「虹の橋の向こうへいま旅立ちました」繁殖のため何年も子猫を産み続けた猫、下痢が止まらず…家族が見守ったが最期は
まいどなニュース / 2025年1月27日 15時20分
「ラテ、虹の橋の向こうへいま旅立ちました」
ブリーダーに飼われていた元繁殖猫の愛猫が虹の橋を渡ったことを、飼い主の「ぽんちゃん」さん(@pocannyano)がX(旧Twitter)に報告しました。長年、繁殖猫として暮らしてきたラテちゃん。出産を繰り返すうちに腸にダメージを受けて下痢に苦しんできました。飼い主さんは「もうおなか痛くないね。今度は人間に利用されず幸せな猫生を送れるよう生まれておいで」とつづっています。
投稿には、12歳5カ月でこの世を去ったラテちゃんに向けて「ご冥福をお祈りします」などとたくさんのコメントが寄せられ、話題になりました。
「大切にしてくださってお空で感謝していますよ」
「頑張って偉かったね やすらかに」
「来世は必ず幸せになろうね 待ってるからね」
「ゆっくり休んでね」
治らない下痢を患っていたというラテちゃん。その生い立ちや、おうちにお迎えしてから息を引き取るまでのいきさつなど、飼い主さんに聞きました。
保護猫カフェから迎えた元繁殖猫 出産を繰り返し腸のダメージが大きく下痢が続いた
――ラテちゃんはどこからおうちにお迎えしましたか。
「ラテは保護猫カフェに保護されていたところを家族に迎えました。出会った時、小さくなって何かを諦めたようなラテの表情が気になりなでようとしましたがとてもおびえていて、繁殖猫としてずっとケージの中にいたからだと知りました。それでも猫じゃらしを振ると目を輝かせて…ちょいちょいと遊び出したラテを見て幸せにしたいと思い、家族に迎えることに決めました」
――当時の健康状態は。
「迎えた時に、保護時にかかっていた動物病院の所見もいただいていたのですが、ずっと下痢が続いており、どの方法をとっても改善されないと記されていました。やはり何度もした出産のため腸のダメージが大きく、我が家の猫たちの先生の意見も同様でしたが、何とかラテの下痢が落ち着くように頑張ろうということになりました」
――ずっと下痢が続いていたのですね。
「はい。下痢のためか8歳なのに小柄で、食いしん坊なのに太ることもなく、1日に何回も何回もトイレに駆け込んでいました。それでも食いしん坊のおかげでガリガリにはならなかったのですが年を重ねるごとにだんだんと痩せていき、12歳になる頃にはもう身につかなくなっていました」
甘えん坊だったが、雄猫や体の大きい猫が近寄ると威嚇
――どんな猫さんでしたか。
「とにかく甘えん坊で、特にパパさんが大好きでいつもパパさんのお腹の上に乗るか胸の上に乗るかして、離れませんでした。甘えるラテにパパさんはメロメロでラテのうんちが服についてもへっちゃらでした。パパさんがいない時は私のひざの上でゴロゴロ喉を鳴らし、かわいくてしかたなかったです。でも猫同士では違っていました…特に雄の子たちや体の大きい子が近寄るとものすごく威嚇し、それ以上に子猫を見ると近寄るのが嫌だと言うふうに逃げました。繁殖猫として過ごしてきたラテの心の傷の深さを実感しました」
――ラテちゃんの最期を迎える当日の様子をお聞かせください。
「ラテの体重減少がひどくなる中、通院を続け点滴、投薬を続けて下痢は続くもののラテの食欲は落ちず。痩せて2キロまできていましたがいつも通りご飯をねだり、甘えて毎日を過ごしていました。1月5日の深夜0時過ぎパパさんが一階に降りた時、ラテはおやつをもらえると思い階段まで走っていきました。これは食いしん坊のラテにいつも見られる行動でしたがその日は違っていて走ってすぐによろけて倒れてしまいました。
すぐにパパさんにラテが変だと呼び掛け2人でラテを横にならせて呼びかけましたが、ラテはその自分の状態に戸惑ったみたいに目を見開き、苦しそうにハアハアと息をしていました。私たちのベッドに連れていき、寝かせたくらいにけいれんが始まったのです。何回も何回も起こるけいれいんにラテが苦しそうで見ていられないほどで、だんだんひどくなりラテの命が消えかけていることを悟りました」
飼い主「心と体にダメージを負い生涯苦しむ猫たちがいなくなるように」
――最期は。
「1時になっても2時になってもけいれんは続き、元のラテに戻ってほしいと願いながらも、繁殖猫として長く暮らし、苦しんできたラテをこんなにも苦しめて猫神さまはいないのかと悔しくなりました。しだいにけいれんは大きなものばかりになり、私もパパさんも何でこんなにこの子が苦しい思いをするのかと2人して泣いたんです。ラテをなでながら早くけいれんが治ってくれと願いました。こんなに苦しめるなら優しく虹の橋を渡らせてくれと祈りました。
そして、3時を過ぎた頃、それまで続いていたけいれんが治り、いつものラテの顔になって。ラテと呼び掛けるとなあに?とこちらを見てくれて弱くですがスリスリしてくれました。山を乗り越えられたと思いラテを何度もパパさんと交互でなでました。私たちの近くのケージに寝る場所を作り、しばらく様子を見てラテを寝かせました。ラテをなでておやすみを言い、眠りについた4時頃がガターンと大きな音が…慌ててケージに駆け寄ると目を大きく見開いたまま虹の橋を渡っていたんです。私たちに最期はいつもの姿であいさつをして、死に際は見せずに旅立っていきました」
――ラテちゃんの死を通じて、考えたことは。
「我が家は保護猫たちと暮らしています。外に捨てられていた子、ブリーダーのところで生まれたが売れ残り、片目がない、目が小さい、足が不自由、顎がずれている、そんな子たちばかりです。ペットショップにはたくさんのかわいい子犬、子猫がいます。何も知らなければ愛らしくて見る目を癒してくれます。ブリーダーさんの中にもちゃんと愛情を持って接する方もいます。でもラテのようにケージに閉じ込めて、ずっと子猫を産み続ける母猫たちもたくさんいるんです。出産は人間でも体にダメージが大きいもの、それを売るために何匹も何回もなんて苦しみしかありません。
ラテのように心と体にダメージを負い生涯苦しむ猫たちがいなくなるよう、そんな苦しみを強いる環境がなくなるよう、そして繁殖でハンディを負い売り物にならないと放棄される子猫がいなくなるよう切に願います。ラテの下痢を治して福福な姿にしてあげたかったです。虹の橋の向こうでもうお腹の痛みなくたくさん食べて元気に過ごしてくれていることと願っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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