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人の心に忍び込むマルチ商法 警戒心を解きほぐす勧誘トーク リアルすぎる漫画に「怖すぎる」と反響続々

まいどなニュース / 2025年1月4日 19時0分

友人が知らず知らずにねずみ講に熱中していた…(C)NATSUKO ISHITSUYO/講談社

近年、若者に対するマルチ商法の被害が増加傾向にあることをご存知でしょうか。マッチングアプリで知り合った人や、友人に紹介されたビジネスに乗ってしまい、被害に遭うケースなどが後を絶ちません。また、数年前には宗教団体による霊感商法や高額献金なども社会問題となり、ニュースで大きく取り上げられたことは記憶に新しいでしょう。

こうした悪質商法が横行するなか、漫画家の意志強ナツ子さんがX(旧Twitter)に投稿した『るなしい』という信者ビジネスをテーマに描いた漫画の一部である『ここにビジネスの本質があります』が、1570万件以上のインプレッションを獲得し注目を集めました。

同作では主人公の郷田るなが営む鍼灸院に、友人である和葉から誘われ客として訪れたリクを鍼灸ビジネスに勧誘する様子が描かれています。

施術を受け帰宅しようとするリクに、お灸で使用したモグサの販売員にならないかと持ちかける和葉。詳しく話を聞いているうちにモグサの販売が「ねずみ講」であることに気が付いたリクは、誘いには乗らず帰宅しようとします。そこでるなは、リクが勤めている証券会社についての話をすることで、リクの足を止めました。

その後、話をしていくうちに「リクさんのところで口座だけでも開いてみたら?」と、るなが声をかけると、その場にいた別の友人も投資に興味を持ち、なんとリクが勤める証券会社の新規口座を開設してくれるというのです。

るなのひと声から新規顧客を掴むことができたリクは、るなを信用し、鍼灸ビジネスに乗ってしまうことに…。

読者からは、るなのあまりに自然な手口に「怖すぎ」「人の心につけ込むのが上手い人には本当に気をつけないと」「信用されていないと気づいて懐の入り方を変えたんだね」「どこかで線引きしないとすべて奪われてしまいそう」など、恐怖心にかられたコメントが多数寄せられています。

読み手を独特な世界観に引き込む信者ビジネスをテーマに描いた『るなしい』について、作者の意志強ナツ子さんに詳しく話を聞きました。

ー同作のアイディアはどこから生まれたのでしょうか?

『るなしい』は宗教とビジネスのお話です。連載立ち上げの時点で、宗教とビジネスについて考えるなら、マルチ商法についても考えることが重要だと思っていました。違法でも合法でも、ビジネスの仕組みや本質の部分はたいして変わらない、というところに興味を持っています。

ー読者からの反響についてはいかがでしょうか。

とにかくひたすら「怖い」とコメントで書かれていました。

ー作中、リク本人も気付かぬうちにるなのビジネスに乗ってしまう場面では、るなの会話の流れがとても自然で思わずゾッとしてしまいました。同作を描くにあたってさまざまな情報を集められたかと思いますが、苦労した点などがあれば教えて下さい。

るなが、証券営業のリクに株式銘柄について質問するシーンは、違和感のないやりとりにしたかったので「証券営業マンを通して株式投資をしたことがある人」に話を聞かせてもらいながら作りました。

特定の職業に関するシーンは、調べ物や取材がとても大変です。まだ自分が知りたいことが自分でもよくわからないという段階から、調べ物をしながらなんとなく聞きたいことがわかってくるまでにとにかく時間がかかります。

ー最後に読者へのメッセージをお願いします。

「るなしい」はもうすぐ完結を迎えます。全身全霊で描いた作品、たくさんの人に届きますように。最後まで気を抜かずに頑張ります。どうぞ楽しみにしていてください!

(海川 まこと/漫画収集家)

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