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フロントガラスにヒビ…!運転しても大丈夫?応急処置、広がらないように防止する方法は【整備士に聞いた】

まいどなニュース / 2025年1月26日 17時0分

フロントガラスにヒビが!どうする?(kelly marken/stock.adobe.com)

フロントガラスのヒビは、放置しておくと広がってしまうおそれがあります。酷くなると車検に通らなくなるので、ヒビを見つけたら早めに対処することが大切です。

ヒビがあっても走行して大丈夫なのか?修理方法やその費用の目安、車両保険を使えるのか?…といった、フロントガラスにヒビができたときに出てくる疑問について、現役整備士が解説します。

フロントガラスのヒビができる原因

フロントガラスにヒビができるのは、なんらかの衝撃をガラスが受けたためです。

飛び石が代表的な例として挙げられ、ヒビの原因のほとんどを占めます。それ以外にも、フロントガラス周囲の部品の誤組み付けや、事故で車のフレームに発生した歪みによって、部分的に過度な力が加わることでヒビの原因になります。

ユーザー自身が気を付けるべきこととして、ワイパーゴム(ブレード)を交換するときに誤ってワイパーアームでガラスを叩いてしまうと、ガラスは簡単にヒビがいってしまうので注意が必要です。

それ以外にもガラスに何かぶつけるようなことがあれば、ヒビができる恐れがあります。

硬いもので、面よりも点で衝撃を受けるような当たり方だとガラスにヒビができやすいです。

フロントガラスのヒビがあっても走行して大丈夫?

ヒビが指先程度のものであれば、走行してもすぐに大きく影響を受けることはないので、走行しても大丈夫です。ただし、数十cmにも及ぶような大きなヒビができている場合には、安全を考慮して走行を控えたほうが良いでしょう。

また、高速道路は一般道と比較してガラスに受ける風圧が大きくなって、ヒビが拡大するリスクが高くなるので注意が必要です。

いずれにしても、ガラスにヒビができたときには早急に修理またはガラスの交換の段取りをすることが大切です。

フロントガラスのヒビが広がるのを防止する方法

走行するうえで支障のない程度の小さいヒビであれば、それ以上ひどくならないように防止することができるのでご紹介します。

ヒビが広がる原因

ヒビが広がる原因は以下のようなことが考えられます。

・ガラス表面の急激な温度変化
・振動や新たな衝撃

夏場であれば熱くなったガラスに洗車等で水をかける、冬場であれば凍結したガラスに熱湯をかけて氷を溶かす…といった行為が急激な温度変化をもたらします。

ヒビが広がらないためには、これらを避けてください。

また、極端に路面の荒れた凸凹道や、高速道路を長時間走行することもヒビが広がる原因となるので、できる限り避けてください。

ヒビの応急処置

ビビが広がらないようにするための応急処置として、ヒビの入っているところにセロハンテープを貼る方法があります。

ヒビの隙間に水や汚れが入り込むのを防ぐことで、修理のときに処置しやすくする効果もあります。

間に合わせで一般的なセロハンテープを使用しても構いませんが、ガラス用の補修テープもあるのでおすすめです。

フロントガラスのヒビを自分で修理する方法

フロントガラスのヒビは軽度なものであれば、自分で修理できることもあります。

ただしDIYで修理した箇所は、その後プロが修理できなくなる可能性もあるので注意しましょう。

自分で修理できる範囲

どんなヒビでも修理できるわけではありません。

以下のいずれかに当てはまるようなヒビは自分で修理することが困難なので、業者に依頼する必要があります。

・窓枠までビビが到達している
・窓枠から50mm以内にヒビがある
・ヒビの全長が20mm以上ある
・ヒビができて長期間経過している
・深い傷(3mm以上)を伴うヒビ

しかし、当然ながら業者といえども修理可能なヒビの大きさには限界があります。

修理方法

フロントガラスのヒビの修理には、カー用品店やホームセンターなどでも販売されている「ガラスリペアキット」を使用します。
このリペアキットを使う場合、メーカー問わず多くの場合で以下のような手順となります。

①ガラスの清掃後にヒビのある傷口の中央に押しピンをわずかに差し込み、その後使用する補修液を傷口に流し込みやすくする
②ヒビのある部分に台座をつけて、そこに注射器をセットして補修液を流し込む
③日光によく当てて補修液を乾燥・硬化させる
④硬化後、カミソリの刃のようなものを使用して表面を整える

注意点として、ヒビの修理をする際には雨に当たるようなタイミングを避け、なるべく天気の良い日を選ぶことで補修液を早く乾燥させることができます。

フロントガラスのヒビ修理費用の目安

フロントガラスのヒビ修理を業者に依頼する場合の費用目安は、ヒビ修理がおおむね15000円〜30000円、フロントガラス交換がおおむね40000円〜150000円程度です。

ガラスの交換は、軽自動車のようなガラスの面積の小さいタイプだと安く、1BOXタイプなどガラスの大きい車は高くなります。同じ車種であっても使用するガラスの種類によって費用は大きく異なります。(例:純正品と社外の違い、UVカット効果の有無など)

また、最近の車はフロントガラスに自動ブレーキに代表されるようなセーフティデバイスに使われるカメラやセンサーがついている場合があります。
フロントガラスを交換した際には、こうしたカメラやセンサーのエーミング調整(校正)が必要になることもあります。その場合は、エーミングのための工賃がプラスされます。

車種によって異なりますが、エーミング工賃は数千円〜数万円程度です。

【補足】フロントガラスのヒビには車両保険は適用される?

フロントガラスのヒビ修理に、車両保険を使うことは可能です。ただし、特約の内容によっては免責金を伴う場合があります。(免責金額→保険を使うときに自己負担する費用のこと)

また現在は、フロントガラス修理のために保険を使用すると保険等級がダウンしてしまいます。フロントガラスのヒビ修理に車両保険を使うことは可能ですが、使用後高くなる保険料等を考慮して使用するか否かを総合的に判断する必要があります。

ただし、ユーザー自身で判断の難しい問題なので、車屋さんや保険代理店の担当者に相談することをおすすめします。

フロントガラスにヒビがあると車検は通る?

フロントガラスにヒビがあることで車検に通るか否かの明確な基準はありません。

ただし、フロントガラスは運転者の視界を妨げる状態であってはいけません。

これを元に検査員が車検の合否を判断しますが、ヒビの発生は視界確保の問題だけではなく安全性の問題もあります。

こういったことから、ヒビ修理で対応できないサイズのヒビがフロントガラスにある場合には、車検に通らないと考えるべきでしょう。

具体的には500円玉硬貨より大きいとヒビ修理の対応が難しいとされています。

また、修理可能なヒビの場合には、修理しないままだと車検は通らないが、修理ができれば車検に通るケースもあります。

ヒビの有無による車検の合否は非常に曖昧な問題でもあるので、整備工場で実際にヒビの状態を見てもらい判断してもらうことがベストでしょう。

整備士のまとめ

フロントガラスにヒビが発生したときは整備工場等に持ち込んで、以下の3つのパターンのどれに当てはまるかプロに判断してもらうのが良いでしょう。

・修理が可能か?
・そのままにしていても問題ないか?
・ガラスの交換が必要なのか?

また、その際に車両保険を使った方が良いかどうかの相談もしておくとよいでしょう。

もし自分で修理する場合は、一旦はそのままにしていても問題ないとされる程度のヒビに限るのが賢明です。

(まいどなニュース/norico)

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