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予定では35mのはずが…いや、でかすぎでしょ!(笑)長さ80m超の巨大蛇が頭上を舞う 「立体紙切り」から生まれた驚異のアート作品

まいどなニュース / 2025年1月6日 15時50分

浪切ホールのエントランスに80メートル超の巨大蛇が舞う

岸和田だんじり祭で有名な大阪府岸和田市にある「南海浪切ホール」(以下、浪切ホール)のエントランスに、長さ80メートル超もある巨大蛇が現れた。これは「立体紙切り」という技法で制作されたアート作品で、作者は立体紙切り師として活動する辻笙(つじ・しょう)さんだ。ご本人にお話を伺った。

材料は長さ10mのロール紙を17本

浪切ホールは大小のホール、研修室、会議室などを備え、伝統芸能から演劇、コンサート、ミュージカルなど幅広いニーズに応えられる施設。エントランス正面のガラス扉を入ると、頭上に空中を舞う巨大な蛇の姿がある。

「立体紙切り」とは、生物の形を紙から切り出した後、さらに折り曲げて立体的な造形に仕上げるアート作品のこと。辻さんにとって大型作品の制作は初めてではないが、ここまで大きな作品を手がけたのは経験がないという。

昨年夏ごろから構想を練り始めて、制作を開始したのが12月19日。長さ10メートルあるロール状の画用紙を17本使い、体のパーツごとに制作していった。

蛇なので全身をウロコが覆っているが、この巨大蛇はウロコがカラフルに彩られている。これは公募で集められた小学生以下の子供たちと親御さん約100人にワークショップとして参加してもらい、アクリル絵の具で思い思いにペイントしてもらったもの。ウロコは全部で4480枚もあるという。

こうして出来上がったパーツをいったん順序よく並べて配置を確認し、12月29日に吊り下げ作業が行われた。

初めは蛇のサイズを35メートルで計画していたそうだが、出来上がってみたら実に80メートルを超える大作になっていた。

これほどの大きさで、しかも紙でできた作品をどうやって吊り上げたのか。

「初めにバラバラのパーツを吊ってから、形を微調整しながら繋ぎ合わせました」

吊り下げ作業には7時間を要したという。

来年は9頭の馬を走らせたい

辻さんは浪切ホールのアンバサダーを務めており、その縁で昨年は辰年にちなんで龍の立体紙切りを制作。長さ35メートルの龍を2体つくり、両側から向かい合わせる格好で展示した。

2年続けて作品を展示したことで、早くも来年の作品を期待されている。辻さんの頭には、すでに構想が浮かんでいるという。

「来年は午(うま)年ですから、9頭の馬を走らせるイメージを考えています」

なぜ9頭なのか。それは「うま」と「く」で「何事も“うまく”いくように」という願いを込めた語呂合わせだ。

子供たちにペイントしてもらうワークショップが好評だったので、次回もやりたいとのこと。しかも今度はロール紙にペイントしてもらってから、それを馬の形に切り出していくことを考えているという。

年明け早々から早くも来年の作品に構想を膨らませる辻さん。どうか「うまく」成就するよう巨大蛇に願をかけた。

ちなみにこの巨大蛇は、今年12月まで浪切ホールのエントランスに展示される。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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