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親子で「非認知能力」高めるドリル 開発の百貨店社員が得た時間

毎日新聞 / 2024年6月20日 10時0分

ドリルを制作した赤木一恵さん=岡山市北区中山下の紀伊國屋書店岡山クレド店で2024年5月30日午前10時6分、平本泰章撮影

 岡山の老舗百貨店「天満屋」で働く赤木一恵さん(39)が、子供の「非認知能力」を育むことを目指したドリルを出版した。デパートの社員がドリル制作に乗り出した背景には、働きながら現在5歳の娘を育てる母親としての悩みがあった。

 非認知能力は、共感力や意欲、自制心、問題解決能力など学力テストなどでは測れない内面の能力を指し、教育現場などで近年注目されている。

 赤木さんがドリル制作に取り組むきっかけは、長女が2歳になっても言葉を話さなかったことだった。育児書を読みあさり、SNSで情報を探した。しかし、その通りに実践してもなかなかうまくいかず、落ち込むばかりだった。

 当時はデパートの売り場の担当で、帰宅が夜遅くなることが少なくなかった。そこで限られた時間でも目を見て真剣に語りかけることを続けていると、「子供の心の状態が違っていくように思えた」。その経験から、一般的な育児書のように知識を伝えるだけではなく、親子が一緒に学びながらコミュニケーションを深めることができるドリルの制作を思い付いた。

 2021年、社内の新規事業提案制度に応募。非認知能力について学んで「非認知能力育成トレーナー」の資格を取得し、3度の試作を重ねてようやく事業化にこぎつけた。

 ドリルの対象年齢は5~8歳で、タイトルは「ふかださんの非認知能力ドリル まずは10分 親子の対話で深めるコミュ力」。「水ってどんな味がする?」「命ってどこにあるの?」といった正解のない問いかけなどについて、親子で一緒に考える内容になっている。

 赤木さんの長女は「今の空は何色?」の問いに「青」、「一億年前の空の色は何色?」には「虹色」と答えたという。「子供は本当に自由な発想を持っている。否定せずに理由をしっかり聞いて対話を深めてほしい」と力説する。

 「親はどこかで子育てに悩む。手軽によりよい親子の時間を作ることができるものを提供したい」と赤木さん。ドリルが、その一助になればと願っている。

 A4判74ページ。税込み1320円。岡山県内の書店や天満屋ネットショップなどで販売されている。【平本泰章】

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