映画:捕鯨「ふたつの正義」 大阪でドキュメンタリー上映

毎日新聞 / 2017年9月14日 9時15分

捕鯨をめぐる価値観の対立を描いた「おクジラさま」=写真は1シーン(C)「おクジラさま」プロジェクトチーム

 和歌山県・太地町で、クジラ・イルカ漁をめぐる価値観の対立を、米・ニューヨーク在住の佐々木芽生(めぐみ)監督が見つめたドキュメンタリー映画「おクジラさま ふたつの正義の物語」(2017年、日・米、96分)が30日から、大阪市淀川区十三本町1の第七芸術劇場で公開される。

 映画は2010年から、東日本大震災による中断をはさみ、16年まで撮影された。

 10年は同町のイルカ追い込み漁を批判した映画「ザ・コーヴ」がアカデミー賞を受賞し、太地町には世界から反捕鯨の活動家らが集まり、抗議活動が展開されていた。

 佐々木監督は欧米の報道が反捕鯨に偏り過ぎ、クジラを捕って利用する人への理解や情報がなく、日本からも反論がないことに違和感があったという。

 約400年、「クジラなくして生きられない」という町の人たちの暮らしぶり。町長や漁師のほか、相反する立場の反捕鯨活動家の言い分……。佐々木監督はこうした人らと信頼関係をつくり、丁寧に話を聞き出していく。その対象は、押しかけた街宣車や、町の人たちを理解しようと住み着いた米国人ジャーナリストにも及ぶ。

 米・トランプ政権誕生で指摘されたように、グローバリズムが世界中で進んだ影響で、生活が脅かされる人たちの怒りや不満が高まり、その結果、分断があらわになっている。太地町にもグローバル化の波が押し寄せている。佐々木監督は「正義の反対は悪ではなく、別の正義」との言葉を寄せる。互いに排除するのでなく、共存するにはどうしたらいいか、考えさせられる。

 上映時間と終映日は未定。一般1800円(前売り1400円)など。第七芸術劇場(06・6302・2073)。【亀田早苗】

毎日新聞

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