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学費免除の東大生「対象拡大、引き上げの根拠にならない」

毎日新聞 / 2024年6月22日 0時33分

東大の本郷キャンパスで、「総長対話」を前に学生有志が開いたプレイベントの様子=東京都文京区で2024年6月21日午後6時8分、西本紗保美撮影

 20年ぶりに学費の引き上げを検討している東京大は21日、藤井輝夫学長と学生が意見交換する「総長対話」を開いた。総長対話に先立ち、東大の安田講堂前では学費引き上げに反対する教員によるスピーチがあった。

 スピーチを聞きに訪れた大学院博士課程2年の男子学生(27)は母子家庭で、東大が独自で家庭の年収に応じて実施する「学費免除」を受けているという。「学費免除は半年ごとに書類の提出が求められる。成績不足や体調不良による休学、留年で免除がなくなる恐れがあり、ずっと綱渡りでした」と話す。

 アルバイトと研究との両立に苦労し、修士課程時代には体を壊しかけたが、なんとか休学せずに乗り切ったという。藤井学長が説明した経済的支援策の拡充については批判的だ。

 「大学の学費免除の予算には限りがあり、申請しても却下されることもある。学費免除の対象年収を引き上げるから、学費を10万円値上げしても良いという根拠にはならない。日本も批准する国際人権規約は、高校と大学を段階的に無償にすることを定めているように、高等教育は本来誰にでも受けられる権利のはずだ」と語気を強めた。

 千葉県出身で現在1人暮らしをしている経済学部3年の女子学生は「親の収入格差により進学が左右されるのはおかしいと思う。(値上げが実現すれば)大学院に進学希望の学生は今後、学費値上げの影響を受けることになるが、大学院は自分で学費を出すように言われている友人も多く、ちゅうちょしてしまうのでは」と語った。

 工学部4年の女子学生(22)は「東京大には地方出身の学生も多い。学費の値上げは地方の大学にも影響が出てくるのではないかと思うので、(スピーチで)意思を示すのは良いことだと思う。地方の国立大の学生も声を上げやすくなるのではないか」と話した。【西本紗保美、井川加菜美】

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