「自分の命守るのは自分」 能登の小中学生、被災半年の防災授業
毎日新聞 / 2024年7月1日 11時20分
能登半島地震の発生から半年となった1日、石川県輪島市の市立輪島中学校では授業が公開された。同校には生徒だけでなく、校舎を間借りしている小学校の児童も学んでいて、この日も児童や生徒約560人が元気な姿で登校した。
1月の地震で、市立河井小学校など市内の6小学校は、校舎が損壊するなどして使用できなくなった。
このため、各校の児童は市役所から2キロほど離れた輪島中の校舎を一時的に間借りして、授業を受けている。輪島中の生徒と合わせると、約590人が勉強している。自宅が遠くなった児童らは、スクールバスなどを利用して登下校する。
市教育委員会によると、校内の全ての教室を合わせると、設計上の定員は480人。音楽室や美術室を通常の教室に転用し、図書室に臨時の小学校の職員室を設けるなどして場所を確保しているという。
1日午前8時半、1時間目の授業が始まった。小学4年生のクラスでは社会の授業で「風水害に備える」をテーマに、教諭が公助や共助について説明した。
教諭が「自分の命を守るのは誰かな」と問いかけると、児童らが「自分」と大きな声で答えた。古坂穂果(ふるさかほのか)さん(9)は「次に地震が来た時に備えて、安全に通れる道を調べておけば安心だと思った」と話した。
輪島中に近い河井小のグラウンドでは現在、6小学校の仮設校舎の建設が進む。子どもたちは2学期から仮設校舎に移る予定だ。
河井小の六田茂行校長は「子どもたちの学校生活も日常を取り戻しつつある。仮設校舎ができて、学びの機会がもっと増えることを期待している」と話した。【中田敦子】
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