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白神山地のブナ林、生徒がモニタリング調査 ブナの一生など学ぶ

毎日新聞 / 2024年6月26日 16時16分

「何センチかな?」。真剣な表情でブナの胸高周囲を計測する藤里学園の生徒=秋田県藤里町で2024年6月21日、田村彦志撮影

 ブナ原生林で知られる世界自然遺産・白神山地のふもと、秋田県藤里町で町立義務教育学校藤里学園(9年制)がブナ林モニタリング調査に取り組んでいる。21日には、中学1年にあたる7年生15人が町有ブナ林で96本の樹木を測定し、観察・記録した。ブナの一生や世代交代、生き物との関係を知る試み。学園と連携する町は、活動の経過を見ながら継続的な取り組みについても検討することにしている。

 町商工観光課によると、調査は町民や来訪者が遺産地域の保全に主体的に関わることができる取り組みが少ないことから、藤里学園が進める「町づくり学」の新たなプログラムとして企画された。

 この日、生徒たちは学園から車で10分ほど離れた大沢釜谷地区の町有林に入山。3人1組となってササやぶをかき分けながら、地図を基に番号のついたブナを含む各種樹木を一本一本、メジャーで0・1センチ単位まで胸高周囲(幹回り)を計測した。枯れ木の状態も調べた。

 環境省西目屋自然保護官事務所(青森県)のスタッフや、白神山地世界遺産センター(藤里館)の自然アドバイザーらがサポート。生徒の一人、成田明生(めい)さん(13)は「さまざまな樹木を測ったり記録したりして貴重な体験ができた」と話した。

 今後、計測した樹木ごとに胸高周囲から胸高断面積などを計算し、数値のデータをまとめ、世界遺産地域の数値などと比較する。秋には地面に落ちる葉や枝、種子を集めて調査。種子については個数を調べて種ごとに健全、虫くい、未熟に分類し、重さも測ることにしている。

 調査を指導する国立研究開発法人森林研究・整備機構の中静透理事長(植物生態学)は「モニタリング調査は継続することによっていろいろな変化が見えてくる。生徒たちの調査を基に、例えば5年後、我々や町が調べることもできる」と、生徒たちの活動に期待を込めた。【田村彦志】

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