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選べなかった自分の道 旧統一教会の元2世信者が集団交渉初参加

毎日新聞 / 2024年6月26日 20時43分

慰謝料を求めて旧統一教会との集団交渉に参加した元2世信者の男性(手前)=東京都千代田区で2024年6月26日午後2時7分、春増翔太撮影

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元信者や親族が、過去の献金の返金を求めてきた集団交渉について、「信仰を強制されたことによる精神的苦痛を受けた」として慰謝料を求める元2世信者2人が新たに参加した。

 全国統一教会被害対策弁護団が26日、東京都内で記者会見を開いて明らかにした。この日、教団に対して、この2人を含む20人に計6億9484万円の支払いを求める8回目の通知を送った。精神的被害のみを訴えて元2世信者が交渉に参加するのは初めて。

 2人は、四国地方の20代男性と、関東地方の30代女性。いずれも教団の合同結婚式で出会った両親のもとに生まれ育ち、幼少期から信仰を強制されたとしている。いずれも1000万円の慰謝料を求めた。

20代男性「双子の弟は4月に自殺」

 このうち20代男性は、小学生の頃から、礼拝や勉強会など教会の行事に参加するために部活動や友人との交流が制限された。異性との接触も厳しく「高校は女子が少ない学校を選んだ。自分の道を自分で決めることも許されなかった」と話した。

 こうした教えには物心がついた頃から抵抗があったが、両親との関係を気にして強く言えなかった。同じ悩みを抱えていた双子の弟は4月、自ら命を絶ったという。

 「親にあらがえず、声を上げられない2世はたくさんいると思う。そうした被害も知ってほしい」と交渉に加わった理由を語った。

30代女性「ずっと苦痛だった」

 30代女性も「信者以外と接すると罪になる。地獄に落ちる」と教え込まれ、大学生時代は信者仲間との訪問販売に参加させられた。「障害者施設に寄付をするため」とウソをついて風鈴を売り歩いたといい、「そうした教えがずっと精神的に苦痛だった」と振り返った。

 弁護団の久保内浩嗣弁護士は「2世信者の受けた被害は、お金が払われれば解決ではない。請求は、自立して新たな人生を切り開くために必要なこと」と説明。精神的なケアや就職支援といった公的支援の必要性も訴えた。

教会「個別に対応」

 集団交渉では、これまで教団に対して7回の通知を送っている。参加した通知人は今回を合わせて計169人で、請求総額は53億3778万円。

 旧統一教会広報局は取材に「集団交渉については、証拠が明確でないものもあるが、個別に丁寧に応じてきた。2世の方々にも個別に対応したい」とコメントした。【春増翔太】

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