直腸粘膜でがん化リスク診断 「潰瘍性大腸炎」患者の負担軽減 三重大など開発

毎日新聞 / 2020年1月14日 21時55分

新たに開発した診断方法を説明する三重大の問山裕二准教授=津市栗真町屋町の同大で2020年1月14日午後3時29分、森田采花撮影

 三重大などの研究チームは14日、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる難病の「潰瘍性大腸炎」が原因で大腸がんになる可能性を調べる新たな診断法を開発したと発表した。内視鏡による検査をしなくても、直腸の粘膜を少し取るだけで診断でき、早期発見や患者の負担軽減につながることが期待されるという。

 潰瘍性大腸炎は下痢や腹痛などをもたらし、完治が難しい難病。安倍晋三首相の持病で知られ、第1次安倍内閣は病状悪化が退陣のきっかけになったとされる。

 重症の潰瘍性大腸炎患者は症状を繰り返し、大腸がんになる恐れがあり、毎年、内視鏡検査を受けることが推奨されている。ただ、炎症を起こしている大腸の粘膜は内視鏡でもがんかどうか見分けるのが難しい。

 研究チームは、潰瘍性大腸炎ががん化する可能性がある場合、直腸粘膜の遺伝子の一部に変化が起きたり、粘膜の細胞が老化したりしている特性に着目。専用の器具を肛門から入れ、直腸の粘膜を1ミリ角程度採取して調べるだけで、がんになるリスクを調べることができる。検査にかかる時間は1分程度で、こうした診断方法は世界初という。

 研究チームは実用化に向けて臨床研究を進めており、さらに一般的な大腸がん検診に活用する方法も開発中。メンバーの問山裕二・同大准教授(大腸外科)は「内視鏡検査は患者にとって負担が大きく、今回の方法を使えばがん化リスクのある患者だけに内視鏡検査をすることが可能になる。早く実用化したい」と話している。【森田采花】

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