「ちょっとまけてよ」新築マンションで「値引き交渉」に燃えた夫→痛客認定される事態に
まいどなニュース / 2025年1月12日 11時0分
冷蔵庫や洗濯機など、高額な家電を買う時、みなさんは値切ったことはありますか。何軒も家電量販店をハシゴして価格を比較して、店員さんと交渉する「値切り」が上手な人っていますよね。型落ちを狙って購入時期を調整したりすることもあるでしょう。
この「値切り」ですが、人生で一番高額な買い物といわれる「マイホーム」購入の際にも張り切ってしまう人がいるようです。はたしてうまくいくのでしょうか?
新築マンションでも「値切り交渉があるよ」と聞いて
Aさん(関東在住、40代、会社員)夫妻は30代半ばで結婚、夫婦の年収を合わせると1500万円を超える収入があります。お互い独身時代からコツコツと積み立ててきた投資信託や財形貯蓄もあって、住宅資金は十分な用意ができている状態でした。
とはいえ二人とも「節約志向」がすっかり身についている者同士。マンション購入の際は、「万が一どちらかが働けなくてもローン返済ができるように一馬力で返済できるローンを組もう」「子どももつくらない予定だし、身の丈にあった小さめのマンションを買おう」など、とても堅実で、“地に足の着いた”計画を練っていました。
Aさん自身は「家は多少狭くてもいいから、駅から明るい道で帰れる家がいいな。途中で買い物が済ませられるところに住みたいな」と考えていたため、気になるマンションは便利なところばかり。ピックアップする物件は少し予算オーバー気味でした。
その結果、夫と相談するたびに「家具や家電の購入も必要だし、やっぱり予算はきちんと守ろう」と釘を刺されることに。物件選びで夫婦げんかになってしまうこともありました。
そんなある時、夫が会社である話を聞いてきました。
「マンションも家電量販店みたいに、募集価格から値引きされることがあるらしいよ! 数パーセント程度らしいけれど、元の価格が大きいからそれでもだいぶ大きいよね!」
興奮気味に話す夫の話を聞いて、いろいろ考えてしまうAさん。
「5000万円のマンションなら、2%値引きになれば100万円浮く計算。それだけ違ったら頭金の用意も楽になりそう」
それからというもの、物件探しでほんの少し予算オーバーな物件が見つかっても、「もし3%値引きしてくれたら十分範囲内だね」と皮算用。Aさんが希望の物件も候補に残るようになりました。一気に二人の意見のすり合わせも進み、一気にマンション購入は前進したかのように思われました。
モデルルーム訪問するたび…営業さんは苦笑い
しかし、いざマンションのモデルルームに見学に行くと、夫が口にするのは「値引き」のことばかり。
「ちょっとだけ予算オーバーなんですけど、この数十万円のところだけでもなんとかなったりしませんか?」「オプションが全部高いですよね…いろいろ勉強してくれるところがあるって聞くんですけど、そちらはどうなんですか」
設備や間取りについて説明してくれる営業担当の話を遮って、少しでも安くならないかと繰り返す夫に、Aさんはびっくり。
「そうですね…こちらの物件はまだ竣工前ですが、なかなか人気がありまして…。ご要望にお応えできるお部屋は出なさそうですね」と、モデルルームの人たちからは苦笑いされる始末。
それどころか「ターゲットと違う」と思われたのか、物件のパンフレットや担当者の名刺ももらえないことすらあったそうです。
実際Aさんが「いいな」と思う物件はあっという間に「抽選」が発生して完売という状況に。値引き交渉しながらのモデルルームめぐりは、実らぬまま1年ほどの時間が過ぎ、夫も現実に気づいたようでした。
実際に「値引き」が成立するのはどんな時?
新築マンションでも中古マンションでも、売り出したばかりのタイミングや問い合わせや内見が多数寄せられている状況では「値引き」が受け入れられることはほとんどありません。
・竣工から1年以上たっているのに空室が多い
・モデルルームとして現地を開放していた
・同じエリアにより新しい供給があった
・中古であれば売り主が売却を急いでいる
…などなど、「早くこの物件を売り切ってしまいたい」というタイミングとうまく合うことが「値引き」が成立する最低条件です。
その判断をするためには情報収集が何より大事。やみくもに「値引き」を口にする前に、そのマンションについての情報をしっかり把握しておきましょう!
(まいどなニュース特約・中瀬 えみ)
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