1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

鹿児島県警の前生活安全部長を起訴 守秘義務違反で 地検

毎日新聞 / 2024年6月21日 12時52分

鹿児島地方検察庁=白川徹撮影

 鹿児島県警の情報漏えい事件で、鹿児島地検は21日、警察の内部情報を退職後に漏らしたとして、県警の前生活安全部長、本田尚志(たかし)容疑者(60)=鹿児島市=を国家公務員法(守秘義務)違反で起訴した。

 起訴状などによると、本田被告は県警退職後の3月28日ごろ、在任中に部長名で作成された、霧島署員によるストーカー事件の捜査経過や被害女性の氏名などが記載された書面のうち、作成名義などを除いた部分の写しを鹿児島市内から北海道在住のフリー記者に郵送し、4月3日ごろに受領させたとしている。

 県警や関係者によると、内部文書は複数枚で、他には枕崎署員が逮捕されたトイレ盗撮事件に関する資料なども含まれていた。

 地検は認否を明らかにしていないが、本田被告は逮捕後の6月5日に鹿児島簡裁で開かれた勾留理由開示手続きの中で内部文書の送付を認め、「野川明輝(あきてる)本部長が(不祥事を)隠蔽(いんぺい)しようとしたことが許せなかった」と主張。弁護人も「内部通報」の趣旨だと訴える一方、野川本部長が「隠蔽を意図して指示したことは一切ない」と全面的に否定する異例の展開となっていた。

 また、今回の事件は、県警が別の事件の関係先としてインターネットメディア代表の男性宅を捜索した際、本田被告が送付した内部文書と同じデータが偶然見つかり、逮捕へとつながった。フリー記者が同メディアでも記事を執筆していたことが理由だった。識者からは内部通報のために報道機関に送った資料が捜査機関に押収され、通報者が逮捕されたことを問題視する声も上がっていた。

 地検は今回の処分理由について、公益通報に該当するかも含めて総合的に検討したとした上で「起訴に相当する悪質性がある」と指摘。「警察の捜査内容に違法な点もないと判断した」と述べた。

 本田被告の弁護人は「大変残念。裁判の場で主張を適切に行う。県警の隠蔽行為については、真相が解明されることを願う」とのコメントを出した。

 鹿児島地裁は21日、本田被告の保釈を認める決定を出した。本田被告は同日午後6時15分すぎ、県警鹿児島中央署の正面玄関から上下黒のスーツに身を包み、マスク姿で現れた。目を伏せてうつむきがちに真っすぐ歩き、報道陣に対して10秒以上深く頭を下げ、無言のまま迎えの車に乗り込んだ。【取違剛、河慧琳】

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください