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【ヤリスVSスイフト】取り回しの良いコンパクトカー徹底比較!あなたならどちらを選ぶ?

まいどなニュース / 2025年1月2日 7時10分

ヤリスVSスイフト徹底比較(提供:norico by ガリバー)

国産コンパクトカーは取り回しが良く、優れた燃費性能を発揮する。搭載されているパワートレインは、同じ価格帯で購入できる軽自動車と比べても多彩だ。純ガソリンエンジン、マイルドハイブリッド、ストロングハイブリッドがある。今回は国産コンパクトカーのトップセラーモデルであるトヨタ「ヤリス」(ハイブリッド車)とフルモデルチェンジしたばかりのスズキ「スイフト」(マイルドハイブリッド車)を徹底比較した。

トヨタ 4代目ヤリスの特徴

ヤリスは2020年2月10日に販売開始された。もともと日本国内ではヴィッツという名前で販売されていたが、この4代目からは海外で使用されている名称であるヤリスに統一された。フルモデルチェンジにより、従来のコンパクトカーの域を超える「上質な乗り心地」と「最新の安全・安心技術」を備えているのが特徴だ。

4代目ヤリスのボディ骨格は、新開発されたコンパクトカー向けのGA-Bプラットフォームを採用した。従来型に比べて車両重量50kgの軽量化と同時に、ねじり剛性を30%以上強化することに成功した。さらに車両の重心高を15mm下げることで、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を両立させている。

4代目ヤリスに搭載されたパワートレインは3種類だ。

・1.0L直列3気筒DOHCエンジン(最高出力69ps、最大トルク92Nm)
・新開発の5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジン(最高出力120ps、最大トルク145Nm。高速燃焼技術などを採用し低燃費と高出力を両立)
・新世代のハイブリッドシステム(1.5Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせた)

駆動方式は2WD(FF)を中心に1.5Lガソリン車には4WD、ハイブリッド車にはモーターで後輪を駆動させるE-Fourを用意した。WLTCモードの燃費性能は以下の通り、優れた燃費性能を実現している。

・1Lガソリン車…20.2km/L
・1.5Lガソリン車…19.2~21.6km/L
・ハイブリッド車…30.2~36.0km/L

4代目ヤリスの安全装備は、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備している。衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティは昼間・夜間の歩行者検知および昼間の自転車運転者の検知が可能だ。さらに、右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象となり、万が一の交差点事故への対応範囲を拡大させるなど機能は充実している。

また、新型ヤリス最新の繋がる機能(コネクティッドサービス)では、スマートフォンとの連携可能なディスプレイオーディオおよびDCM(車載通信機)を全車に標準装備した。スマートフォンとの機能を連携するとともに、全てのユーザーがコネクティッドサービスを利用可能となった。

4代目ヤリスは、2021年の一部改良で安全・安心装備の充実、2022年にはドライブレコーダー付インナーミラーの設定を実施した。そして2024年1月には内外装のデザインや装備の拡充を行っている。4代目ヤリスの車両本体価格は、150万1000円~269万4000円だ。

スズキ 5代目スイフトの特徴

5代目スイフトは、2024年1月に販売開始したばかりのモデルだ。「エネルギッシュ×軽やか・日常の移動を遊びに変える洗練されたスマートコンパクト」をコンセプトに、歴代スイフトの魅力であるデザインと走りに「クルマと日常を愉しめる」という新たな価値が加わったコンパクトカーだ。

5代目スイフトのボディ骨格には、高剛性と軽量化を両立したハーテクトという実績のあるプラットフォームを採用した。高い静粛性を可能にしたのは、ボディの結合部に減衰接着剤を塗布するとともに、バッフル材の追加やダッシュパネルの板を厚くしたことが要因だ。

5代目スイフトに搭載されているエンジンは高効率を実現している。シリンダーヘッドの改善や電動ウォーターポンプなど7つの大きな改良によるものだ。最高出力82ps、最大トルク108Nmを発生しながら、燃費性能はWLTCモードで24.5km/L(MZ 2WD CVT車)を達成した。グレード、22.0~25.4km/Lとなっている。

エントリーグレードのXGを除くグレードには、マイルドハイブリッドシステムを搭載している点も特徴だ。最高出力3.1ps、最大トルク60Nmを発生するモーター機能付発電機+リチウムイオンバッテリーを組み合わせたものである。

組み合わされるトランスミッションは、トルクコンバーターに低剛性化したダンパーを用いた高効率CVTだ。空走感を減らしつつ、高い静粛性能と燃費性能を実現している。トランスミッションはCVTに加えて、中間グレードのMXに5速MTを用意した。駆動方式は5速MT車が2WD(FF)のみだが、CVT車は全グレードで2WDと4WDを選ぶことができる。

5代目スイフトに採用されている運転支援システムは、単眼広角カメラと超音波センサーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を全車に標準装備した。衝突被害軽減ブレーキは、右左折時の歩行者や自転車、右折時の自動二輪車も検知できるようになった。さらに、オプションでドライバーモニタニング機能も採用された。ナビゲーション横に設置されたカメラによってドライバーの顔を認知し、眼の開閉や顔の向きを読み取るのだ。ドライバーの居眠りや脇見を検知すると、室内ブザー音とメーター内表示でドライバーに注意喚起を行う。

コネクティッドサービスであるスズキコネクトは、24時間365日つながる安心のオペレーターサービスに加えて、スマートフォンによるクルマの操作や駐車位置の確認など便利な機能を提供する。5代目スイフトの車両本体価格は172万7000円~233万2000円となっている。

4代目ヤリスのハイブリッドシステムは圧巻の燃費性能

▽燃費比較

・4代目ヤリスの評価は5.0
・5代目スイフトの評価は4.0

4代目トヨタ ヤリスと、5代目スズキ スイフトの燃費は以下の通りだ(双方WLTCモード以下)。

・4代目ヤリスハイブリッド(2WD):35.4~36.0km/L
・4代目ヤリスハイブリッド(4WD):30.2km/L

・5代目スイフトマイルドハイブリッド(2WD):24.5~25.4km/L
・5代目スイフトマイルドハイブリッド(4WD):22.7km/L

4代目ヤリスがエンジンとモーターを効率良く利用するパラレル式ハイブリッドシステムを搭載している。燃費性能が大幅に向上するものの、新車価格もガソリン車に対して大幅にアップしてしまう。

対する5代目スイフトはエンジンが主役で必要な時にモーターがアシストするマイルドハイブリッドシステムを採用した。メリットは、コストが安いため新車価格も安価になる点にある。ただし、燃費性能はガソリン車に対してわずかにアップする程度と一長一短だ。

5代目スイフトに搭載したのは、新開発のZ12E型1.2L直列3気筒DOHCエンジンだ。シリンダーヘッドの改善や電動ウォーターポンプなどの改良によって高効率を実現し、最高出力82ps、最大トルク108Nmを発生する。燃費性能を追求し高効率を実現した。

マイルドハイブリッドシステムは、前述のエンジンに、最高出力3.1ps、最大トルク60Nmを発生するモーター機能付発電機+リチウムイオンバッテリーを組み合わせたものだ。発進時や追い越し加速時などパワーが必要な時にモーターがアシストし、スムーズな加速性能を発揮する。

組み合わされるトランスミッションは、新開発の高効率CVTを採用した。トルクコンバーターには先代より低剛性化したダンパーを採用し、エンジンからの回転変動を効果的に吸収することで、高い静粛性濃と燃費性能を実現した。また、本体を先代モデルのCVTより1.9kg軽量化した点も、燃費性能に貢献している。

スイフトは、スズキの軽量化技術により燃費を向上させた。スイフト(2WD)の車重は、920~950kgだ。対するヤリス(2WD)は、大きなモーターや駆動用バッテリーを搭載しているため、車重は1050~1090kgとなった。

4代目ヤリスハイブリッド2WDの燃費性能は、WLTCモードで35.4~36.0km/L。一方、5代目スイフトハイブリッド2WD CVT車は24.5km/Lとカタログ数値でリッター当たり10kmの差が生じている。

5代目スイフトの燃費性能は及第点以上だが、4代目ヤリスハイブリッド車の数値は驚異的と言える。

ヤリスの燃費性能は魅力だが、スイフトとの価格差を縮めるのは困難

▽価格比較

・4代目ヤリスの評価は4.0
・5代目スイフトの評価は4.5

4代目ヤリスと5代目スイフトの最上級グレードの価格は下記の通り。

・トヨタ ヤリスハイブリッドZ(4WD):269万4000円
・スズキ スイフトハイブリッドMZ(4WD):233万3200円

両車の最上級グレードの価格差は約36万800円で、4代目ヤリスのほうが高額だ。燃費性能の優れたフルハイブリッドシステムを搭載したことが価格差の要因といえる。

両車が装着しているタイヤサイズと種類は以下の通りだ。

・4代目ヤリスハイブリッドZ(4WD):185/60R15+スチールホイール
・5代目スイフトハイブリッドMZ(4WD):185/55R16+アルミホイール

続いて、運転支援機能を比較してみよう。

4代目ヤリスは、7つの機能がパッケージ化されたトヨタセーフティセンスを標準装備しており、プリクラッシュセーフティやレーダークルーズコントロールなどが含まれる。

5代目スイフトは、スズキセーフティサポートを搭載した。衝突被害軽減ブレーキのデュアルセンサーブレーキサポートIIを核としている。アダプティブクルーズコントロールや、オプション装備を含めると、17の機能が装備されており、ドライバーの疲労や脇見を検知するドライバーモニタリングシステムなどが含まれている。

5代目スイフトは車線変更時の後方の安全確認をサポートしてくれるブラインドスポットモニターが標準装備となっているのに対して、4代目ヤリスはオプションだ。登場したばかりのスイフトのほうが充実している。また、コネクティッドサービスは、最上級グレードではどちらも標準装備なので互角だ。

快適装備では、両車運転席・助手席シートヒーター、ディスプレイオーディオを標準装備としており互角だ。しかし、4代目ヤリスには、オプションで野外でも家庭用電気機器が使用できるアクセサリーコンセントが4万5100円のオプションで設定されている。また、Zグレードのみ4万4000円でカラーヘッドアップディスプレイ、13万8600円で駐車支援を行うトヨタチームメイトもオプションで設定されている。

以下は最上級グレードの比較だ。

▽4代目ヤリスハイブリッドZ 4WDに標準装備で5代目スイフトハイブリッドMZ 4WDに装着されていない装備

・ナビゲーション
・助手席シートアンダートレイ
・アジャスタブルデッキボード

▽5代目スイフトハイブリッドMZ 4WDに標準装備で4代目ヤリスハイブリッドZ 4WDに装着されていない装備

・電動パーキングブレーキ
・パドルシフト
・ブラインドスポットモニター

4代目ヤリスハイブリッドは、ストロングハイブリッドであるため、5代目スイフトより約36万円も高価になってしまうのは当然といえる。ただ、燃費差によるガソリン代で、この価格差を埋めることは難しい。イニシャルコスト面では、5代目スイフトが優位だ。燃料費というランニングコストでは、4代目ヤリスハイブリッドが優位となりそうだ。

両車、一定の値引きに期待!?

▽購入時の値引き術
・4代目ヤリスの評価は3.0
・5代目スイフトの評価は3.0

新車を購入する際に気になることの一つが、納期だ。

2024年8月末現在、4代目ヤリスは新車の新規受注をストップしている。一方5代目スイフトは3~4カ月で納品と、納期遅延は解消している。

4代目ヤリスだが、受注停止前では5万~約20万円の値引きが標準的だった。受注を再開した場合、値引きは渋くなる可能性は高い。

5代目スイフトは、まだ登場したばかりなので、基本的に値引きはゼロがベース。だが、5万~10万円前後の値引きは狙えそうになってきた。

両車とも現金値引きが厳しい場合、ディーラーオプションの無料サービスや、下取り価格を上げてもらうなどの交渉に切り替えるといいだろう。

コンパクトカーらしい軽快さとスポーティさを強調したデザイン

▽デザイン比較

・4代目ヤリスの評価は4.0
・5代目スイフトの評価は4.0

▽ヤリス:黒豆のような小さく、美味しく、面がふくよかでツヤのある外観を目指した

4代目ヤリスのデザインコンセプトは「B-dash!」。大胆に、活発に、そして美しく。鋭い加速で弾丸のようにダッシュするイメージとなっている。無駄を削ぎ落とし、今にも走り出しそうな凝縮デザインを有する。

4代目ヤリスのデザインコンセプトの基になったのは「黒豆」だ。クルマの骨格から一新した4代目ヤリスは、タイヤをボディの四隅に配置し徹底的にムダをそぎ落したキャビンと、ボディ中心から前後タイヤに向かう引き締まった造形で、アクティブな走りを予感させる。

4代目ヤリスのフロントマスクは、大きなグリルと眼光鋭いヘッドライトが特徴だ。ボディ正面や側面から大きなグリルに向かって絞り込むラインを設けることで「押し出すイメージ」を作り、フロントマスクの“強さ”を強調している。

4代目ヤリスのリアビューは非常に特徴的で、重心の低さやスポーティさを強調している。リアシートのヘッドクリアランスを確保しつつ、リアハッチのバックウィンドウ部を斜めに落とすようなデザインだ。さらにバックウィンドウとリアコンビネーションランプを一体化させることで、遠くからでもひと目でヤリスであると分かるような特徴となっている。

▽スイフト:速さと強さを強調する外観デザインを採用

5代目スイフトは、先進的な走りを想起させる外観デザインを有する。これは歴代モデルで築いてきたワイドで重心が低く美しいプロポーションと、ラウンドしたショルダーとボンネットや外へ張り出したフェンダーとの対比によるものだ。

スイフトはピアノブラック調の光沢が美しいフロントグリルを採用した。細かい部分まで作り込んでおり、見る角度や距離、光の当たり方によって立体感が増す。ヘッドライトにはLEDヘッドライトを用い、L字型のポジションランプがシャープなフロントマスクを演出している。

サイドビューでは、ピラーをブラックアウトさせた。フローティング(浮いたように見える)ルーフで軽快感を表現している。サイドアンダースポイラーは躍動感を表現し、サイドビューを引き締めている。

リアは台形フォルムにすることで、安定感のある佇まいとなった。LEDリアコンビネーションランプの点灯時、車幅にワイド感が増し強い印象を得ている。

装着されるホイールは15インチのスチールホイールと16インチのアルミホイールだ。アルミホイールはリムからセンターに向かって長い線を使うことで、強い印象を与えるデザインとなった。

両車共に、ギュッとした密度が高いデザインで塊感を表現した。さらに、独自のスポーティさがプラスされている。どちらが良い、というより好みの問題だろう。

スイフトは全長が短くても非常に優れたパッケージング

▽室内空間と使い勝手

・4代目ヤリスの評価は3.5
・5代目スイフトの評価は4.0

4代目ヤリスと5代目スイフトのボディサイズ、ホイールベース、荷室容量は以下のとおり。

【4代目ヤリス】
・全長×全幅×全高:3950mm×1695mm×1495mm(4WD車/1510mm)
・ホイールベース:2550mm
・荷室容量:270L(5人乗車時・アジャスタブルデッキボード非装着車)

【5代目スイフト】
・全長×全幅×全高:3860mm×1695mm×1500mm(4WD車/1525mm)
・ホイールベース:2450mm
・荷室容量:265L(5人乗車時)

両車は同じ5ナンバーサイズなので、全幅は同じだが、全長は4代目ヤリスハイブリッドが90mm長く、全高は5代目スイフトハイブリッドが5mmだけ高くなっている。

室内の広さに大きく影響するホイールベースは4代目ヤリスハイブリッドのほうが100mmも長くなっている。だが5mm高い全高との相乗効果で、リアシートの居住性は5代目スイフトハイブリッドのほうが快適だ。

荷室は、ほぼ互角だ。両車ともに6:4の分割可倒式リアシートに、リクライニング&スライド機構を持ち、背もたれを倒すとフラットな床面の空間が広がる。

 両車ともにコンパクトなボディながら、居住スペース、ラゲッジスペースともに広く確保している。5代目スイフトハイブリッドのほうが全長が短いことを踏まえると、リアの居住性が広く優れたパッケージを実現していると言える。

両車とも高い安全性能だが、後側方の安全確保でスイフトがリード

▽安全装備&運転支援機能

・4代目ヤリスの評価は4.5
・5代目スイフトの評価は5.0

4代目ヤリスの運転支援機能は、レーダークルーズコントロールなどの7つの機能がパッケージ化されたトヨタセーフティセンスを標準装備している。

以下の機能を有するプリクラッシュセーフティも、トヨタセーフティセンスに含まれている。

・直進時の車両・歩行者検知機能
・交差点右折時の対向直進車・右左折時の対向方向から来る横断歩行者検知機能
・緊急時操舵支援機能

5代目スイフトの運転支援機能には、スズキセーフティサポートを搭載した。デュアルセンサーブレーキサポートIIという、ミリ波レーダー、単眼カメラ、超音波センサーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキが核の機能だ。

他にも、スイフトは以下を含む計17の機能を有している。

・アダプティブクルーズコントロール
・(オプション)ドライバーモニタリングシステム…ドライバーの疲労や脇見を検知
・ブラインドスポットモニター…車線変更時の後方の安全確認をサポート

ブラインドスポットモニターは、5代目スイフトは標準装備だが、ヤリスはオプションだ。

100kgの重量差を感じさせないヤリスハイブリッドの軽快な走り

▽走行性能の比較

・4代目ヤリスの評価は4.5
・5代目スイフトの評価は4.5

4代目ヤリスのエンジンの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおりだ。

・エンジン種類:ハイブリッド用1.5Lエンジン
・システム最高出力:116㎰
・最高出力:91ps
・最大トルク:120Nm
・車両重量:1050~1180kg

5代目スイフトのエンジンの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおりだ。

・エンジン種類:1.2Lエンジン
・最高出力:82ps
・最大トルク:108Nm
・車両重量:910~1020kg

▽ヤリス:車重が重いのに軽快な乗り味!

4代目ヤリスハイブリッドは1.5Lエンジンのハイブリッドシステムを搭載している。5代目スイフトより約100kg重いが、車両重量差を感じさせないほど軽快な乗り味だ。軽快なハンドリングや、優れた操縦安定性を実現できたのは、フロントに重いハイブリッドシステムを搭載しているものの、駆動用バッテリーをリアシート下付近に設置したことで、前後の重量配分が向上しているからだ。リアサスペンションの接地感の高さも安心感があり、運転していて楽しくなる。

ただし、乗り心地は硬めだ。路面の凹凸をしっかりと伝えてくる。だが角の取れた突き上げ感なので、それほど不快な印象はない。キビキビとしたスポーティな走りを望むのなら、ちょうど良いくらいかもしれない。

ヤリスの1.5Lエンジンのハイブリッドシステムは、停止状態から非常にスムーズな加速性能を発揮する。ドライバーはどんなシーンにおいても、ストレスなく走行できるだろう。システム最高出力は116㎰と控えめながら、パワフルな力強さが魅力だ。

▽スイフト:無駄な動きをしないため乗員全員に安心・安全を提供

5代目スイフトは、1.2Lマイルドハイブリッドシステムを搭載した。走行時の無駄な揺れを抑えられたのは、軽量・高剛性ハーテクトというプラットフォームを採用したことと、減衰接着材を使用したからだ。

車重の軽さは、発進加速時や坂道を登るときにメリットが非常に大きい。急な登り坂の山道でも、エンジンが唸ることなく、スムーズに加速する。新開発の1.2Lエンジンもパンチ力があり、鋭い加速性能を発揮する。

5代目スイフトの乗り心地は硬めだ。低速域だと、路面の凹凸をゴツゴツと伝えてくる。速度が上がり60km/h付近を超えてくると、徐々にしなやかな動きとなり、適度な硬さになる。スイフトもスポーティな走りとするため、硬めのサスペンションとなっている。

両車共に、搭載しているエンジンの排気量やハイブリッドシステムに違いはあるものの、スポーティな走りを重視した乗り味になっている。100kgもの車両重量差を感じさせない軽快な走りの4代目ヤリスと、クルマの基本性能の高さを感じられる5代目スイフト。その実力差は甲乙つけがたい。

トヨタハイブリッドのブランド力強し! 4代目スイフトは善戦!

▽リセールバリュー

・4代目ヤリスの評価は4.5
・5代目スイフトの評価は4.0

5代目スイフトは2024年登場であるため、2024年9月現在、買取価格はまだ出ていない。そこで、4代目ヤリスと4代目スイフトの2021年式で中古車価格を比較した。

*中古車価格は、2024年9月調べ

【4代目ヤリスハイブリッド】
・中古車価格(2021年式):約160~220万円
・新車価格:約200~252万円
・リセールバリュー:80~87%

【4代目スイフト】
・中古車価格(2021年式):約120~150万円
・新車価格:約163~209万円
・リセールバリュー:72~74%

4代目ヤリスハイブリッドは、トヨタのハイブリッド車という強力なブランド力を背景に、このクラスでは高めのリセールバリューとなった。これは、コンパクトカーとしては、中古車流通量が少ないことも影響していると思われる。

対する4代目スイフトのリセールバリューはヤリスと比べるとやや低めの数値となった。とはいえ、スイフトもなかなか高いリセールバリューを有する。5代目スイフトは、今後の人気次第で高めのリセールバリューが期待できそうだ。

走行・燃費性能に優れたヤリスと価格・性能のバランスが絶妙なスイフト

▽まとめ・総合評価

以下を求める人は、4代目ヤリスハイブリッドがお勧めだ。

・とにかく、優れた燃費性能
・ディスプレイオーディオが標準装備
・駐車サポート機能あり
・高いリセールバリュー
・スポーティな走り

以下を求める人は、5代目スイフトハイブリッドがお勧めだ。

・リーズナブルな価格
・充実した予防安全装備と運転支援システム
・高いリセールバリュー
・スポーティな走り

ヤリス ハイブリッドとスイフトの価格

▽4代目ヤリス ハイブリッド価格

・ヤリス ハイブリッドX(2WD):204万4000円
・ヤリス ハイブリッドX(4WD):228万7000円
・ヤリス ハイブリッドG(2WD):229万9000円
・ヤリス ハイブリッドG(4WD):250万7000円
・ヤリス ハイブリッドZ(2WD):249万6000円
・ヤリス ハイブリッドZ(4WD):269万4000円

▽5代目スイフト(1.2Lマイルドハイブリッド)価格

・スイフトMX(2WD):192万2800円
・スイフトMX(4WD):208万7800円
・スイフトMZ(2WD):216万7000円
・スイフトMZ(4WD):233万2000円

ヤリス ハイブリッドとスイフトのスペック

▽4代目ヤリスのスペック

▽5代目スイフトのスペック

(まいどなニュース/norico)

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