妊娠中の「マタ旅」に対する医師の警鐘が話題「産婦人科医は誰もいい顔しません」
まいどなニュース / 2025年1月24日 7時25分
近年、ひそかな流行となっているマタ旅(妊娠中に旅行や遠出をすること)。妊婦向けの宿泊プランを提供するホテルや旅行会社などもあるほどだ。
産休中の楽しみ、思い出作り、出産前に夫婦の絆を深めるためなどと妊娠中に旅行することを指すが、SNS上ではそんなマタ旅に対する警鐘が大きな注目を集めている。
匿名メッセージ機能マシュマロからの
「初めまして! 質問させてください!現在13wの初妊婦です。4月の頭 (20w)に飛行機にのり沖縄へ新婚旅行に行こうと思っていますが、 妊婦旅行で気をつけることを教えてください!」
という質問に対し
「おっと、、いわゆるマタ旅ですか。。。申し訳ありませんがコメントし難いですね。。
旅先で何かあると最悪数ヶ月帰ってこれませんので、産婦人科医は誰もいい顔しませんからね。。。
んー、今は、今しかないですが、頑張らないようにしてください。私から言えるのはそれくらいでしょうか。
主治医ともよく相談してくださいね。無事を祈ります」
と回答したのは産婦人科医のTatsu Ogawaさん(@Tatsu_Reprod)。たしかに妊娠中は体調が不安定。普段の生活環境から遠く離れた場所で医師の処置を受けたり、入院する可能性を考慮すればうかつにおススメすることはできないだろう。
Ogawaさんにお話を聞いた。
ーーいわゆるマタ旅について、どのようにお考えですか?
Ogawa:私の意見としては、ふらいと先生だったり、やっきー先生だったりのニュースレターの内容と概ね同様です。周産期医療に関わる、特にNICUに入院する新生児の誕生に関わるスタッフは同様の意見を持つ方が多いと思います。
ーー仕事や用事などでどうしても旅行しなければならない場合、注意すべき点を。
Ogawa:感染症の予防に気を配って、保険証や母子手帳は必ず携帯して、何かあったときに相談したり受診したりする方法をあらかじめ確認することです。直前の妊娠経過の状況が落ち着いていることが前提なので、長距離移動が必要な際には主治医に相談してください。気晴らしに出かけるのであれば、夜間に何かあっても車で1時間程度で帰って来れるような場所が安心ですね。
海外におけるマタ旅の認識がどうこうということも重要な情報ではありますが、日本国内での医療に対する認識も重要だと考えます。諸外国以上に、日本は、安心、安全の周産期医療を目指し、母体や新生児のトラブルゼロを目指す国です。きっと大多数の方がマタ旅をしても大きなトラブルは起きないでしょうが、妊娠中には誰に何が起きるかわかりません。一人一人が自分と自分の新しい家族を守ることを考えるきっかけになれば良いと思います。
ーー発信に対し大きな反響がありました。
Ogawa:賛同してくださる方の声や、マタ旅をするかどうか考え直すような声が聴かれたのは良かったと思います。一方で、「持病のある高齢者だって何があるかわからないじゃないか」などの声もありました。高齢者と妊婦の決定的な違いは、本人だけの問題ではなく、お腹の中の子供も当事者になることです。子供の未来に影響を及ぼす可能性があります。これは「自己責任」だとかいう短絡的な言葉で片付けられる問題ではありません。先を見据えた判断や対応を考えていただけたらと思います。
◇ ◇
医療関係者を含むSNSユーザー達から
「マタ旅は本当に非推奨です…。特に沖縄含め離島は、陸続きになっている本州と比較しても圧倒的医療資源が限られております。もしそこで何かあれば、ご自身ももちろん大変です。それだけではなく、そこで暮らしている方の医療資源を奪っている可能性も考えていただけるとうれしいです。」
「マタ旅の相談って妊健でもたまに聞かれるけど、大概は既に全て予約済みで出発直前に言われるもんだから、『基本的には非推奨です、自己責任なので本当に気を付けてくださいね』くらいしかコメントない」
「聞かれたら『そこまで長い期間医者やっていないですが、マタ旅の移動で早産で陣発して間に合わなくて子供に後遺症が残った例も、海外で入院して破産した例も知っています。悲惨な体験した人はSNS更新しないから、マタ旅は安全に見えるだけです。』って言ってる。」
など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。
Ogawaさんはこの他にもマタ旅や妊娠中の生活について数々の発信をしている。ご興味ある方はぜひXアカウントをチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)
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