「島のウサギを蹴り殺した犯人を取り押さえた」77匹、不審死に関与か…写真家夫妻に聞いた
まいどなニュース / 2025年1月26日 11時30分
「昨日の夕方、大久野島のウサギを蹴り殺した犯人を現行犯で取り押さえました」
1月21日夕方、「ウサギの島」として知られる広島県竹原市の大久野島で、約25年ウサギの写真を撮り続けてきた写真家中村隆之さんと中村麿矢さん夫婦が、ウサギを蹴る暴行を加えた大津市の会社員の男(25)を現行犯で取り押さえ、警察に男の身柄を引き渡したことをX(旧Twitter)で報告しました。
中村さんたちによると、大久野島では昨年11月からウサギの不審な大量死が続いていたとのこと。21日に複数のウサギの遺体と両足を骨折したウサギが見つかり、犯人が今まさに島に居ると断定。そして協力者より怪しい人物がいるとの情報を得て、その人物を見つけて望遠レンズで気づかれないよう遠くから様子を観察していたところ、ニンジンでウサギを誘い出して捕まえようとしていたところを目撃したといいます。
「ニンジンでウサギを誘い出そうとしていた時に近くを人が通り、いったん犯行を諦めたんです。しばらく犯人を尾行していたところ、夕方5時半ごろ犯行を目撃し取り押さえました。警察が島に到着するまでの間、犯人に問いただしたところ、昨年11月からたくさんのウサギを殺害したことを認めて。また、遺体がたくさん見つかった日と犯人が島に来た日も合致しました」
「ウサギの島」には半野生化した約500匹のウサギが生息 環境省「死骸はさらに増える模様」
また警察の発表などによると、犯人の男は、動物愛護法違反の疑いで現行犯逮捕された後、23日までに送検されました。
ウサギを暴行する事件が起きた大久野島は、瀬戸内海に浮かぶ無人島。国立公園に指定されており、旧日本軍の毒ガス工場跡があることでも知られています。環境省中国四国地方環境事務所によると、現在、500匹ほどのウサギ(カイウサギ)が半野生化した状態で生息しているとのこと。昨年11月下旬以降、短期間にまとまった数のウサギの不審な死が継続的に確認されたため、感染症や冷え込みによる衰弱死、人為的なものなどを含め死亡要因を探っていたところ、今回の犯人逮捕となったそうです。
ウサギの死骸は、これまで昨年11月26~28日に13匹、12月17・18日に19匹、今年1月9~12日に45匹の計77匹が確認されているとのこと。担当者は「短期間でこれほどの死骸が見つかるのは異常事態」とし、「報告では少なくとも骨折したウサギは8匹。口と鼻のところから出血していた死骸もあった。一部のウサギの死体を解剖するなどして死因を調べている」と話します。現在死骸の数は集計途中で、さらに「増える模様だ」といいます。
◇ ◇
写真家夫婦にもらした犯人の犯行動機とは?
ウサギの暴行を繰り返していたことを認めているという犯人の男を取り押さえた中村さん夫婦。事件の経緯や逮捕時のことなどお話を聞きました。
――当初は、ウサギの大量死をどう考えていたのでしょうか?
「環境省の発表をご覧いただいたらわかるように、環境省は感染症ありきの動きをしていました。ですが、いつも大久野島にこられている皆さまからの情報や、実際にたくさんのうさぎさんの遺体をご覧になった現地の方からの写真を含めた情報をまとめると、どうみても感染症の可能性というのは低く、人為的なものの可能性が高いと疑っておくべきだと考えていました」
――犯人の男を取り押さえた時、犯行の動機について聞いたそうですが。
「犯人は『うさぎがかわいいから』『弱いから守りたくなる』と言っていました。私たちも理解に苦しむ部分が多くあります」
――また昨年11月から今年1月21日の逮捕にいたるまで、何匹くらいのウサギを殺していたのでしょうか。
「本人は多すぎてわからないと言っていました。環境省の発表の数よりも多いと私たちは考えています。理由としては、見つかったうさぎさんの中には知っている顔の子たちもいましたが、それ以外にもたくさんの顔見知りのうさぎさんがいなくなっているからです」
――今回の事件をうけて、考えたこと訴えたいことをお聞かせください。
「今回の事件については、もう二度と起きてほしくないという気持ちが一番です。そのために、管理者の皆さまには監視体制をもっと強化してほしいと願っています。私たちは、25年ほど島に通っているとはいえ一般の人ですので、こちらの島での監視体制を整えたりできる立場にはないので…もどかしいです」
中村さん夫婦は大久野島(ウサギ島)のウサギを2000年から撮り続ける「うさぎ写真家」。大久野島のことを「うた島」と呼び、2007年よりブログ『~うさぎの楽園「大久野島」~』にて写真を紹介。2011年から日本初の「移動型うさぎさん撮影会」を行っているとのこと。各地に撮影用のセットを持っていき、ウサギ専門店やレンタルスペースにて各おうちで暮らすウサギさんたちの写真を撮る撮影会を開催しているそうです。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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