もはや電源不要? 湧水に浸すだけで発電、産総研などが世界初開発
毎日新聞 / 2024年6月20日 10時30分
地表に湧き出る地下水「湧水(ゆうすい)」に浸すだけで発電できる技術を世界で初めて開発したと、産業技術総合研究所(茨城県)などのチームが発表した。湧水と大気の温度差を使うのが特徴。水力発電のような水の流れが不要で、昼夜を問わず発電でき、電源がいらない計測器などに応用できるという。
湧水の温度は気温の変化を受けにくく、昼夜や年間を通して約15度とほぼ一定で、夏は冷たく、冬は温かく感じる。
チームは円柱形の銅棒の両端に、熱を吸収したり放出したりするヒートシンクをとりつけ、取り込んだ熱エネルギーを電気に変換する装置をつくった。片方を湧水中に、片方を大気中に置くと、温度差に応じて電気を起こせる仕組みだ。
昼夜の寒暖差が激しく、冬は氷点下まで冷え込み、かつ湧水が豊富な長野県松本市で2022~23年にかけて実験したところ、実際に発電できることを確認。温度記録計などの機器を動かすこともできた。1日の発電量は、最も温度差が大きかった1月で平均14・5ミリワットだった。
一般家庭の1日の電気使用量は6〜15キロワット時で、湧水発電の発電量はこれに比べるとごくわずかだ。チームの産総研物理計測標準研究部門の天谷(あまがい)康孝さんは「ボタン電池1個分ぐらいは蓄電できるので、水質管理装置などに使える。活用法を検討したい」と話した。
成果は2日付のエネルギー関係の学術誌に掲載された。【菅沼舞】
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