芸能界を赤裸々に描いた【推しの子】…本物の芸能人はどう感じていた? ドラマ&映画版に出演の櫻井海音、齊藤なぎさ、原菜乃華が熱く語る
まいどなニュース / 2024年12月13日 17時0分
多くのファンが固唾をのんで見守っていた大ヒット漫画「【推しの子】」(原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ)のおよそ2年をかけた実写映像化プロジェクトが、いよいよその全貌を現そうとしています。ドラマ(全8話、Prime Videoにて独占配信中)と、その続きを描く映画『【推しの子】-The Final Act-』(12月20日[金]より東映配給にて全国公開)で構成。アイドル業界、そして芸能界の実像や裏側を赤裸々に描いた原作のキャラクターたちに、ドラマと映画ではどのように命が吹き込まれたのでしょうか。主人公アクアを演じる櫻井海音さん、ルビー役の齊藤なぎささん、有馬かな役の原菜乃華さんにインタビューしました。
俳優、元アイドルが語る【推しの子】のリアル
—芸能界にいる3人にとって【推しの子】はどういう作品ですか。
櫻井海音「芸能界をここまでリアルに描いている作品は他にないと思います。業界にいる人間から見ても本当に“そのまんま”で、自分たちのことを描かれているんじゃないかと感じるほどです」
齋藤なぎさ「私の好きな【推しの子】のセリフに、『アイドルを名乗った瞬間から、あなたは普通の女の子じゃなくなる』というのがあります。本っ…当〜にその通り(笑)!私は13歳の頃からアイドルをやっていたので、やっぱり“普通の女の子”としての生活は送れませんでした。もちろんアイドルになって良かったことはたくさんありましたが、周りを羨ましく思う瞬間もたくさんあったんです。【推しの子】にはそういう部分…アイドルの日常やSNSなどで受ける誹謗中傷のことがリアルに描かれていて、とても共感しました」
原菜乃華「私は有馬かなを演じていますが、こんなに共感できるキャラクターはこれまでいませんでした。あまりにも感情移入しすぎて、途中で苦しくなって読むのをストップしたくらい。お芝居に執着があって、みんなに認めてほしい、自分にはこれしかないんだという強い気持ちを燃料に動いている、そんな人間くさいかなちゃんが大好きです」
—【推しの子】が芸能界でどう受け止められているか、もう少しお聞きしたいです。
齊藤「実際にアイドルをやっていたからわかるんですけど、ライブ会場の裏側の様子とか、本当にあのまんまなんですよね。ケータリングがひとつしかなくて、その場にアイドルがいっぱい集まってきたり、椅子がバーッと並べられている中でメイクしていたり、売れた人たちから自分の楽屋をもらえたりとか…そういう細かい描写の正確さがとにかくすごいです。SNSで誹謗中傷されているときの『www』みたいな投稿とか、ハッシュタグを付けてみたりとか、共感する部分がめちゃくちゃ多い。だからアイドルをやっている子の多くは、やっぱり私みたいに【推しの子】が好きだし、目が離せなかったんじゃないかなと思います」
櫻井「劇中で『(恋愛)リアリティショーに台本はない。だが、演出はある』という台詞があるんですが…その通り!!!」
齊藤「そうだよねえ…(噛み締めるように)」
(※櫻井さん、齊藤さんは恋愛リアリティショーに出演経験があります)
櫻井「本当に台本はないんですよ。一方、恋愛リアリティショーってそれぞれの自己プロデュース能力を試される場でもあって。【推しの子】ではそれがまんま描かれているから、恐ろしいですよね」
原「私は自分と重なる部分が多すぎて、純粋に娯楽として楽しめない部分もありました。例えば同年代の俳優で役を争い続ける描写とか、すっごくわかる。オーディションで最終まで残る方達って毎回同じなんです。『またか!この子がいたら勝てない!』みたいなことがよくあるんです(笑)。あと、【推しの子】がすごいのは、女優さんの気持ちを完璧にトレースして描いていること。取材しただけでは、ここまで深く理解できないんじゃないかと思います。ちょっと怖いです!(笑)」
櫻井「大きなターニングポイントになる役」
—そんな他人事ではないドラマ&映画【推しの子】に、それぞれの来歴やキャリアなどを踏まえて役をオファーされたそうですが、最初に聞いたときはどんな気持ちでしたか。
櫻井「嬉しかったです。と同時に、自分にとって大きなターニングポイントになるという予感がありました。人生をかけて挑まなきゃいけないぞ、と。日本はもちろん海外でも人気の作品なので、演じるに当たってはもちろん大きなプレッシャーもありましたが、いざ撮影が始まってからは、キャストさんやスタッフさんとみんなで一緒に同じ気持ちを背負っているんだという感覚になれました。そこからは『自分の大好きな作品をどう作っていくか』という方向に切り替えられたように思います」
齊藤「すごく嬉しくて、車の中で叫びました。自分に似ている部分がとっても多いキャラクターなので、私のことをすごく見てくださっている方がキャスティングしてくれたんだろうなと思いました(笑)」
原「もちろん嬉しかったですけど、かなちゃんの“元天才子役”という肩書きがちょっと怖すぎて…(笑)。お芝居が上手い設定のキャラクターを演じるのは初めてだったので、そこのプレッシャーは半端じゃなかったです。でも、怖いけど絶対にやりたい!という強い気持ちで挑みました」
齋藤「この経験があればこの先もやっていける」
—それぞれ、心に刺さったエピソードや台詞はありますか?
原「アクアのお芝居のことを『ずっと努力してきた人の演技って感じがして、私は好き』『細かいテクが親切で丁寧っていうか、自分のエゴを殺して物語に寄り添ってるっていうか…』『もしかしてそれは普通の人には分からなくて長く役者をやってる私達以外にはどうでもいい事なのかもしれないけど』と言うところが、実際に私が人に感じることでもあるし、めちゃくちゃいいなと思いました。あと、『こんな前も後ろも真っ暗な世界で一緒にもがいていた奴が居たんだって分かってそれだけで十分』という言葉も、自分にかけてもらったように感じて、今までの全部を肯定された気がして泣いちゃいました。ここまで全てを包み込んでくれる言葉があるんだと思って…大好きです!」
齊藤「私は、『(お願いです。)大人の時間で考えないでください』『アイドルがアイドルでいられる時間は長くない。私たちは、今を走ってる』ですね。もちろん長く続けられる人もいたりしますけど、アイドルという存在はやっぱり基本的には短いもの、儚いものだと思っていて。だからこそ、私もそれは自分にかけてもらった言葉だと思っています。19歳でアイドルを辞めているからこそ…あ、今、自分で言いながら泣きそうになっちゃった」
原「わかるー!!!」
櫻井「僕はアクアに自分と重なる部分を感じたので、どれか具体的な台詞や言葉というよりは、アクアの『使えるものは全部使う』という生き方が心に刺さりました」
—ドラマ&映画『【推しの子】』の出演を通じて得たものは。
齊藤「顔つきが大人っぽくなったねと言われることが増えました。歌もダンスも演技もして、いっぱい泣いて、劇中劇もあって…いろんな経験がギュッと詰まった濃密な半年間だったので、大人っぽくなったのかも。この経験があれば、この先の人生もやっていけると感じています」
櫻井「こういう大きなプロジェクトで主演をやらせていただくなんて、人生に一度あるかないかという貴重な経験。そこに全力で飛び込んだことで、今まで自分が持っていた作品やものづくりに対する考え方、向き合い方がより強くなった気がします。もちろんドラマ&映画化に対して否定的な声もあると思いますが、自分たちがちゃんと作品と真摯に向き合って、ひとつひとつ積み上げてきたという自信があるので、あまり怖くないんです。そういう感覚は【推しの子】の現場を経験したことで強くなりましたね」
原「同年代の役者さんがすごく多くて、仲も良かったんですが、今回は“戦う”とか“あの人に負けないように頑張る”とかではなくて、みんなで歩幅を合わせて取り組むことができたという気がしています。ひとつの作品を一緒に作り上げる、という感覚を肌で感じることができました。特にB小町(劇中のアイドルグループ)のメンバーとしては、私は歌もダンスも初めてだったので、おふたり(齊藤なぎささん、あのさん)にはすごく助けてもらったと思っていますし、尊敬しています。大好きです」
原「全力投球でやり切った。絶対に響くはず」
—『【推しの子】-The Final Act-』は12月20日公開です。
櫻井「とにかく早く見て頂きたいという気持ちが強いですね。予告映像や前情報だけではなかなか伝わりにくい部分もあると思うので、映画を見て、楽しんでもらいたいです。そして、我々がどれだけこの作品に誠意を持って向き合ってきたかを感じていただきたいです」
齊藤「同じく。みんなで一緒に戦ってきた、大事に作り上げてきた作品なので、私自身も思い入れが強いんです。それぞれの推しキャラを見つけて楽しみつつ、いろんなメッセージを受け取っていただけたらいいなと思います」
原「撮影中は山場が多すぎて、これ本当に終わるのか!?と不安になることもありましたが、終わってみたらあっという間でした。全てのキャスト、スタッフが全力投球でここまでやったものは見てくださる人たちに絶対に響くし、響いてくれなきゃ困る!という気持ちです」
ドラマ『【推しの子】』はPrime Videoにて独占配信中。映画『【推しの子】-The Final Act-』は12月20日(金)より東映配給にて全国公開。
◇ ◇
櫻井海音(アクア役)
モデルや個人でのInstagram、YouTubeチャンネル開設、昨年までバンド「インナージャーニー」のドラムを務めるなど、幅広く活動。連続テレビ小説「エール」(2020年)などへの出演をきっかけに俳優としての活動を本格的にスタートした。
齊藤なぎさ(ルビー役)
2017年に指原莉乃プロデュースのアイドルグループ「=LOVE」のメンバーとしてデビュー。2023年1月に卒業した。現在は俳優、声優としても活躍の場を広げている。
原菜乃華(有馬かな役)
2009年に子役として芸能界デビュー。映画「罪の声」(2020年)の生島望役で注目を集めた。「すずめの戸締まり」(2022年)で主人公・岩戸鈴芽役の声優に抜擢され、大きな話題を呼んだ。
(まいどなニュース・黒川 裕生)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
櫻井海音、“もし生まれ変わるなら?”意外な願望告白 齊藤なぎさ&茅島みずき「バンドマン」「アイドル」
マイナビニュース / 2024年11月27日 12時0分
-
櫻井海音&齊藤なぎさ【推しの子】実写化への“プレッシャーを上回った感情” 互いの呼び方&信頼も明かす【モデルプレスインタビュー】
モデルプレス / 2024年11月22日 6時0分
-
【写真たっぷり】実写「【推しの子】」ワールドプレミアにファン熱狂!櫻井海音「最大限の愛とリスペクトを」 齋藤飛鳥は“出演辞退”を告白
映画.com / 2024年11月18日 13時0分
-
齋藤飛鳥【推しの子】アイ役一度辞退から引き受けた理由
モデルプレス / 2024年11月17日 19時17分
-
23歳・櫻井海音、渋すぎる言動に共演者から告発続々 あのもツッコミ「いや、ジジイじゃねえかよって」
ORICON NEWS / 2024年11月17日 18時20分
ランキング
-
1昭和の「紅白歌合戦」再放送に「森進一モノマネは誇張じゃなかったんだ」「この時代の紅白すごく良い」など反響
スポーツ報知 / 2024年12月15日 18時9分
-
2中森明菜 7月ファンイベント振り返り自虐「最悪でした」 「緊張のドツボで…助けていただきました」
スポニチアネックス / 2024年12月15日 18時3分
-
3好きアナ圏外の生田竜聖アナは「後輩いじり」炎上の影響か、炎上続きの日テレアナはゼロの窮地
週刊女性PRIME / 2024年12月14日 21時0分
-
4「光る君へ」最終回に絶賛とロスの声殺到 双寿丸(伊藤健太郎)見送るまひろ(吉高由里子)に「ターミネーター」連想
iza(イザ!) / 2024年12月15日 21時0分
-
5佐々木恭子アナ、小倉智昭さんの訃報読み上げ涙「とくダネ!」で10年間コンビ組んでいた
モデルプレス / 2024年12月15日 11時34分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください