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厚労省、「恵」の約100施設に連座制適用を発表 運営不能に

毎日新聞 / 2024年6月26日 19時30分

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 障害者グループホーム(GH)を運営する「恵」(本社・東京)が障害福祉サービス報酬の不正請求や食材費の過大徴収をしていた問題を巡り、厚生労働省は26日、愛知県などが同社の一部施設の事業者指定を取り消す行政処分を出したことを受け、他の同社GHについても障害者総合支援法に基づく「連座制」を適用すると発表した。これにより、同社が全国12都県で展開する約100カ所のGH(定員約1700人)は6年ごとの指定更新が認められず、同社は施設を運営できなくなる。

 愛知県と名古屋市は26日、同報酬の不正請求や食材費の過大徴収が行われていたとして、同社の5GH(同県幸田町1カ所、名古屋市内4カ所)の事業者指定を取り消す行政処分を発表。厚労省は食材費の過大徴収が組織的に行われていたと判断し、連座制を適用することを関係自治体に通知した。

 厚労省はこの日、指定取り消し処分を受けた5施設を含む同社104カ所のGHのうち77施設で総額約2億9900万円に上る食材費の過大徴収があったと発表。このうち愛知県内の施設だけで約2億1800万円を占めていた。厚労省は昨年12月、過大徴収が組織的に行われているとして同社に業務改善勧告を出したが、この日、改善措置が取られていないとして改善命令を出した。

 また、5施設を含む複数の同社GHでは、勤務実態のない職員が働いているかのように装うなどして自治体から受け取る報酬を不正に請求。愛知県などがこの日公表した資料によると、不正請求額は県内全27施設(休止中の1施設含む)で約4億5000万円に上ることが判明した。

 5施設には今後、他の事業者に事業譲渡したり利用者が転居したりする猶予期間が与えられる。名古屋市によると、一番早く指定取り消しを受けるのは同市緑区のGHで8月31日。連座制はこの時点から効力が発生。GHだけでなく同社の他の障害福祉サービス事業にも適用され、この日以降5年間は施設の新規開設もできなくなる。

 厚労省によると、連座制が適用される全国99GHの指定更新の時期は今年度1▽25年度2▽26年度13▽27年度32▽28年度37▽29年度14。

 2012年2月に設立された同社は18年に名古屋で障害者GHを開設。同社ホームページによると、愛知をはじめ千葉や埼玉、神奈川、福岡など計11県と東京都で同GHを展開している。帝国データバンクによると、23年12月時点の従業員は1700人。23年3月期決算で売上高約66億円、約3億7000万円の最終(当期)利益を計上している。【肥沼直寛、加藤沙波、川瀬慎一朗】

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