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金次郎像、55万円で姫路の会社会長が落札 一般公開へ 兵庫・三木

毎日新聞 / 2024年6月26日 13時45分

落札された二宮金次郎像=三木市提供

 閉校した兵庫県三木市立小学校に60年超設置されていた二宮金次郎(尊徳)像が一般競争入札により55万1380円で落札された。市が設定した最低価格1万円の55倍。応札した県内外23人のうち、姫路市の会社会長、福田勉さん(80)が落札した。社内敷地に飾り、一般公開するという。

 像は台座を含む高さ100センチ、重さ23キロの青銅製。旧東吉川(ひがしよかわ)小に1959(昭和34)年から設置されていたが、児童数の減少で2年前に閉校したのに伴い、市有財産の有効活用の一環で売却することになった。

 「修身」の教科書にも登場した金次郎を巡っては大正期以降、苦労して勉学に励む模範として全国の小学校に像を寄付・建立するのがブームになった。戦中は兵器の原料として供出され、戦後は教育方針の変化や少子化による学校の統廃合などで姿を消しつつある。像を引き取り所蔵・展示する活動に取り組む報徳二宮神社(神奈川県小田原市)には各地から多い年で2、3体が送られてくる。

 全国の学校の同窓会データを管理する会社「サラト」の経営に長年関わっている福田さんは十数年前、聴講した講演で金次郎に触れた。新1万円札のデザインに採用された渋沢栄一をはじめとする近現代の実業家らも影響を受けていることを知り、特に「道徳なき経済は犯罪」という趣旨の考え方に感銘を受けたという。今回売却されることは毎日新聞の報道で知った。

 55万円という入札額については金次郎の思想を引用し「『分度』(身分相応)の金額なので、高いとは思わない」。引き取り後は、まきを背負いながら山道を読書して歩くイメージの起源とされる明治期の伝記「二宮尊徳翁」(幸田露伴(こうだろはん)著)の描写を参考に、像の周囲に木々を配するように駐車場一角に設置する考えを明らかにした。【入江直樹】

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