性能を重視する人なら、ノートの検討をお勧めします。
※それぞれ最も燃費の良いグレードを抽出
▽ライバル(1)トヨタ「アクア」
【Xグレード(2WD)の場合】
・WLTC燃費:34.6km/L
・新車価格:214.6万円
ノートより圧倒的に優れた燃費性能を有するアクア。廉価グレード同士で比較した場合、年間1万km以上走るなら、1年の燃料代は1万円前後変わる可能性があります。
燃費以外では、乗り心地や走り、広さに違いがあります。アクアの乗り心地は柔らかく、ハンドリングも穏やかです。一方、ノートは乗り心地と走行性能のバランスを重視。程よい乗り心地を保ちながら、キビキビ動きます。また、後部座席の頭上もアクアより高いです。
▽ライバル(2)トヨタ「ヤリス」
【ハイブリッドX(2WD)の場合】
・WLTC燃費:36.0km/L
・新車価格:204.4万円
国産車でもトップの燃費性能を誇るヤリス。車両価格も抑えられており「コストパフォーマンスで右に出るものはない」と言っても過言ではありません。
アクアと同じプラットフォームを採用していますが、見た目も走りもスポーティです。ただしアクアよりボディサイズが小さく、広さの点では優れていません。後部座席にも大人を乗せたい場合や、大荷物で出かけたい場合には不向きでしょう。
▽ライバル(3)ホンダ「フィット」
【e:HEV ベーシック(2WD)の場合】
・WLTC燃費:30.2km/L
・新車価格:213.8万円
愛嬌のあるデザインが魅力のフィット。「ベーシック」の他に、スポーティな「RS」やアウトドア志向の「クロスター」、高級感ある「リュクス」と複数のデザインを揃えています。
フィットのもう一つの魅力が、車内の広さです。アクアやヤリスより車内空間が広く、荷室容量も大きいため、大人3~4人で遠出するならおすすめの一台です。ただし、車内空間の広さに限って言えば、ノートに軍配が上がります。
▽Q. その他のライバル車は?
コンパクトカー以外でライバルとなり得るのが、トヨタのカローラやプリウスです。どちらもノートより少し大きく、かつノートより燃費の優れたクルマです。
ノートにいくつかオプション装備を付けると、カローラとは車両価格の差がほとんどなくなります。プリウスは車両価格が高いものの、燃費性能は先代モデルでも充分に良く、中古で購入する人も多いです。
▽Q. 中古のハイブリッド車は良くないの?
中古のハイブリッド車では、駆動用バッテリーの劣化が懸念されがちです。しかし、きちんと見極めて買えば問題ありません。
むしろ、消費者の中に「中古のハイブリッド車は良くない」というイメージがあるからこそ、相場価格が安いことも。プロとよく相談して選びましょう。
日産の他の車種とノートの燃費を比較
同じ日産車のコンパクトカーや軽自動車と比べると、燃費性能に関してはノートが最も優れています。
※それぞれ最も燃費の良いグレードを抽出
▽(1)日産「ルークス」(軽自動車)
【Sグレード(2WD)の場合】
・WLTC燃費:20.9km/L
・新車価格:163.8万円
軽自動車のルークスなら税金を抑えることができ、ノート以上に小回りも利きます。また、軽自動車の中では随一の走行安定性を誇り、オプションでプロパイロットも搭載できるので、長距離運転をする人にも向きます。
ただしルークスに搭載されているのはマイルドハイブリッドシステムであり、燃費はノートほど優れていません。
▽(2)日産「オーラ」(コンパクト)
【Gグレード(2WD)の場合】
・WLTC燃費:27.2km/L
・新車価格:278万円
オーラは「ノートの姉妹車」と思われがちですが、似て非なる存在です。
プレミアムコンパクトとして上質感を備え、スポーツカーのように力強く走ります。大きさは、ノートよりも全幅が40mmほど広いです。燃費は、ノートよりわずかに悪いです。
▽(3)日産「マーチ」(コンパクト、中古)
【Gグレード(2WD)の場合】
・WLTC燃費:18.6km/L
・中古車相場:5万円〜229万円
2022年に生産を終了したマーチ。発売から生産終了までに国内外で累計500万台以上を売り上げ、コンパクトカーの代表的な存在として愛されていました。
丸みを帯びたフォルムが愛らしいです。燃費性能は優れていませんが、100万円以下で購入できる車両が多く、他の車種と比べて相場が安いです。
▽Q. 先代ノート(2代目)の燃費は?
2020年まで販売されていた2代目ノートには、途中からe-POWERが採用されました。最終モデルのカタログ燃費は、最も良いもので34.0km/L(2WD、JC08モード)です。
JC08モードはWLTCモードが採用される前の基準ですが、現行ノート(WLTCモード28.4km/L)のJC08モードの値が33.8km/Lとなっているため、現行モデルと燃費性能に大きな差はないと考えられます。
ノートの魅力と課題
燃費性能ではライバル車よりやや劣勢なノート。しかし、総合的に見れば非常に魅力的な一台です。
▽魅力(1)シンプルで洗練された外観
ノートの外観は洗練されており、性別・年齢問わず使いやすいです。
2024年1月にマイナーチェンジし、やや精悍な顔つきとなりました。マイナーチェンジ前のデザインも好評なので、少し安く手に入れたい人は中古でマイナーチェンジ前のモデルを手に入れると良いでしょう。
▽魅力(2)静かで滑らかな走り心地
先にご紹介したように、e-POWERはエンジンの力で電力を生み出し、実際の走行はモーターのみで行っています。そのため、ノートの走りはまるで電気自動車のよう。非常に静かで、しかも走り始めから力強く加速します。
【ノート利用者の口コミ】
1回家族で旅行で長距離を運転しました。長距離であっても走りは常に静かで乗り心地はソフトです。パワーが十分ありながらも疲れにくい運転ができるのは好ポイントです。高速道路の加速も問題なくスムーズです。(後略)(30代女性)
▽魅力(3)広い車内空間と荷室
ノートは車内空間が広く、荷室容量も大きいです。走行性能の高さを考えても、長距離運転が多い人に向いています。
【ノート利用者の口コミ】
足元が広めに設計されているので、長時間の運転でも快適に過ごすことができます。(中略)ラゲッジスペースもとても広く収納するのに困ることはないので旅行や長距離の移動をするときは積極的に運転をしています。(40代男性)
▽魅力(4)高性能なプロパイロット機能
オプションではありますが、ノートでは日産の高度運転支援機能「プロパイロット」を搭載できます。前走車がいれば一定距離を保って追従走行、前走車がいない場合は定速走行します。また、ハンドル操作も基本的には軽く手を添えるだけで良いです。
さらに、ノートに搭載できるプロパイロットはナビリンク機能付き。カーブなどを事前に検知して減速したり、制限速度に応じて速度変更できたりします。
▽課題は燃費と車両価格か
ノートの課題は、ライバル車に比べて燃費が優れていないこと、そして車両価格の高さでしょう。
車両価格は、オプション装備を付けなければライバルと大きな差がありません。しかし、日産車はオプション設定の装備がやや多く、装備を選択しているうちに高額になりがちです。
現行ノート狙いでも中古をチェック
ライバル車と比べると、ノートの燃費性能は少しばかり劣ります。しかし、ノートは長距離運転に向く、魅力的なコンパクトカーです。コストが気になる場合は現行モデル狙いでも、中古を検討してみましょう。
(まいどなニュース/norico)
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