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M-1で話題「渡辺さん、斉藤さん」の異体字が多すぎる問題→原因は祖先の「書き間違い」!? 漢字ミュージアムの特別展示が好評

まいどなニュース / 2025年1月7日 7時30分

M-1グランプリ連覇を果たした「令和ロマン」の髙比良くるま(左)と松井ケムリ=東京・テレビ朝日(2024年12月22日撮影)

お笑い好きにとって、昨年末の漫才頂上決戦・M-1グランプリで「令和ロマン」が披露したネタは記憶に新しいだろう。名字を題材にした漫才で、「渡辺」さんの「辺」や「斉藤」さんの「斉」の異体字について触れ、SNSでも関連ワードがトレンド入りするなど話題になった。これを受けて京都・祇園にある「漢字ミュージアム」では、2文字の多彩な異体字を紹介するユニークな展示が始まっている。

あまりにも多い「辺」と「斉」

令和ロマンが決勝の舞台で披露したしゃべくり漫才「名字」は、ボケの髙比良くるまが「最強の名字はワタナベだ」と主張する内容。「難しい字のワタナベさんは簡単な『辺』と間違えても許してくれる」「難しい字のサイトウさんは簡単な字にされると怒る」など、偏見を織り交ぜた“あるある”でも爆笑をかっさらい、M-1史上初の連覇を成し遂げた。

これに反応したのが、漢字検定能力協会が運営する漢字ミュージアム(京都市東山区)だ。実は同館では、2018年にも「辺」の異体字を紹介する展示を企画したことがあった。昨年12月22日のM-1放送後、同館広報担当の職員が公式Xで当時の写真を再投稿したところ、1万件を超える「いいね」が集まるなど大きな反響があった。

反響を受けて急遽、同27日からさまざまな「辺」と「斉」をずらりと並べて展示することが決まったという。今回並べたのは「辺」が84字、「斉」が34字。過去の漢検合格者の中で、合格証発行の際に希望があり作字したものを並べた。

「辺」では、しんにょうの点が一つか二つか、上部が「白」か「自」か、わかんむりの下が「方」「口」「工」…などさまざまなパターンがあり、見ていて飽きない。日本国内に存在する「辺」の異体字は100字を超えている、という学説もあるから驚きだ。おびただしい数の「辺」は高さ180センチ・幅420センチと壁を埋め尽くし、「ナベの壁」というタイトルで展示されている。

増えた原因は祖先の「書き間違い」!?

「辺」も「斉」も、なぜこれだけ多くの種類があるのだろうか。

同館によると、戸籍が手書きだった時代、役所で戸籍を登録する際に書き間違えがたびたび起こり、細分化していったことが背景の一つとして挙げられるという。本来は「間違えた」字が現在まで受け継がれている、というから興味深い。

日本では姓と名のうち、名に使用できる漢字は人名用漢字で制限されているが、姓では制限がないそうだ。平成になって戸籍が電子化される際、多様化した字をすべて別のものとして扱うことになり、それぞれが正式な字として認められる形になった。

展示を企画した1人で広報担当職員の塩見優子さんは「統一してしまっても構わないところを、あえて区別しているところに日本らしい細やかさを感じます」と話す。今回の展示への反響は大きく、「ワタナベさん・サイトウさん本人も、逆に周囲の人も漢字表記について気を遣っているような、何とも言えない空気があるのかも。だからこそ関心が高いのかなと思います」とする。

令和ロマンのファンだけでなく…

ちなみに、そう話す塩見さんの旧姓も「ワタナベ」。面倒だからと日常生活では簡略化した字の「渡辺」を使っていたそうで、令和ロマンの“ワタナベあるある”には「すごく共感しました」と笑う。

展示が始まってから、令和ロマンのファンだけでなく、Snow Manの渡「辺」翔太さんのファンが訪れるなど予想外の反響もあった。塩見さんは「M-1を機に多くの方に見に来ていただけたらうれしいです」と話している。

展示は2月2日まで。開館スケジュールは公式X(@kanji_museum)で掲載。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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