長崎原爆の日:首相、面談時も従来見解 被爆者失望、憤り

毎日新聞 / 2018年8月10日 1時44分

被爆者団体の代表(右列)から要望を受ける安倍晋三首相(左列中央)ら=長崎市で2018年8月9日午後0時49分、森園道子撮影

 安倍晋三首相は9日、平和祈念式典参列後に長崎の被爆者5団体と面談した。被爆者団体側が、日本政府の核兵器禁止条約参加を求めたのに対し、安倍首相は「核兵器保有国から協力を得る努力を粘り強く続けながら、橋渡し役として進めていくことが重要だ」と従来の見解を述べるにとどまり、被爆者からは失望の声が相次いだ。

「答えは毎年一緒、心こもっていない」

 面談は、式典後に首相らが被爆者団体から要望を聞く場として毎年設けられている。

 被爆者団体側は、国の指定地域外で被爆したために被爆者健康手帳の交付を認められない「被爆体験者」救済のための抜本的な対策なども要望した。

 要望の概要を安倍首相に説明した長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(77)は、終了後「毎年答えは一緒で心がこもっていない。唯一の戦争被爆国である日本しかできないことは、核兵器廃絶の先頭に立つことではないのか」と批判した。

 昨年の要望時に「あなたはどこの国の総理ですか」と安倍首相をただした長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(78)は「核保有国と非核保有国の間を取り持つと言うが、対米追従だけで言ってることとやってることが全然違う。ゼロ回答に等しい」と憤った。【浅野翔太郎、樋口岳大、青木絵美】

毎日新聞

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング