夫「勉強しているから」、妻が育児ワンオペは当たり前? 指摘に賛否「家庭を持っても息子気分」「収入上がるんならいいでしょ」
まいどなニュース / 2025年1月23日 6時50分
「乳幼児のいる家庭の夫が勉強する間、妻がワンオペするのは当然だと思う人は、これまでの中・高・大の受験勉強の時、お母さんに家事の手伝いをぜーんぶ免除されて、家族も旅行などを諦めて自分の受験のために全力協力して、それで勉強頑張って、志望校に受かったらすごーく褒められてきたんだろうな」
キャリアアップをめざしての学び直し(リスキリング)の重要性は、男女ともに変わりありません。しかし、子育て中の夫婦の場合、勉強に向き合える時間に差が生じてしまうのが現実では?と疑問を抱いた投稿が話題になったhahahaさん(@YokoBlankCafe)。専業主婦になった後、子育てをしながらフルタイム正社員にカムバックした彼女に話を聞きました。
賛否両論…また女性が勉強する場合は?
hahahaさんの視点に対して、「夫の勉強が収入アップにつながるなら協力する」と夫を応援する声がある一方、「夫は妻の子どもじゃないから家族のためになるからとか言い訳してないで自分のことは自分」「受験に受かるのが正義とばかりに甘やかしていたら、人がそうするのは当たり前という人格に育つ確率は上がりそう」と、勉強を理由に家事育児免除の考えに対しての非難もありました。
さらには逆の立場について語った声も寄せられ、「国試を受けたけど、夫はいつも通り。何も手伝ってくれなかった。試験当日にすら弁当作らされました」と、家事も勉強も両立せざるを得なかった状況が見えてきます。
今回、賛否両論を呼んだ投稿についての思いを投稿主に聞きました。
勉強していたら、家事育児しなくてもいい?
hahahaさんが冒頭の内容を投稿したのは、SNSである投稿を目にしたから。夫が勉強するために、妻が家事育児をすべて担ったものの不合格。落ち込むばかりでいっこうに家事を担わない夫への苦言というものでした。
「発信者の女性のことを"勉強したことがない女性だから勉強の大変さがわからない"と決めつけるような声や、家事育児よりも夫の勉強が優先されるべきで妻のワンオペは当たり前という意見があり、私の考えを発信しました」
hahahaさんの周囲には、「自分は勉強しているんだから(あるいは仕事しているんだから)、家事育児は妻がすればいい」と口にする男性はいないものの、退社後にスポーツジムに行ったり、英会話を習ったり、を自分のペースでやっている既婚男性がいることに引っかかりを感じていたそう。
「子育て中で、妻が家事育児をほぼワンオペ状態でしていることが見えていないのかなぁ、と。定時内の仕事は仕方がないところもありますが、プラスアルファの自己研鑽や勉強でしたら、夫婦でそれなりの合意形成が必要かと思います。
また学びは収入に直結しなくても、人生を豊かにしてくれるものです。夫婦ともにインプットの時間を取れるようにしたい。夫も妻も同じ時間だけ自分の勉強ができるようになればいいと思います」
株式会社ベンドが運営する「スキルアップ研究所」が行った「女性のリスキリングに関する実態調査」(※1)によると、女性のリスキリング実施率は男性より低く、特に子育て世代では大きな乖離(例:30代男性のリスキリング率が42.4%に対し、30代女性のそれは20.8%)があり、リスキリングに取り組んでいない理由として家事・子育てで忙しいと答える人の割合が女性の場合は30.1%となっています。それに対して、男性は同様の理由を挙げた人は6.5%でしかありません。
そんなことからも男性が家事育児よりも「勉強」を優先できる状況が見えてきます。
子どもの勉強の神格化に違和感
今回の反応で感じたのは、子どもが勉強することに対する神格化。子どもは勉強さえしていればいいと思っている人が多いことに驚いたそうです。「そこそこの学歴のある人なら家事やらずに勉強だけしていた人も多い」「子どもは家事しないのが当たり前。家事をするくらいなら勉強していればいい。でも大人になっても子どもと同じ気分でいることが問題」などの声がありました。
「家族旅行などの楽しみを犠牲にして、また家事を免除して、子どもの勉強を応援するのが本当にいいことだと考える人が多いなぁ、と思いました。受験勉強や部活で忙しくても、子どもは家族の一員として、一緒に家事をしたり、自分のことをした方がいいというのが私の考えです。
子どものうちから、家族は支え合う関係だということをわかるようにするのも親の務めではないでしょうか。受験期でも、家族に準備してもらったものをお客さま状態で食べる、受け取るだけではなく、家族で過ごす時間や対話する時間があった方がいいと思います。ずっと塾漬けのように、受験に家族みんなで振り回されることはないのでは?」
生きていく上で男女ともに必要なスキル「家事」が軽視されている状況にもついても言及。今回の反響を通して、「勉強していればいいのよ、と言われて育った男性が、夫になっても父親になってもそのまま自分のペースで勉強を続けられて、女性は妻や母親になったら、それを言う側になることを求められる社会構造を感じました」。
◇ ◇
家事育児も仕事も妻ばかりが頑張ることを求められワンオペが解消されない現状。また男性が育児に参加することで「昇進・昇給を諦めるしかない」となってしまう可能性や女性がキャリアを築き上げることができない可能性をhahahaさんは憂えます。
「“子育て”と“キャリア形成”はバーターなの? 男女とも“子どものいる人生”を選んだら仕事は諦めるの? そうだとしたら、その国はどうやって発展するんだ?」と問いかけます。
今回の投稿には、「夫も妻も同じように育てられて、勉強して大学入って就職したんだけど、結婚したら、家事育児ワンオペ。家庭をもってからも息子気分か」「日本の男女差別は家庭にある、妻が正社員でも家事育児は妻の仕事、夫はそのお手伝いってどう考えてもおかしい。妻が正社員なら家事育児も半分は夫の仕事であるべき」と指摘する人もおり、根深い男女の差をありありと感じさせる問題となっています。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
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