過疎地の名医たたえる「やぶ医者大賞」 島根と山口の2人を選出
毎日新聞 / 2024年6月26日 8時30分
兵庫県養父(やぶ)市が全国の過疎地や離島で活躍する医師をたたえる「第11回やぶ医者大賞」に、島根県の浜田市国民健康保険波佐(はざ)診療所長の佐藤優子医師(44)と、山口市徳地(とくぢ)診療所長の中嶋裕(ゆたか)医師(47)が選ばれた。
2人はどんな医師?
佐藤医師は、島根県西部の山間部、浜田市金城町にある波佐診療所で2014年から勤務。地域医療振興協会を経て家族で移住した。疾病予防や健康維持など患者を多角的に診る「家庭医療専門医」として他の関係機関と共に地域全体をケアしている。近隣のへき地診療所などと独自の連合体も設け、複数の医師によるグループ診療で、医師の過大な負担なく継続可能な医療に取り組む。中高生、医学生ら後進の育成にも尽力している。
中嶋医師は、山口県のほぼ中央に位置する山口市の徳地地域(人口約5000人)の医療を担うため、医師の高齢化で地域唯一の医院が閉院し、設けられた民営診療所長に21年、着任した。22年からは保健センターなどと一緒になった複合拠点施設に設けられた公設民営の徳地診療所を担い、無医地区への巡回診療も始めている。オンラインによる遠隔診療システムを積んだ巡回診療車を活用。へき地医療の態勢づくりを進めている。
「やぶ医者大賞」とは
やぶ医者大賞は、若手医師の育成、地域医療の発展などを目的に、全国の過疎地などで活躍する50歳以下の医師や歯科医を表彰する制度。養父市が文献に基づいて「やぶ医者」の由来を「養父にいた名医」という説を唱え、14年に創設した。
今回は8道県9人の応募があり、審査委員長の正垣一博・養父市医師会長、西村正樹・公立八鹿病院長ら8人でつくる審査会で22日、決まった。表彰式、講演会は11月16日、養父市立ビバホールで開催予定。【浜本年弘】
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