折り鶴:「一緒に折ろう」北中米旅で541羽

毎日新聞 / 2017年11月15日 10時25分

集めた折り鶴を手に取りながら、旅行当時を振り返る(左から)多田大樹さん、小林亮さん、石田瑠輝さん=大阪府和泉市で、大久保昂撮影

 あなたにとっての平和や幸せって何ですか--。桃山学院大(大阪府和泉市)の3人の学生が昨年の夏、出会った人にこう尋ね、折り紙を手渡して鶴を折ってもらいながら北中米を旅した。40日間で集まった折り鶴は541羽。国内でも続けて千羽鶴にし、広島の平和記念公園に届けたいという。【大久保昂】

 経営学部4年の石田瑠輝(るき)さん(22)、多田大樹さん(22)、国際教養学部4年の小林亮さん(21)。サークル仲間だった3人は昨年、「世界を見て回る最後のチャンス」と考え、夏休み中に40日間のアメリカ横断旅行を計画した。

 何かテーマがほしかった。米国のオバマ大統領(当時)が折り鶴をしたためて被爆地の広島を訪れたニュースに触発された。「旅先で出会う人に鶴を折ってもらい、平和についての考えを聞いてみよう」。集めた折り鶴を千羽鶴にして、広島の平和記念公園に届けることを目標に定めた。

 米西海岸のサンフランシスコをスタートし、シカゴなどを経由し東海岸のニューヨークへ。そこから南下してフロリダまで行き、出国してメキシコとキューバにも足を伸ばした。都会の雑踏や寝台列車、大学やモーテル。行く先々で「一緒に鶴を折りましょう」と英語で書かれたプラカードを首にかけ、折り紙を手渡した。

 平和や幸福のイメージは人それぞれだ。ある男性は「タクシー」と答えた。運転手をしているらしく、「これで子どもたちを食わせているんだ」と。キューバの少年は「お母さんに会いたい」。少年の複雑な家庭環境を想像すると、かける言葉が見つからなかった。

 原爆投下の是非についても多くの人と議論した。アメリカでは肯定的な考えが支配的だった。同世代の人には「やり過ぎだった」という意見の人もいた。

 3人は「平和のとらえ方は人によって違うし、国や立場が変われば見方も変わる。それでも、共通の思いでつながることができる可能性も感じることができた」と振り返る。

 心残りは、折り鶴が目標の1000羽に届かなかったこと。国内でも集め続け、千羽鶴を完成させたいとの思いがある。「卒業までに広島へ届けたい」。目下の課題である卒業論文の執筆作業と並行して、「旅の続き」に取り組むつもりだ。

毎日新聞

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