1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

羽田空港衝突事故、再発防止策を正式公表 滑走路誤進入に警報音

毎日新聞 / 2024年6月24日 11時37分

着陸時に海保機と衝突し炎上した日航機=羽田空港で2024年1月2日午後7時5分、手塚耕一郎撮影

 東京・羽田空港で今年1月に日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機が衝突した事故を巡り、国土交通省の対策検討委員会は24日、再発防止策の中間まとめを正式に公表した。滑走路への誤進入を知らせる警報音の導入や、管制官の増員など、ハードとソフトの両面から対策を進め、総合的に事故の防止を図る。

 航空安全の専門家らで作る検討委は中間まとめで、滑走路での衝突事故の多くは管制官やパイロットの思い込みや言い間違いなどに起因する誤進入によって起きていると指摘。ヒューマンエラー(人的ミス)が事故につながらないよう多重の対策を求めた。

 事故では1月2日夜、離陸のためC滑走路に進入した海保機に、着陸してきたJAL機が衝突。JALの乗員乗客は全員脱出したが、海保機では機長を除く5人が死亡した。

 海保機は管制の許可を得ず滑走路へ進んでいたが、管制官は気付かなかったとみられている。現在のシステムでは、管制官の手元のモニター画面に誤進入が表示されるが、検討委は警報音も追加するよう求めた。

 また、滑走路担当の管制官が監視業務に専念できるよう、主要空港には離着陸の調整を担当する管制官を新たに配置。管制官の中途採用を進め、欠員の解消を図る。

 航空機が離着陸する際に、滑走路へ入ろうとする別の機体に警告する「滑走路状態表示灯(RWSL)」についても、拡大する方針。現在は伊丹や羽田など5空港(代替設備を含む)で、滑走路を航空機が横切る場所を中心に整備しているが、今後は全国主要8空港へ広げる。

 一方、羽田の事故では、管制官が離陸順1番目であることを意味する「ナンバーワン」という言葉を伝え、海保機側が離陸許可を得たと勘違いした可能性が指摘されている。国交省は事故後、離陸順を伝えないようにしていたが、パイロット側から要望があるため、伝達の再開を検討する。

 国交省は運輸安全委員会による調査結果が出た後、最終まとめを出す方針。斉藤鉄夫国交相は24日、記者団に対し、岸田文雄首相から管制官増員などの対策を指示されたと明かし、「夏の繁忙期前までにしっかりとした体制を組みたい」と述べた。【原田啓之、安部志帆子】

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください