直売所で、土が付いた大根に男性「土から離れた所に出来てる大根はどれ?」 生産者が困惑「なぞなぞ?」「収穫体験すべき」
まいどなニュース / 2025年2月4日 7時5分
「この大根土ついてますよね?」
直売所で追加の出荷中に、男性のお客さんから声をかけられやばい!と思ったVegetable&Fruit(@vege_fru_house)さんは、「すいません。洗い残しがあったのでこれは持ち帰ります」と返答。
すると、男性は頭の上に手をあげながら、「土から離れた所に出来てる大根ってどれですか?帰ってすぐ使うので土がついていない高い所に出来ている大根がいいです」と言ったのです。
「高い所に出来てる大根???」と、突然の想定外の質問に頭が真っ白になったそう。
ちゃんと伝えねばという思いで、「大根は根菜で白い部分は土に埋まってるんですよ」と伝えても不思議そうにする男性。そこで、大根の畑の写真を見せると「土から生えてる…」とビックリされたのだとか。
このエピソードをThreadsに投稿したところ、215万回も表示され話題に。静岡県磐田市で、家族で農業を営むVegetable&Fruitさんに、詳しくお話を聞きました。
野菜がどうやってできるのかを…
――投稿に大きな反響がありました。
ふと記録として残しておこうと思って投稿したものがこんなに反響があるとは思いませんでした。
私は農家の家で生まれ育っているので、当たり前に見ていた景色が当たり前じゃなかった事にビックリしました。農家でなくとも田舎ならよくある光景だから自然と知っているものだと思っていました。
――今回のやりとりはどういった状況で?
年末の出来事でした。年末は1年で1番直売所にお客様が来てくださる日です。開店前に出荷しても午前中に売り切れてしまうため1日に3回、多い日だと4回出荷します。何回目かの出荷に行き、大根を陳列している時にお客様から声をかけられました。
――お客さんからのお声がけはよくあること?
はい、追加の出荷に行くとよく声をかけられます。野菜の保存方法だったり、調理の仕方、珍しい野菜だと食べ方や味についてお話しさせていただきます。
――そこで思わぬ質問がきた、と。
男性は30代前半くらいに見え、お買い物メモを持っていました。最初は冗談かと思ったのですが真面目に聞かれたのでビックリしてしまいました。「土に埋まっているんですよ」と説明しても不思議そうにしていたので私のスマホから写真を見せました。
――男性の方もびっくりされたのかもしれないですね。
他のお客様から声をかけられたのでそこで会話は終わってしまいましたが、ありがたいことに大根を購入してくださいました。この大根をきっかけに他の野菜もどうやってできるのか知ってもらえたら嬉しいです。
――「洗い残しのあった大根」とのことでしたが、この時期の収穫作業は寒さもあり大変そうです。
朝一に大根の収穫に行くと大根がキンキンで冷たいんです。機械での収穫ではないので手で抜いて、車の荷台に運んで…が重いので大変です。
私が寒がりなのもあるのですが防寒手袋をしていても冷たいです。畑の土も冷たいし、静岡県西部の冬は、“遠州のからっ風”という風が強い地域でもあるので土埃もすごいし風に体をもっていかれて転ぶ時もあります。
大根を洗う時も水は冷たいし、土がついていると苦情もあります。大根の葉っぱに虫がついていることもあるのでとにかく綺麗に洗います。他の野菜でもそうなのですが見た目が綺麗じゃないと買っていただけないのです。
――何工程もの作業を経て新鮮な野菜が出荷されているのですね。
他の野菜でもそうなんですが、鮮度の良い野菜を買うなら是非とも道の駅や直売所で購入して下さい! ほとんどの農家さんは前日に収穫して袋詰めして次の日の朝出荷し、なかには朝採りの野菜を出荷する農家さんもいるので新鮮です。
よく美味しい野菜の見分け方が紹介されたりしますが、採れたての野菜が1番美味しいと思っています。さつまいものように「追熟」といって採れたてよりも何日も寝かせてから食べた方が美味しいものもあります。
スーパーはなんでも揃って1回の買い物で済むので便利だと思いますが生活圏内に道の駅や直売所があれば足を運んでいただけたらと思います。野菜やお米や果物も安いかと。地産地消、国産国消にもなりますのでぜひ!
ーーでも、今回のこともそうですが、農業についての知識が少ない人が増えているかもしれません…。
都市部ではなかなか農業体験をする事もないかと思いますが、自分が食べている物がどうやって出来ているか少しでも知っていただけたら嬉しいです。スマホですぐに調べる事も出来ますし、沢山の農家さんがSNSをしていますし、YouTubeで農作業の様子を見れたりもします。
2024年の米騒動や冬野菜の高騰で農業含め一次産業が注目されているなか、農家も肥料、農薬、種子、資材、軽油、ガソリン、農業機械、電気代と年々経費が上がっています。野菜の値段がやっと適正価格になったのかな…といった感じです。夏の猛暑、毎年発生する線状降水帯で野菜も作りづらくなっていますが、それでも私は農家なのでお米、野菜を作り続けていこうと思います。
◇ ◇
今回の投稿に、「田植え、稲刈り、野菜の収穫体験するべきだわー」「根菜って知らない人いるんですね」「漬物にする為にずらっと干してあるのを見たことがある!とか???」「思わず大根が木の枝からぶら下がってる姿を想像して笑ってしまいました」「なぞなぞかなって思った」「読んで字の如く…」「育てたり畑が身近にないとイメージが持てないのかもしれないですよね」と読んだ人たちも驚いた様子。
「魚の絵を書かせたら開きの絵を描く子がいる時代」「オクラの実のつき方とかは知らない方も多いのでは?」といったコメントも寄せられていたように、普段口にしているものがどのように育っているか、実をつけているか、知る機会がないとやはりわからないものかもしれません。男性の方はきっと、新たに知った事実に驚きつつ美味しくいただいたのではないでしょうか。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
前倒しでキャベツ収穫 最強寒波で九州でも備え 対応に追われる
RKB毎日放送 / 2025年2月3日 18時56分
-
農業と俳優の二刀流・工藤阿須加さんが出演!「日本農業新聞電子版」の新TVCMを公開
PR TIMES / 2025年1月31日 13時15分
-
「雪の下にんじん」収穫最盛期 天候に恵まれ甘くみずみずしいニンジンが豊作に!秋田県横手市
ABS秋田放送 / 2025年1月22日 18時2分
-
朝に農業、夜に練習、異色のハンドボールチーム
パラサポWEB / 2025年1月20日 7時0分
-
キャベツ例年の3倍 道の駅に買い物客が殺到 少しでも安い野菜求めて 農家は「春になれば・・・」
RKB毎日放送 / 2025年1月17日 19時11分
ランキング
-
1函館のラブホテル社長が語る“ラブホ経営”の難しさ。「2日間部屋が使用できない」困った用途とは
日刊SPA! / 2025年2月3日 15時51分
-
2「俺の働いた金で買ったものだろうが!」“食い尽くし系夫”にドン引き離婚した女性が明かす惨状…無自覚男性も増殖中?
集英社オンライン / 2025年2月4日 11時0分
-
3《昭和生まれのお菓子ランキング》ベビースター抑えた1位は昭和39年発のメガセラー商品
週刊女性PRIME / 2025年2月3日 21時0分
-
4斜陽メディアじゃない?「ラジオ」20代に人気の訳 オールナイトニッポン統括Pが語る復活の理由
東洋経済オンライン / 2025年2月4日 12時30分
-
5ちゃんと葬式をあげればよかった…〈年金月10万円〉〈貯金100万円以下〉80歳母が死去。安いからと「家族葬」に決めたが、思わず二度見する「葬儀費用」に52歳息子、絶句
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月4日 5時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください