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古代国家の誕生語る出土品も 奈良・橿原考古学研究博で特別陳列

毎日新聞 / 2024年6月29日 8時30分

画文帯神獣鏡(手前)や土器などホケノ山古墳の出土品=橿原市の県立橿原考古学研究所付属博物館で2024年6月28日午前11時6分、皆木成実撮影

 邪馬台国の最有力候補地、奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡内にある全長80メートルの前方後円墳からの出土品の重要文化財指定を記念した特別陳列「ホケノ山古墳―ヤマト王権の成立へ」が29日、橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所付属博物館で始まる。同古墳は3世紀中ごろ築造と最古級。出土品は古代国家成立を物語る資料と評価された。7月15日まで。

 古代国家・ヤマト王権は、同じ纒向遺跡内の前方後円墳、箸墓(はしはか)古墳(全長280メートル)が造られた3世紀後半、同遺跡を王都にして確立したとされる。築造は1日数千人の労働力が必要な国家事業で、箸墓以降は、全く同じ形状の前方後円墳が列島各地に築かれるからだ。

 そして箸墓より古い古墳がホケノ山など纒向遺跡内の全長80~110メートルの5基。3世紀前半から中ごろの最初期の古墳群で魏志倭人伝に登場する邪馬台国の時代にあたる。箸墓と比べ前方部が小さい形状から「纒向型前方後円墳」と呼ばれる。

 中でもホケノ山は1999~2000年になってから橿考研などが発掘したため、同古墳群で唯一全容が判明。「卑弥呼のタイムカプセル」とも呼ばれる。調査では石積みの中に小部屋がある、類例のない二重構造の埋葬施設「石囲い木槨(もっかく)」が見つかった。

 今年3月に重文指定が決まったのは調査で見つかった約280点の出土品。「画文帯神獣鏡(がもんたいしんじゅうきょう)」などの銅鏡、「素環頭大刀(そかんとうたち)」を含む鉄剣類約10本、弓矢の銅鏃(ぞく)・鉄鏃など大量の金属製品で、ヤマト王権の古墳祭祀(さいし)の始まりを物語る重要資料だ。

 特別陳列は関連資料を含め約440点を紹介。平井洸史(たけし)学芸員は「ホケノ山を含め、古代国家が誕生した纒向遺跡の全容が分かる展示」と話している。

 橿考研博(0744・24・1185)は月曜休館(7月15日は開館)。一般400円、大学・高校生300円、小中学生200円。【皆木成実】

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