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「うちの先生は元国会議員」売り込み SNS詐欺対応、非弁提携疑い

毎日新聞 / 2024年6月13日 17時51分

今野智博容疑者

 SNS(ネット交流サービス)を通じた投資詐欺などの被害金回収を巡り、弁護士資格のない人物に名義を貸して法律事務をさせたとして、警視庁捜査2課は13日、元自民党衆院議員で弁護士の今野智博容疑者(48)=埼玉県深谷市=を弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕したと発表した。

 名義を借りて弁護士活動をしたとして、いずれも職業不詳の辻直哉(51)=千葉県市川市、松井宏(37)=東京都中央区=両容疑者ら男女10人も弁護士法違反(非弁活動)の疑いで逮捕した。

 今野容疑者らは2023年9月からの半年間で、SNS型投資詐欺や、恋愛感情を抱かせる「ロマンス詐欺」の被害者ら23都府県の約900人から、弁護士費用の着手金として総額約5億円を集めたとみられる。

 逮捕容疑は23年12月~24年1月ごろ、弁護士資格のない辻容疑者らが今野容疑者の名義を借りて、東京都や埼玉県などの40~60代の男女5人から着手金計約280万円を受領し、法律事務をしたとしている。11人の認否は明らかにしていない。

 警視庁によると、着手金を支払った男女5人はSNS型投資詐欺や特殊詐欺の被害者で、詐欺グループに約3500万円をだまし取られた人もいたが、いずれも被害金は回収できていない。今野容疑者らが着手金を受け取ったほかの案件でも、被害金の回収が実現したケースは、ほとんどなかったとみられる。

 今野容疑者はホームページで「詐欺被害の返金は弁護士にお任せください。無料相談実施中」などと宣伝。詐欺の被害者がホームページに記載したフリーダイヤルに問い合わせると、辻容疑者らが拠点とする都内の事務所につながる仕組みだった。

 辻容疑者らは法律事務所のスタッフを名乗って、「うちの先生(今野容疑者)は元国会議員ですから」などと売り込み、法律事務の依頼を受ける際の契約や口座の凍結手続きなどをしていた。着手金は今野容疑者名義の口座に入金させ、今野容疑者が1割を受け取り、残りは辻容疑者ら10人で分配していたとみられる。

 別の特殊詐欺事件の捜査で、辻容疑者らが今野容疑者の名義で非弁活動をしていた疑いが判明したという。警視庁は特殊詐欺グループなどの関与も視野に、集めた着手金の流れなどを調べている。

 ホームページなどによると、今野容疑者は05年10月に弁護士登録。12年に自民党公認で衆院埼玉11区から出馬して比例代表北関東ブロックで復活し初当選。2期務めた後、17年の衆院選にも出馬したが落選した。在職時は清和政策研究会(現安倍派)に所属していた。【遠藤龍、森田采花】

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