硫黄島の遺品:米国から返還 70年以上経て日本兵遺族へ

毎日新聞 / 2018年10月12日 1時49分

考科表などの遺品を確認する角戸正則さん(中央)ら=山口市の山口県護国神社で2018年10月11日、祝部幹雄撮影

 第二次世界大戦末期の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)で戦死した、山口県周南市出身の日本兵の遺品が11日、70年以上の時を経て米国から返還された。遺品は、ほぼ完全な状態で残された旧陸軍の人事査定書類「考科表」など7点。硫黄島では、米軍が火炎放射器攻撃などで日本軍の陣地を徹底的に破壊したため、日本遺族会は「書類が見つかるのは非常に珍しい」としている。

 返還されたのは、歩兵砲隊に所属し、1945年3月に戦死した角戸行夫(すみと・いくお)さん(当時27歳)の所持品で、短編小説集もあった。硫黄島の戦闘終結後に上陸した米軍関係者が持ち帰ったとみられ、米ミネソタ州に住む遺族が所有していた。

 日本兵の遺品返還活動に取り組む米国の非営利民間団体を通して日本遺族会などに照会があり、角戸さんのおいに当たる正則さん(63)=山口県田布施町=の所在が分かり、山口市の県護国神社で引き渡された。

 角戸さんの考科表は9項目の評価欄があり、健康の欄には「筋骨ノ発育良好」、長所の欄は「温順、正直」と書かれていた。

 角戸さんの母フサさんは生前「優しく温厚な子だった」と話していたという。正則さんは「祖母の言う通りの人だったんだと感激した。伯父の墓には遺骨も遺品も入っていないので、墓前に報告し、長く残したい」と語った。【祝部幹雄】

毎日新聞

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