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老舗醸造酢メーカーが飲料作りに挑戦 ビネガーサイダー誕生の背景

毎日新聞 / 2024年6月29日 13時30分

(左から)トマト、柿、あまおう、巨峰の味が楽しめる庄分酢のビネガーサイダー=福岡県大川市で2024年6月7日午後3時7分、井上和也撮影

 シュワッとした喉越しと果実の爽やかさを味わえる「ビネガー(酢)サイダー」。約300年の歴史がある福岡県大川市の老舗醸造酢メーカー、庄分酢(しょうぶんす)が飲料作りにチャレンジした背景とは――。 お披露目は2013年4月の酢蔵開き。健康志向の高まりでもともと料理用の酢を水で薄めて飲む人が増え、「手間を加えずすぐ飲めるお酢がほしい」との要望を受けて開発した。

 総務省の家計調査(2人以上の世帯、2022年)によると、食酢の支出額は765円で、この20年ではピークだった04年(1666円)から半分以下となった。サイダーは食卓の酢離れが進む中での新機軸といえた。

 最もこだわったのが、温度管理を徹底し、時間をかけて発酵させる伝統の製法だ。酢に果汁を入れるのではなく、発酵槽に酢酸菌を入れ、果実を2~3カ月発酵させて果実酢を作り、炭酸を加える。サイダー1本(245ミリリットル、324円)には、1日の摂取量の目安とされる大さじ1杯分(約15ミリリットル)の果実酢が含まれている。

 4種類の味のうち、あまおう、巨峰、柿は県産で地産地消にもこだわる。口コミで認知度も高まり、6月末まで展開の大型観光企画「福岡・大分デスティネーションキャンペーン」では地元の「逸品」として紹介された。

 14代目の高橋一精社長(69)は居酒屋でもノンアルコールドリンクとして親しまれる現状に驚きつつ「若い人たちに気軽にお酢を取ってほしい」とPR。蔵見学も受け付けており「匂いを感じ、話を聞き、試飲してもらいたい」と話した。【井上和也】

庄分酢

 福岡県大川市榎津548の1。宝永8(1711)年創業。食酢、調味酢、飲用酢などを製造・販売。本社の建物は市指定文化財。午前9時~午後5時。本社2階のビネガーレストランは午前11時半~午後3時(午後2時ラストオーダー)。日、月曜定休。蔵見学は要予約。電話(0944・88・1535)。

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