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いじめ被害者の孤立化防ぐ 母親3人が「つむぐ会」設立 山口

毎日新聞 / 2024年6月27日 11時26分

「被害者の苦しみに寄り添いたい」と、手を握り合う3人の母親たち=山口県光市で2024年6月26日午後4時6分、柳瀬成一郎撮影

 学校でのいじめが原因で、自死したり転校したりした山口県内の生徒・学生の3人の母親が、いじめによる生徒や家族の孤立化を防ごうと、当事者同士で支え合う支援団体「つむぐ会」を設立した。同会によると、いじめ被害の当事者家族による支援団体設立は県内でも珍しいという。被害者をいち早く救うための情報共有や、支援の輪の広がりに取り組む。

 設立は26日。3人は、2016年5月に自死した大島商船高専(周防大島町)の男子学生(当時15歳)▽同年7月に自死した県立高2年の男子生徒、海都(かいと)さん(当時17歳)▽光市の県立光高2年時に転校した男子生徒(現在は大学1年生)――の母親で、自死、転校の理由はいずれも同級生らによるいじめが原因だった。

 3人は、いじめの理由を探ろうとしても学校や教育委員会などから十分な情報開示や対応をされず、孤立化を深めた時期がある。周囲の無関心もあり、弁護士や支援者を探そうにもつてがなく、苦労を重ねた。「子供が最悪の事態になり、なぜその後も家族は苦しむのか。いじめへの社会の関心を広げたい」と口をそろえる。

 孤立した光市の母親にとって、救ってくれたのは同じ境遇の母親だった。ネット交流サービス(SNS)をきっかけに海都さんの母親から連絡があり、学校側への対応や弁護士選定、情報公開請求などで的確な助言を受けた。光市の母親は「同じ体験をした親同士の相談こそが、心の痛みを分かってくれ、心のよりどころになりました」と振り返る。

 今後の活動として、学校でのいじめや職場でのパワーハラスメントを受けた被害者を、当事者ならではの視点でサポートするという。「つむぐ会 山口県いじめ・ハラスメント被害者支援」の名称で、SNS(X=旧ツイッター)を通じてダイレクトメッセージなどで相談を受け付ける予定にしており、3人は「同じ苦しみを体験してほしくはない。みんなで支え合う社会を実現させたい」と力を込めた。【柳瀬成一郎】

相談窓口

・24時間子供SOSダイヤル

 いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。

 0120・0・78310=年中無休、24時間。

・子どもの人権110番

 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。

 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分

・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/

 さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。

・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/

 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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