「この子たちの未来のために」 民家庭に現れる2匹の外猫 5年間世話を続けた家主は決心した

関西エリアの緑に囲まれたお家に現れた茶々（左）とコタツ（右）

関西エリアのとある民家。緑に囲まれたこの家の庭に、度々外猫さんたちが現れます。この家の家主さんは、その都度お世話をしてあげたり、近隣の外猫さんたちのTNRの実施を専門チームに依頼するなど、心優しい方です。

そんな優しい家主さんから、5年という長きにわたってお世話を受けていたのが茶々とコタツというコンビ猫。2匹とも家主さんにすっかり懐いてデレデレに甘える日々を送っていましたが、家主さんは今年、ある決断をしました。

愛情を注ぎ続けた2匹を思っての「新しい家族探し」

実は家主さん、自身の体調不良などから、茶々とコタツのお世話をすることが年々厳しくなってきていました。

家族同然の茶々とコタツに対する愛情はずっと変わらず、むしろ一緒に過ごす時間が長くなるほどに2匹との絆が深まりました。しかし、仮に家主さんの身に何かが起こることがあれば、茶々とコタツは行き場を失うことになります。

「そんな無責任なことを私はできない」「大好きな茶々とコタツだからこそ、私ではなく新しい家族のもとで暮らしてほしい」

そう考えた家主さんは大切に愛情を注ぎ続けた茶々とコタツの新しい家族探しをすることにしました。

家主さんの思いを受け、その協力をすることになったのが、猫にまつわる様々な困りごとをサポートする会社「ねこから目線。」。過去に家主さんの依頼でTNRを実施するなどした信頼する専門チームでもあります。

優しい家主さんの依頼に、もちろん、同社スタッフも快諾。茶々とコタツの新しい家族探しの告知をすることにしました。また、ぴったりの家族が見つかるまでの間、同社と懇意の大阪市にある保護猫カフェ「Cat Space」でしばし2匹のお世話をしてもらうことにしました。

2匹とも人間大好き

家主さんと過ごした過去があるからか茶々もコタツも初めての人にも動ぜず、むしろフレンドリーに甘えてきます。小顔とむっちりボディが特徴の茶々は引き戸を自分で開けられる器用さがある一方、のんびりとした性格の持ち主で、人間大好きのかまってちゃんです。

体を何度もくねらせながら人間に対して「なでて」アピールをし、望み通りにしてあげると「うれしいニャー」と満足げな表情を浮かべます。少々気まぐれなところもありますが、猫好きさんにとってはこれもまたかわいく映るはずです。

一方のコタツはグレーの毛並みがかわいい猫さんで、「ニャオンニャオン」とよく喋り、保護猫カフェを訪れる人たちの間でもいち早くアイドルになりました。

カーペットクリーナーで体をコロコロされるのも大好きで、その通りにしてもらうとうっとりとした表情を浮かべる美形の猫さんです。

人間に癒しを与え続ける2匹

そして茶々もコタツもお互いのことが大好きで、いつも一緒にのんびりゴロゴロと過ごしていましたが、まず茶々の元に「うちにおいで」の声がかかり、現在はトライアル中。このままうまく行けば、トライアル先が茶々にとっての「ずっとのお家」になります。また、一方のコタツは新しい家族との出会いを待ち続けています。

仲良しだった茶々とコタツは、別々の第二の猫生を歩んでいくことになりそうですが、それでも新しい家族のもとで幸せを掴んでくれれば、元の飼い主さんも本望でしょう。2匹のさらなる猫生が穏やかで幸せなものになってくれることを願うばかりです。

（まいどなニュース特約・松田 義人）